ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「ふんふーん♪」
シャワー
恋大根【……】
ぴょん!ぴょん!

悠「子供は植物を育てるの好きだな」

摩耶「悠君も好きだよね。」

悠「おれのはライフワーク」

恋「暇つぶしじゃろ」

悠「お前にはもう野菜食わさん」

恋「意地の悪いことを言うな。子供か」

悠「ですがなにか?」

恋「コイツは……」

揺光【身体は大人じゃがな。主に下半身が】

神姫「最低」

悠「なぜおれを見て言うのか!!」

恋大根【……】
トタタ…
恋「だから、恋の周りを走るでない」

悠「同じようなもんだからいいだろ」

恋「それは足か!恋の足のことを居っとるんなら蹴るぞ!!」

悠「しっかし暑いな。おれにも水かけて欲しいくらいだ」

千世子「そんな人にかけたりはしな……」

神姫「……」
バシャ!
悠「……」
ボタボタ…

摩耶「水も滴るいい男だ」

悠「まさか、間をおかずにぶっかけられるとは思わなかった」

神姫「かけて欲しいといったじゃない」

悠「はい、いいました」

千世子「あんちん、はいタオル」

悠「んっ、どうも、クンクンクンクン」

千世子「なんで匂いを嗅ぐのだ!!」

悠「え?そういう意味で貸してくれたんじゃないの?」

千世子「どういう意味なのが分からないのだ……」

摩耶「大人になったらわかるよ」

神姫「わかる分、損するだけ、だけどね」

亘理『あ゛ー……あっぅい!蝉の声が夜でもひびいてるぅー!』
ずるり

悠「夏を感じるだろ」

亘理『もう十分感じたから涼しくなってほしい』

摩耶「まだまだ暑くなるよね。」

亘理『ひーん……』

悠「妖怪ってそんな暑い寒いを感じるっけ?」

揺光【妖怪にもよる。妾のように溶岩に浸かっても平気になれば寒い暑いなど大したことない】

悠「うん、それはもうなんか違う」

恋「化けもんじゃな…」

摩耶「恋ちゃんも妖怪なんだけどね。」

神姫「ま、暑い寒いをわかるってことは人間に近いってことでしょ

亘理『なるほど……だってさ!』

悠「アッハイ」

揺光【ま、四季を楽しむというのは日の本の国の美徳じゃろ】

悠「冬はいらないけどな」

摩耶「悠君は美徳がないんだね。」

悠「おれが美しいからいいんだよ」

神姫「……」
ゲシッ!
悠「まさか蹴られるとは…」