ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「おっぱいが……!」
むにゅん
揺光【流石にこう何度もつづくと飽きぬか?】

悠「暑さにもだいぶ慣れてきたのでおれは大変堪能してます」

摩耶「悠君、亘理ちゃんが、亘理さんになりそうな闘気を出してる」

亘理『……』
ゴゴゴ…

悠「なんで?!」

【ヘラクレス】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。怪物退治で有名なペルセウスやトロイア戦争で活躍したアキレイウスなど、ギリシャ神話には「英雄」と呼ばれた人物は何人もいるのだ。その英雄の中でも、もっと有名で、怪物退治など、数々の偉業を成し遂げているのがヘラクレスなのだ。」

亘理『ガリリッ!』

悠「前から噛まないで!前からは噛まないで!!」

神姫「だんだんゾンビみたいになってるわね。」

摩耶「天井下りの壁抜け能力＋ゾンビってめっちゃ怖いね。どっからでも現れて食らいついてくる」

揺光【妾も壁ぐらいは抜けれるぞえ。物理的にも能力的にも。】

千世子「ヘラクレスはギリシャ神話の最高神「ゼウス」と、英雄ペルセウスの孫である女性「アルクメネ」の間に生まれたのだ。彼はギリシャ神話の名だたる英雄の中でも特に父ゼウスのお気に入りであり、すべての英雄の中でも最強になるように生み出されたのだ。」

雨「物理的にって何」

神姫「物理的に壁をぶち抜くってことでしょ」

雨「壁抜け……壁抜け?」

摩耶「ダイナミックお邪魔しますだよ」

悠「うっうぅ……」

亘理『はっ?!』

千世子「ヘラクレスは豪快な性格で、不屈の勇気を持つ正直者であったのだ。しかし一方で女好きで短気という弱点もあったのだ。成長したヘラクレスは、剣術や槍術、格闘術、弓術や戦車の操縦の仕方など様々なものを学んで立派な戦士になったのだ。」

悠「頭っていうか顔中が痛い」

神姫「歯形だらけになってるわよ」

亘理『あわわわっ、ごめんね悠ちゃん!』

悠「いや、いいけどさ……ほぼ無意識で噛んでたことにびっくりだわ」

摩耶「ハードキスだね」

千世子「ヘラクレスはすさまじい怪力で知られ、赤ん坊の時に蛇を絞殺したという逸話が残っているのだ。その怪力ぶりは戦いの神である「アレス」との勝負にも勝ったほどであったのだ。」

亘理『キキ、キスッ///』

悠「どう考えてもキスではない」

亘理『……』

雨「上がり下がりが大きい」

揺光【妾も噛んでよいかえ?】

悠「やめい!」

千世子「さらに、世界を支えている大巨人「アトラス』の代わりに、世界を支えたことまであるのだ。世界を支えることができる怪力というのは、すでに我々の理解を越えているのだ。最高神の血筋は伊達じゃないのだ。」

揺光【噛むのは好きなくせに、噛まれるのは断るとは……】

摩耶「噛むの好きなんだ」

揺光【ところかまわず噛んでくる】

神姫「引くわ…」

悠「そんなマジ噛みとかしないよ!甘噛みだよ!」

神姫「キモイ」

悠「今の言い方ゾクッと来た」

神姫「……」
パァン!
悠「あべしっ!」

千世子「ヘラクレスは美術作品の題材にもよく使われているのだ。ほとんどの場合はたくましい青年の姿で裸でライオンの毛皮をかぶり、手に突起のある棍棒を持った姿で描かれているのだ。また、棍棒の代わりに弓矢を持っているときもあるのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」