ー奇談ー學校へ行こう

ー教室ー

夜の廃校で行われてる、夜の授業。

吸血鬼:不知火検校の勉強が終わって、生徒(悠と摩耶)は下校まえの談話タイムに入っていた。

摩耶「悠くんて普通にノート派なんだね。」

悠「ルーズリーフだとファイルに閉じるのが面倒なんだ。」

千世子「悠のあんちん、あんちん~」

悠「なんだ?」

千世子「お膝座っていいか?」

悠「いいぞ。」

千世子「やたー。よいしょ」

摩耶「チョコちゃんって、何歳?」

千世子「じゅーさんだぞ」

悠「小坊か」

千世子「消防?」

悠「なんでもない。」

千世子「変なあんちん。」

摩耶「ふぅん。立ち入ったこと聞くけどこんな時間にここに来て怒られないの?」

千世子「えと……」

摩耶「話づらい?」

悠「まぁ、いいじゃねぇか。ぴよこが話したくなったら話してくれるだろ。ほーれ、よしよし~」

ナデナデ…
ナデナデ…

千世子「わふーん!あんちんのいい子、いい子は本当に気持ちいいのだー!」

悠の膝の上で千世子は両手、両足をパタパタと振って喜んでいる。
もし、尻尾でもあったら大乱舞しているに違いない。

摩耶「それもそだね。うん。」

悠「っか、それよりこの教室寒いのをどうにかしようぜ…」

千世子をギュッと抱き締めた。子供は体温が高い。

いくら綺麗にしていても、築数十年は経ってる木造の教室。
壁からはすきま風が入り込んでくる。

千世子「あんちん、寒いの苦手か?」

摩耶「悠くんは寒さには弱いんだよ。逆に暑いのにはすごく強いけど」

悠「寒いと動けないが、暑いのはなんとか動けるだろ」

摩耶「僕は暑いより、寒いの派だし」

千世子「千世子はあったかい方が好き」

悠「だよなー。よしよし」

ナデナデ…ナデナデ…
ナデナデ…ナデナデ…

千世子「あははは。」

摩耶「あ、そうだ。アメ持ってるけど食べる?」

千世子「食べる!」

悠「なに味だ?」

摩耶「えとね。檸檬と葡萄、青林檎、白桃」

千世子「千世子はグレープがいい。」

摩耶「はい、どうぞ。悠くんは檸檬だよね?」

悠「どうも。」

千世子「まーやはあんちんの好きなの、わかるのか?」

摩耶「なんとなくね。」

悠「ハッカは嫌いだけどな。」

摩耶「だったけ?」

千世子「ハッカは千世子も嫌いだー。」

摩耶「やっぱり似てるね」

悠「そうかねぇ……。あ、そうだ。ぴよこ」

千世子「なに?」

悠「ここって電気ついてるって事は電気生きてるんだよな?」

千世子「ちゃんと通ってるぞ。水道もガスも」

悠「ガスと水道も?」

千世子「家庭科室とか理科室とか職員室のな。」

摩耶「使えるの?」

千世子は首を横に振った。

悠「通ってるんだろ?」

千世子「掃除しないとダメだし、あちこちボロが来てるから危ないよ。」

悠「そんな危ない廃校に毎夜ひとりできてたのか」

千世子「それは…千世子は平気なの!」

悠「やれやれ…」

摩耶「じゃあトイレ使えるね。」

千世子「……」

摩耶「なに?」

千世子「まーやは、男?女か?」

摩耶「僕は男だよ。」
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