ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「帰っちゃったかな?」

摩耶「さぁ。」

悠「ならば突撃隣の教室」

冥「どうかしましたかナ?」

悠「あ、管理人ちゃん。今日も尻尾が素敵だね。触っていい?」

冥「ありがとうですナ。ダメですナ♪」

悠「きっぱり断られちゃった、てへ♪」

神姫「腹が立って仕方がない」

悠「ばんなそかな…」

千世子「冥ちゃん、冥ちゃん。さっき隣の教室に居たひと達は……」

冥「そうでしたニャ。皆さんに挨拶したいそうですナ。みんなどうぞですナ」

上半身だけの男「失礼する」

骸骨「どうもどうも」

おかっぱの少女「……」

巨乳スク水「こんばんわ」

冥「えーと、右から」

悠「当ててみよう。まず、上半身だけのひとは……テケテケ?」

テケテケ「うむ。その通りだ。」

摩耶「骸骨さんは理科室の動く標本だよね」

骸骨「そうそう、人体模型とコンビでやってたんだよ。」

悠「やってた?」

晶「残念ながら安藤君は怖いって理由で撤去されちゃったんだって……可愛そうに……」

千世子「安藤君?」

骸骨「俺とコンビ組んでた人体模型の名前」

悠「なんで晶といい人体模型の癖に名前があるんだか……」

神姫「おかっぱ頭に白いブラウス赤いスカートとくれば……」

亘理『トイレの花子さん!』

花子「そうだよ。まぁ……今時トイレの花子さんなんて誰もビビらねーけど。ふーーっ」

千世子「ええっ、めっちゃタバコ吸ってるのだ」

恋「やさぐれておるな……」

花子「げっ!」

恋「げ?」

花子「アンタ……座敷童だろ」

恋「そうじゃが?」

花子「同じおかっぱ妖怪でも座敷と便所……アンタにだけは会いたくなかった」

恋「何の話をしとるんじゃコイツ」

摩耶「なんか微妙なコンプレックスがあるみたいだね。」

悠「座敷童子っぽい何かだから気にしなくてもいい」

恋「正真正銘の座敷童じゃ!」

悠「えー、でも、お前より恋大根が目の前を三度横切ったほうが縁起良さそうなんだけど」

恋大根【……】
トタタタ!

恋「クロ猫か何かか!」

神姫「まぁ、不幸を呼びそうではないわね。」

悠「さて、問題は……そこの巨乳スク水さんは何だ?新手の淫霊?」

プールの霊『ち、違います!私はプールの霊です!』

Q子『ムフーー!ムフフーー!』

千世子「そして本物の淫霊がめっちゃ見てるのだ」

悠「アレが一番の化け物な気がする。」

テケテケ「我々の正体がわかったところで改めて、よろしく頼む」
スッ
スッ
悠「え、あー、どうも」

神姫「それでどういう関係なの?」

冥「この人たちは近くの小学校で七不思議をしてる妖怪幽霊さん達ですナ」

悠「七不思議ってテケテケ、骸骨、トイレの花子、プールの霊……普通に足りなくね?」

テケテケ「そう。足りないのだ。」

骸骨「動く人体模型は撤去されたし」

花子「目が光る二宮金次郎の像も子供の保護者に「歩きながら本を読むのを真似されたら危険」って批判が相次いで撤去された」

摩耶「世知辛いね」

神姫「そのうちクラークの像もあの伸ばした手で目を突きそうになるとか因縁つけられだすのかしら」

千世子「……あれ、それでも六不思議しかないのだ」
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