ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

後楽「おーい、兄ちゃんいるかい?」

揺光【むっ、狸爺】

後楽「おう。バアちゃん。久しぶりだな」

揺光【そうじゃの】

亘理『揺光さん、バアちゃんて言われて怒らないんですか?』

揺光【狸爺には言われても怒りも何も感じぬ。】

悠「……」

揺光【仮に悠がいうたら、犯すからの】

悠「いわねぇよ!!」

揺光【そうか。ならば、妾を抱く権利をやるぞ】

摩耶「すごいね。何も変わらない」

亘理『もー!悠ちゃんもー!もーーー!』
べしべしっ!
悠「おれは何も悪くないよね?!」

千世子「おぢさん、何しに来たのだ?」

後楽「パチンコで勝ったからよ。ほら、お菓子やるぞ。お菓子。」

千世子「ありがとうなのだ。」

悠「珍しいいなお前が勝つなんて」

後楽「かっかっか、負けっぱなしはねぇんだよ」

神姫「……ちなみにそのパチンコ代はどっからでてるの?」

後楽「おじさん(兄ちゃん)の財布」

摩耶「出所さん、お財布どう?」

悠「いやいや、最近は肌身離さず……札が新聞紙になってる」

後楽「にこっ」

悠「笑ってんじゃねぇぞクソ狸ぃぃぃぃ!!」

後楽「ほらほら、これやるから」
スッ

悠「うぉっ、プラズマクラスター!!」

亘理『なに?』

摩耶「空気清浄機だね。」

悠「まぁ、これはもらっておこう」

揺光【空気清浄したいなら、妾に言えばいいのに。よい植物があったんじゃが】

千世子「いい植物なのだ?」

揺光【風吹き妖花という植物があってな。汚れた空気を吸い高濃度の酸素を吹きだす花なんじゃ】

悠「……高濃度って?」

後楽「酸素99%ぐらいだったな」

悠「空気清浄どころか猛毒じゃねぇか!」

揺光【妾は平気じゃぞ?それに……よく燃える】

悠「これだから現実チートは……」

後楽「そのチートでおじさんに金塊とか出してくれねぇかな」

揺光【出したとしても貴様には爪の先もくれてやるか】

後楽「じゃあ、五千円貸してくれ」

揺光【十倍にして返せよ】

後楽「へいへい。」

悠「貸すのかよ?!」

揺光【富籤(宝くじ)より当たる確率の低い賭けをしてみるのも一興じゃろ】

摩耶「なかなか無謀な賭けだねぇ」

神姫「どぶに捨てるようなもんよね。」

悠「ホントだよ…」

揺光【まぁ、これで少しは悠の負担も減るじゃろ】

悠「やだ、泣きそう…」

揺光【抱いてやろうかえ?】

悠「一気に感動が薄れた」
58/100ページ
スキ