ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

神姫「ふぅ……」

悠「どした、神姫ずいぶんと色っぽいため息ついて」

神姫「ちょっと怠いのよ」

摩耶「あれ、風邪?」

神姫「ううん。暑かったりぬるかったりのせいでちょっとダレてるだけ」

千世子「はい、前回の続きでアレクサンダー大王じゅぎょーの続きをしますなのだ。ペルシア王国ダレイオスは、アレクサンダーへの対応を部下にすべて任せていたのだ。ギリシアはペルシアとは比較にならない小国であり、部下の戦力で充分対応できると考えたのだ。しかしアレクサンダーは強かったのだ。マケドニア軍はペルシア軍性を次々と破り、ダレイオス3世が直接先陣に出てくればこれを破り快進撃を続けトリコ、エジプト、西アジアを征服したのだ。」

悠「疲れを一発で治すなら、駒狸汁がおススメ」

神姫「……勇気がいりすぎるわね」

悠「当たりだったら無味無臭で済む」

摩耶「はずれだったら?」

悠「あらゆる味が口の中でバースト」

亘理『なにそれ怖い』

千世子「ダレイオスとの二回目の直接対決にも勝利し、ついにアケメニス朝ペルシアを滅亡させたのだ。マケドニア軍の強さには2つの秘訣があったのだ。まずひとつは、マケドニア軍の部隊編成なのだ。アレクサンダーはギリシャで開発された防御力の高い歩兵陣形「ファランクス」と゜、機動力の高い騎兵部隊が連携して戦う高度な戦術を編み出していたのだ。そしてアレクサンダーは天才的な戦術家であり、自軍の動きによって敵の陣形にゆがみを生み出し、そこを一気に突くという作戦を用意していたのだ。ペルシア軍はこの戦術に圧倒され、マケドニアの4倍の兵力を用意しながら敗れるという大敗を繰り返していたのだ。」

雨「っていうか、それ、飲んで平気なものなの?」

悠「天然食品のみで作られているらしい」

亘理『らしいって……』

摩耶「漢方の一種と思えば……ね?」

神姫「漢方のがマシな気がするわ」

千世子「アレクサンダーはペルシア滅亡後も東へ進軍を続けたが、その戦いはインドの北西部で終わりを告げてしまうのだ。生まれ育ったギリシャから遠く離れて戦うことを拒否したのだ。」

悠「でも、効果においては駒狸汁は最強だぞ。お肌とかも艶々になる」

亘理『マジで!!』

摩耶「飲む勇気?」

亘理『うぅ……』

摩耶「飲むのに勇気がいるってよくよく考えたらすごいことだよね。」

千世子「インドからイラクまで帰還したアレクサンダーは、アラビア半島への遠征計画中に突然発病し、10日後に死亡したのだ。」

雨「確かに……私は急激に効果があるより、気長な方がいいわ」

悠「急激に効くのを毎日続ければいい」

摩耶「悟りが開けるかもね」

悠「解脱」

雨「もはや汁っていうか妙薬ね」

千世子「アレクサンダーはペルシアやアラビア地方などでは「イスカンダル」の名前で知られるのだ。特にアラビア地方においてイスカンダルは英雄であり、男性の名前として使われることが多いのだ。アラビア地方では、イスカンダルは「日本の角を持った王」と呼ばれているのだ。」

悠「ただ、あくまでも効果は高いから罰ゲームには向かないんだよな。後楽にジョッキ一杯の間したら半日潰れてたけど、そっから三日ぐらい超元気だったし」

摩耶「ってことは、妖怪にも効くんだね」

神姫「蜘蛛にも効くかしら」

雨「やめて!!」

悠「今度持ってくるわ」

雨「やーめーろー!」

千世子「アレクサンダーの名前はイスラム教の普及とともに東南アジアまで広がったのだ。アレクサンダーの死から1800年後、15世紀初頭に現在のマレーシアに生まれた「マラッカ大国」の王家は、自分たちがアレクサンダーの血を引く一族だと主張していたのだ。以上、アレクサンダーのじゅぎょーだったのだ。」
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