ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あーー……ついな!」

神姫「頸動脈とか切れば冷たくなるわよ」

悠「おいおい、死んじゃうよ」

雨「いいじゃん」

悠「……」
ぐりぐり、ぐりぐり
雨「つむじを押すなっ!」

摩耶「でも、悠くんが死んだらがりゅーちゃんが絶望するよね」

神姫「それはダメね。がりゅーが悲しむのはダメだわ。」

亘理『私も泣く!超泣くよ!』

摩耶「でも、悠くんが死んだら妖怪化という可能性もあるね。」

亘理『……』

悠「おい」

亘理『か、考えてないよ!ほんとだよ!』

千世子「亘理ちゃんすごい汗なのだ」

神姫「わっかりやすいわね。」

揺光【妖怪化したいなら妾にいえばよい。痛い方法から痛くない方法まで色々とやりかたはある】

悠「ありがとう。頼ることはないから」

亘理『…………ちぇ』

悠「おい!」

亘理『じ、冗談だって』

千世子「ようこーさんは何でも知ってるのだ」

揺光【伊達に永いこと妖怪しとらんからの】

悠「じゃあ、同じく年季の入った蜘蛛妖怪の雨さんはどんなことしってますか?」

雨「そんな振りされてもなんもないわよ」

悠「うん、雨だしわかってた」

雨「おいコラ」

千世子「年季が入ってるなら後楽さんも色々しってるのだ?」

悠「自分の人生も分かってないおっさんが何か知ってるわけないだろ」

摩耶「詐欺の方法とかはしってるんじゃない?」

悠「ああ、反面教師としてなら完璧だろうな」

神姫「なんであんな生きた不良債権を家においてるのかわからないわね。」

悠「好きで置いてない。締め出しても気が付いたら帰ってきてるんだよ」

千世子「帰巣本能ってやつなのだ。」

揺光【悠の家には奴の好きなものが全部そろっとるからじゃろ】

千世子「好きなものって何なのだ?」

揺光【酒と女と金】

神姫「わかりやすく下種ね」

悠「酒と金はまだいいが女に手を出したら本気で殺処分する。その時は揺光、頼んだぞ」

揺光【あい、わかった。】

神姫「私だったら金の時点でアウトだわ」

摩耶「色々やられ過ぎて逆鱗ポイントが緩んでるんだろうね」

亘理『むしろ、逆に後楽さんのいいところって何?』

揺光【あるわけがない】

千世子「即答だったのだ」

悠「そうだなぁ……無理やりあげるなら勧誘とか訪問販売を追っ払う人?」

摩耶「微妙だね」

悠「むしろ悪評のが出る場合あるからな。紋々いれた顔に傷あるやっさんが真昼間から家にいる」

千世子「いいこと無しなのだ」

後楽「でも、兄ちゃんおじさんのこと好きじゃん」

悠「……」

亘理『悠ちゃんが般若みたいな顔になってる』

摩耶「真鬼状態だね。」

神姫「どっから現れたんだか」

後楽「兄ちゃん(財布)がいるところにおじさんありだぜ」

悠「よし、全力で殴ろう♪」

千世子「すっごい怖い笑顔なのだ…」
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