ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「じゅぎょーしますなのだ。」

悠「えー、向こうの妖怪らとトークしてないのに」

千世子「じゅぎょーが終わってからすればいいのだ」

悠「帰ってたら?」

千世子「諦めるのだ」

悠「厳しい娘だわ」

摩耶「将来が楽しみだね」

悠「良い女にはなると思う」

千世子「えっ?」

亘理『悠ちゃん!』

悠「今のはいいだろ……」

千世子「コホン、はい、以前の続きからでジュリアス・シーザーは、政治、軍事、文学という多くの方面で才能を発揮した万能の天才だったのだ。彼はローマの指導者に選らばれると、政治改革によって庶民の暮らしを豊かにする一ポイ、軍隊の指揮者としても活躍したのだ。シーザーの戦いでもっとも有名なのが「ガリア遠征」という戦いなのだ。」

悠「おれと同じタイプか」

神姫「……」

悠「ただただ無視されるという悲しみ」

亘理『よしよし』
なでなで
悠「あざっす。ついでに肩とか叩いてくれ」

恋「何さまじゃコイツ」

悠「おれ様!」

千世子「紀元前58年ごろ、ローマはイタリア半島に加え、フランス南部、スペイン南部、イスラエル、北アフリカなど、地中海沿岸の地域を領土にしていたのだ。」

神姫「はい、これで叩くといいわよ。」

【ミートハンマー】

亘理『わ、ズシッとした重み』

摩耶「柔らかくなるね」

雨「骨も砕けるし」

悠「Nomeathammer!」

神姫「ネィティブな発音がうざい」

千世子「シーザーは国の命令で当時「ガリア地方」と呼ばれていた、フランス北部や、ドイツ南西部、皿にはイギリスにも遠征し、現地の部族を倒して支配下に置いたのだ。」

摩耶「でも、なんでミートハンマーなんてもってたの?」

神姫「さっき廊下で拾ったのよ」

悠「なんでそんなものが落ちてるんだ…」

摩耶「ここだったら例え廊下に生首が転げてても不思議じゃなくない?」

悠「……それもそうだな」

恋「納得すな!」

千世子「シーザーに敗れた部族はローマの支配を受け入れたのだ。それまでばらばらの民族が独自の文化を守っていたヨーロッパは、シーザーに制圧されたことで「ローマ」という共通の文化を持つことになったのだ。「シーザーがヨーロッパを作った」という有名な言葉は、シーザーのガリア遠征でもたらされたローマ文明が接着剤となってヨーロッパ各地を文化的につなぎ合わせたことを意味しているのだ。」

亘理『ヨーロッパとか行ってみたいなぁ』

摩耶「旅行行くならどこ行きたい?」

亘理『えーと……北海道?』

神姫「ヨーロッパからの北海道…」

亘理『いやぁ、まずは日本国内から色々と見てみたいなぁって……』

神姫「……」
摩耶「……」
恋「……」
雨「……」

悠「な、なんで皆しておれの方を見るかなぁ」

千世子「また、この戦いの中でシーザーが書いた全八巻構成の遠征記録『ガリア戦記』は歴史資料として貴重なだけでなく、文学的価値も高く、ガリア地方の文化を知る資料としても有用な傑作と言われるのだ。はい、今日はここまでで続きは次回なのだ」
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