ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『あっついぃ…』

摩耶「はい、氷」

亘理『え、あ、えーと……』

悠「奥歯で噛みしめるんだ!」

亘理『そういう使い方?!』

雨「頭と奥歯は冷えるかもね。」

恋「それは冷えるとは言わんのじゃ」

【ジュリアス・シーザー】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。「人類の歴史上もっとも偉大な人物は誰か?」非常にありきたりなこの質問への回答として最も多いひとつが、今回じゅぎょーする「ジュリアスシーザー」なのだ。なぜならシーザーは「ヨーロッパ」という社会を作りあげた英雄だからなのだ。」

恋大根【……】
トタタ…

神姫「アレは元気ねぇ」

摩耶「太陽の光と水で多分最高の環境なんだよ、きっと」

恋「今は夜じゃがな」

摩耶「昼のうちに充電してるってこと」

千世子「ジュリアスシーザーは、イエスキリストが生まれる約100年前、紀元前100年ごろに、イタリア半島を中心に広大な領土を持つ強国『共和政ローマ』の貴族として生まれたのだ。ジュリアスシーザーという呼び名は、彼の本名を英語読みした発音で、本来は「ユリウス・カサエル」と読むのだ。更に正確な名前は「ガイウス・ユリウス・カサエル」で「ユリウスという位置族に属するカサエル家のガイウス」という意味になるのだ。ジュリアスもシーザーも、ファーストネームではないわけなのだ。」

悠「最近、どっちが恋かわからなくなる」

恋「ならんじゃろ!!」

悠「ははっ。」

恋「笑ってごまかすな!」

亘理『……』

摩耶「亘理ちゃん、大丈夫?」

亘理『あづー……』

千世子「シーザーは、生き生きと輝く目と明るい顔色が魅力的な美男子で、ローマの女性に非常に人気があったのだ。ローマの国会である「元老院」には数百人の議員がいたが、その妻たちの1/3はシーザーとの愛人関係にあったという説もあるのだ。武芸の訓練によってたくましい肉体も獲得しており、あえて外見的な欠点をあげるなら、頭髪が薄かったことくらいしかないのだ。このためシーザーは、ライバル議員などに「ハゲの女たらし」とからかわれることも少なくなかったのだ。」

悠「そんな熱に弱かったか?」

亘理『なんか今年はきつい……』

神姫「それ、もしかしてもう熱中症になってない?」

亘理『ま、マジですか?』

神姫「いや、分からないけど」

千世子「また、シーザーは非常に意志が強く、プライドが高い人物だったのだ。18歳のころ叔父を殺した権力者に「殺されたくなければ妻と結婚しろ」と命じられたときには、命の危険を顧みずその要求を拒否し、信念を貫いたのだ。」

悠「仕方ないな。あとで冷たいもの買ってきてやるよ」

亘理『悠ちゃん……///』

摩耶「アイスブロックは無しっていっといた方がいいよ」

悠「……」

神姫「買う気だったわね」

恋「買う気だったの」

亘理『悠ちゃん!!』

千世子「また、海賊に身代金目的で誘拐されたときには、海賊に「要求する身代金額が少なすぎる」と文句をつけ、自分の身代金を2.5倍に引き上げさせているのだ。今回はここまでで続きは次回なのだ。」
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