ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「七夕なのだ」

悠「はい、恋大根」

【恋大根】

千世子「大根をどうするのだ…」

悠「七夕飾りと短冊つけちゃいなよ」

【恋大根】
うごうご

亘理『動いてる?!』

悠「揺光パワーだ」

神姫「どんなパワーよ」

揺光【ちょっと術をかけただけじゃ】

悠「真恋大根」

恋「や!め!い!」

悠「超セクシーだべ?」

【恋大根】
トタタッ

亘理『おー、走ってる走ってる』

悠「ここで離し飼いにしよう」

雨「巣にかからないといいけどね。」

神姫「何かしら糸状のものに掛かったら火を噴くようにしとくとかどう?」

揺光【なるほど、妾の火の加護をつけておくか】

雨「やめてっ!」

摩耶「蜘蛛の糸と炎って相性最悪っぽいね。」

千世子「でも、火なんか出したら建物が焼けちゃうのだ」

揺光【そこは安心せい。決まったものしか燃やさない炎ぐらいわけない】

雨「私を重点的に狙わないでよ!!」

冥「はーい、みなさん。お疲れ様ですナ」

悠「おや、管理人ちゃん」

【恋大根】
トテテテ

冥「あ、今日は恋ちゃんもいっしょですナ」

恋「恋はこっちじゃ!!」

悠「まぁ、瓜二つだしな」

恋「全然違う!!」

冥「それは置いといて笹持ってきましたナ。どうぞ、短冊つけてくださいナ」

悠「ふむ……じゃあさっそく」
スッ
『健康祈願』

亘理『なんて堅実……』

悠「とりあえず、何かもう命を大事にって感じなんだ…」

摩耶「でも、悠君の場合は病気云々で身体壊すっていうか、物理的に壊されるだよね」

悠「あー、ならこうかな」

『防御ブースト』

恋「悠の阿呆が治るように短冊に書いておいてやろう」

悠「そういうことばっかり言ってると……」

恋「な、何じゃ」

悠「……」

千世子「何も言わないのだ」

恋「逆に気になるっ!」

亘理『じゃあ、私はこの校舎から出られるようになりますように……』

摩耶「切実だねぇ」

千世子「神姫ねーちんは?」

神姫「願いはないわね。天に死をっていうのならあるけど。」

悠「神姫、ブレイク。ブレイク。」

神姫「本気だけど冗談よ」

悠「アッハイ」

摩耶「じゃあ、僕は健康祈願でいいや」

悠「あれ、取られた」

亘理『雨ちゃんは?』

雨「……平和が欲しい」

揺光【妾は長生きかのう】

悠「世界の終りまで生きてそうだけどな」
81/100ページ
スキ