ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「よっと…」
バッ!

千世子「あんちん、逆立ちして何してるのだ?」

悠「ちょっと足が張った感じがあるから血を落としてる」

摩耶「ぱんつ見える?」

悠「残念だが見えない」

千世子「あんちんは本当にスケベなのだ」

神姫「今、足払いやったらどうなるかしら」

悠「おれが頭から落ちて痛いことになる。」

摩耶「この場合は手が地面についてるから手払い?」

雨「手とか足とかじゃなくて顔を蹴ればいいのよ」

悠「……」

雨「なに」

悠「お前、実はおれのこと大好きなのか?好きだからそういう風にツンケンしちゃうけいか?」

雨「ぶっ殺すわよ…」

摩耶「新しい攻め方だね。」

千世子「ものすっごく殺意が籠ってたのだ」

神姫「ホント人をイラつかせる天才よね。」

摩耶「ヘイト値を集めるのは重要っていえば重要だけどね。」

亘理『よっと!』
ずるりっ

悠「ようす」

亘理『あれ、悠ちゃんなんで逆立ちしてるの?』

摩耶「ぱんつ見るためだよ」

悠「足が張ってるから血を落としてるだけですよ?」

亘理『もう!悠ちゃんはすぐそういうことする!』

悠「違うって言ってるのになぁ」

揺光【これが緑滴る杖じゃ】

メフィスト「ほう!これが……」

揺光【うむ。木から加工された後も大地から力を吸い上げ、氣の波動に変えて大気に放っておる杖じゃ。大地に刺せば一夜にして森を作るぞ。】

メフィスト「ごくり……欲しい」

揺光【欲しいなれば安くしておくぞ。】

悠「おいおい、なに怪しいアイテムの売買してる」

揺光【怪しくはない。霊木から作られた杖じゃ。】

千世子「普通に蔦とか葉っぱとかが生えてるのだ!」

揺光【加工した後も力が強くての。こうして成長を続けておる。】

メフィスト「欲しいデース!買いマス!絶対に買いマスヨ!!」

悠「いや、それってポンポン売っていいものなのか?」

揺光【妾は必要ないから構わん。】

摩耶「もしかしてこうして色んなものをメフィストさんに売りつけてお金ためてる?」

揺光【そうじゃな。妾の旅費の八割はこれじゃ】

メフィスト「揺光さんにはいろんな貴重な物を格安で譲ってもらってマース」

悠「格安ねぇ…」

神姫「ちなみにその杖はいくらで売るつもりなの?」

揺光【五千円くらいかのう】

悠「非売品確定で神具級の杖が五千円て…」

摩耶「へぇ、じゃあ、僕でも買えそうだ」

千世子「もうちょっと安いのなら千世子も買えるのだ!!」

揺光【なればもう少し色んなものを出してみるかのぅ】

悠「危ないものとかはやめろよ」

揺光【わかっとる、わかっとる。こんこん♪】

悠「実に不安だ…」