ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

メフィスト「はぁ~、梅雨デスネー。」

悠「なんだアンタ梅雨嫌いなのか?」

メフィスト「昔大事な呪いの絵画をカビさせてシマった事があるんデース」

摩耶「呪いの絵画もびっくりだね。」

神姫「燃やされるとか祓われるじゃなくてカビだものね……。」

悠「しかも、持ち主(メフィスト)には呪い効かないだろうしな。不憫すぎる。」

【アレクサンダー大王】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。アレクサンダー大王は、紀元前4世紀ごろに活躍した偉大な征服王なのだ。彼の国「マケドニア」は、ギリシャの東側に位置する小国に過ぎなかったのだ。しかしアレクサンダーはわずか23年間で、西はギリシャから東はインド西側まで、東西4500キロメートルの地域を支配する超大国を作り上げたのだ。」

亘理『食べ物とかもカビちゃわないよう注意な季節だよね』

悠「おれはナメクジのが怖い」

神姫「ふっ」

悠「花で笑われた」

摩耶「花で?どんな風に?」

悠「あーじさい、あーじさい」

亘理『無理くり過ぎる!!』

千世子「アレクサンダーはギリシャ語読みの「アレクサンドロス」という名前でも知られているのだ。マケドニア王の息子として生まれたアレクサンダーは、両目の色が違う「オッド・アイ」だったといわれ、全身から良い香りを放つ美青年だったというのだ。幼少のころからギリシャの哲学者「アリストテレス」を家庭教師として英才教育を受け、広い学識と忍耐力を手に入れたのだ。また武術や戦術にも優れ、名将であった父親の部下として18歳で一軍を指揮するほど信用されていたのだ。」

メフィスト「紫陽花といえば、ここからほど近い集合墓地で血のように赤い紫陽花の花を見かけたことありマスよ」

悠「場所も場所だし、赤い紫陽花て…」

亘理『え、綺麗じゃない?』

摩耶「色の度合いにもよるよね。」

神姫「濃い真紫とかのがぞっとするかもね。」

悠「マーブルカラーとか……」

「「『ないよ』」」

悠「あら、総ツッコミ」

千世子「父の死後、アレクサンダーは父の跡を継いで国王となり、素晴らしい才能とカリスマ性を発揮して国と兵をまとめたのだ。さらに彼は、国王でありながら戦いになると危険な最前線で戦ったのだ。両端に白い羽根飾りをつけた兜をかぶり、相場『ブケファラス』にまたがって戦場の前線をかける姿は良く目立ち遠くからでもアレクサンダーの居場所が分かったのだ。王の子の姿に兵士たちは奮起し、アレクサンダーに絶大な信頼を寄せたのだ。」

摩耶「植物といえば、悠畑は今どんな感じなの?」

悠「枝豆祭りだな」

亘理『枝豆でお祭り!』

悠「植えれそうなところにはありったけの勇気と枝豆を植えてみた」

亘理『勇気も?!』

悠「虫に食われにない勇気」

千世子「暗殺された父の跡を継ぎ、20歳の若さで国王となったアレクサンダー。その人生は戦争の連続だったのだ。」

メフィスト「お裾分けが楽しみデース」

神姫「ホントね。」

悠「おう、できたら持ってくる。」

摩耶「うん。よろしく」

亘理『……悠ちゃんの畑ってそんな広いの?』

悠「隣に良い感じの空き家があるんだよ。」

千世子「アレクサンダーはまずギリシャを支配下に置くと、父の遺志を継いで東方へ遠征したのだ。中東と西アジア一帯を支配し、ギリシャにとって脅威となっていた大国「アケメネス朝ペルシア」を倒すためなのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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