ー奇談ー學校へ行こう9
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
ガタガタ……
ガタガタ……
恋大根【……】
トタタタ!
千世子「風がすごいのだ」
摩耶「恋大根が走って揺れてるだけかも」
恋「そんな重たくない!!」
悠「大分感情入って来てるな」
神姫「やっぱり何かシンパシーを感じるのかしら」
【アエネアス】
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。現在のトルコ北西部にあったという国「トロイア」がギリシャと戦った「トロイア戦争」は、ギリシャ神話では最も有名な戦いなのだ。トロイアの王子アエネアスは、世界的にも珍しい、逃げることで英雄となった人物なのだ。アエネアスは敗北したトロイアから脱出するとイタリアへ渡り、ローマという国の祖先となったのだ。」
悠「亘理」
亘理『え、なに?』
悠「亘理大根いる?」
亘理『いりません!』
悠「そっか。まぁ、そう中々セクシーな大根もできないんだけどな」
千世子「アエネアスは、愛と美の女神「ウェヌス(ギリシャ神話のアプロディテ)」と、人間の父の間に生まれた半神半人であったのだ。トロイアでも有数の戦士に育ったアエネアスは、トロイア戦争においても一大将として活躍しているのだ。」
神姫「できたら同じようなことするつもりなの」
悠「んー、どうかなぁ。こうバッチリかみ合わないとダメなんだよな。」
恋「恋も別にバッチリあっとらんからな!」
恋大根【……】
トタタ…
摩耶「あってるあってる。」
恋「あっとらん!」
千世子「しかし、戦いはトロイアの敗北に終わるのだ。アエネアスは父を背負い、陥落する城から何とか脱出。その後、城を脱出した人々を集めたアエネアスは、新しいトロイアを作るべく、新天地へと船で旅立ったのだ。」
悠「ちなみに、ゆうなに飼うかどうか聞いたら、戦闘力が低そうだからいらないだそうだ」
恋「いらんとは失礼な!」
亘理『恋ちゃん、実はだいぶん気にいってるよね』
恋「気にいってはおらんが、仮にも恋の名前がついとるんじゃからな。大切にするわい。」
悠「ははははっ!」
千世子「長い旅路の末、アエネアスたちは現在のローマである地へとたどり着くのだ。その地の先住民と長く激しい戦いがあったものの最後は和睦、アエネアスは、先住民族の王の娘と結婚して新しい国の王となったのだ。」
亘理『爆笑?!』
摩耶「ちなみにゆえちゃんは?」
悠「料理してくれたら食べるとは言ってた」
神姫「勇気あるわね。」
悠「食に対して凄いんだ。ゆえは」
千世子「ちなみにアエネアスが建国した国の名前は『ラウィニウム』という。「ローマ」はアエネアスの子孫である「ロムルス」と「レム素」という双子によって紀元前753年4月21日に新しく建てられたものなのだ。」
恋「凄いというレベルか?」
悠「なんでも残さず食べてるだろ」
恋「それはいいんじゃが、皿を舐めるのやめさせんか」
悠「問題ない。ひとが見てない一瞬できれいにしてるから」
恋「いや、舐めとることに問題がある」
千世子「新興国だったローマは、ギリシャに比べ歴史や伝統がなかったのだ。そのためローマは、ギリシャから文化を積極的に取り入れたのだ。アエネアスの逃避行が書かれた作品は「アエネイス」は、ギリシャ文学を参考にしてローマ人が書いたものなのだ。」
悠「いや、でも、おれもカニ味噌とかなら舐るし」
摩耶「あー、悠君はカニの執着半端ないからね。」
悠「愛ラヴ蟹」
神姫「漂流教室読んだらどう?」
悠「あー、蟹っぽいのいたな。でもそのぐらい全然平気」
千世子「ギリシャ人がローマに渡って国を作ったというアエネアスの物語は、ローマを「由緒正しい国』と主張できる、非常に都合のいいものだったのだ。ローマの貴族である「ユリウス家」は、権力を不動のものにするため、自分たちはアエネアスの子孫だと主張したというのだ。ちなみに紀元前1世紀ごろに活躍したローマの英雄「ジュリアス・シーザー」も、ユリウス家の一族なのだ。以上、アエネアスのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
ガタガタ……
ガタガタ……
恋大根【……】
トタタタ!
千世子「風がすごいのだ」
摩耶「恋大根が走って揺れてるだけかも」
恋「そんな重たくない!!」
悠「大分感情入って来てるな」
神姫「やっぱり何かシンパシーを感じるのかしら」
【アエネアス】
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。現在のトルコ北西部にあったという国「トロイア」がギリシャと戦った「トロイア戦争」は、ギリシャ神話では最も有名な戦いなのだ。トロイアの王子アエネアスは、世界的にも珍しい、逃げることで英雄となった人物なのだ。アエネアスは敗北したトロイアから脱出するとイタリアへ渡り、ローマという国の祖先となったのだ。」
悠「亘理」
亘理『え、なに?』
悠「亘理大根いる?」
亘理『いりません!』
悠「そっか。まぁ、そう中々セクシーな大根もできないんだけどな」
千世子「アエネアスは、愛と美の女神「ウェヌス(ギリシャ神話のアプロディテ)」と、人間の父の間に生まれた半神半人であったのだ。トロイアでも有数の戦士に育ったアエネアスは、トロイア戦争においても一大将として活躍しているのだ。」
神姫「できたら同じようなことするつもりなの」
悠「んー、どうかなぁ。こうバッチリかみ合わないとダメなんだよな。」
恋「恋も別にバッチリあっとらんからな!」
恋大根【……】
トタタ…
摩耶「あってるあってる。」
恋「あっとらん!」
千世子「しかし、戦いはトロイアの敗北に終わるのだ。アエネアスは父を背負い、陥落する城から何とか脱出。その後、城を脱出した人々を集めたアエネアスは、新しいトロイアを作るべく、新天地へと船で旅立ったのだ。」
悠「ちなみに、ゆうなに飼うかどうか聞いたら、戦闘力が低そうだからいらないだそうだ」
恋「いらんとは失礼な!」
亘理『恋ちゃん、実はだいぶん気にいってるよね』
恋「気にいってはおらんが、仮にも恋の名前がついとるんじゃからな。大切にするわい。」
悠「ははははっ!」
千世子「長い旅路の末、アエネアスたちは現在のローマである地へとたどり着くのだ。その地の先住民と長く激しい戦いがあったものの最後は和睦、アエネアスは、先住民族の王の娘と結婚して新しい国の王となったのだ。」
亘理『爆笑?!』
摩耶「ちなみにゆえちゃんは?」
悠「料理してくれたら食べるとは言ってた」
神姫「勇気あるわね。」
悠「食に対して凄いんだ。ゆえは」
千世子「ちなみにアエネアスが建国した国の名前は『ラウィニウム』という。「ローマ」はアエネアスの子孫である「ロムルス」と「レム素」という双子によって紀元前753年4月21日に新しく建てられたものなのだ。」
恋「凄いというレベルか?」
悠「なんでも残さず食べてるだろ」
恋「それはいいんじゃが、皿を舐めるのやめさせんか」
悠「問題ない。ひとが見てない一瞬できれいにしてるから」
恋「いや、舐めとることに問題がある」
千世子「新興国だったローマは、ギリシャに比べ歴史や伝統がなかったのだ。そのためローマは、ギリシャから文化を積極的に取り入れたのだ。アエネアスの逃避行が書かれた作品は「アエネイス」は、ギリシャ文学を参考にしてローマ人が書いたものなのだ。」
悠「いや、でも、おれもカニ味噌とかなら舐るし」
摩耶「あー、悠君はカニの執着半端ないからね。」
悠「愛ラヴ蟹」
神姫「漂流教室読んだらどう?」
悠「あー、蟹っぽいのいたな。でもそのぐらい全然平気」
千世子「ギリシャ人がローマに渡って国を作ったというアエネアスの物語は、ローマを「由緒正しい国』と主張できる、非常に都合のいいものだったのだ。ローマの貴族である「ユリウス家」は、権力を不動のものにするため、自分たちはアエネアスの子孫だと主張したというのだ。ちなみに紀元前1世紀ごろに活躍したローマの英雄「ジュリアス・シーザー」も、ユリウス家の一族なのだ。以上、アエネアスのじゅぎょーだったのだ。」