ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あー、女の子の二の腕にかぶりつきたい」

千世子「あんちんが変なこといってるのだ……」

神姫「まともなこといってる方が少ないわよ」

悠「失礼な!」

神姫「は?」

悠「お口チャックノリス」

神姫「お顔グーパンチ」
ガスッ!
悠「ふもっふ!!」

摩耶「あははっ」

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ!エイブラハム・ヴァン・ヘルシングの続きで、1900年代に入ると「ドラキュラ」は舞台や映画となって世界中に広がり、ホラー作品の代表として各国で人気を得ていくのだ。その過程の中で、あくまで複数いる登場人物のひとりだったヘルシングは、どんどん存在感をましていったのだ。」

悠「顔いたぃ…」

摩耶「久々にブラックホールマンみたいな顔になってる」

神姫「さっきよりイケメンよ」

悠「さっきよりって事はさっきもイケメンだった、と」

神姫「はは…」

悠「これほど辛い空笑いはない…。」

千世子「1958年のイギリス映画「吸血鬼ドラキュラ」では、ヘルシング教授はついに主役の座を手に入れるのだ。この映画では、ヘルシング教授は小説版よりも若い壮年の男性として描かれ、ドラキュラ伯爵と格闘戦をするなど完全に戦いの最前線に立っているのだ。教授を演じた俳優ピーターカッシングはスマートな二枚目で、恰幅のいい原作版とは体型も雰囲気も違っていたのだ。」

亘理『悠ちゃんはカッコいいと思うよ。うん!』

摩耶「黙って動かなければ完璧!」

悠「動いて喋ってこそのおれだよな?」

雨「うざい」

悠「ブラックコーヒー浴びせかけるぞ。蜘蛛っ娘」

摩耶「なんか、エロイね」
悠「うへへ」

千世子「この「吸血鬼ドラキュラ」で生まれた、戦うヴァンパイアハンターのイメージをさらに進化させたのが、2004年にアメリカで公開され、興行収入が1億2千万ドルを超えた大作映画「ヴァン・ヘルシング」なのだ。」

神姫「悠は硫酸でも被ればいいのにね」

悠「それはちょっと遠慮したいかなー」

摩耶「なにならかぶりたい?」

悠「ぱんつかな。」

千世子「この作品ではヘルシングは、黒いマントにテンガロンハットというド派手ないでたちで、記憶を失い400年以上も生き続ける、元堕天使の不死身のヴァンパイアハンターと設定され、もはや人間ですらなくなっているのだ。また、切り札として狼男に変身する能力を持っており、その力は並みの魔物では太刀打ちできない。ドラキュラはヘルシングの過去を知る宿敵として描かれ、ヘルシングを天使時代の呼び名ガブリエルと呼ぶのだ。」

亘理『悠ちゃん、もう本当にただの変態だよ、ソレ』

悠「ぱんつはそういう用途もあるんだぞ?」

亘理『ないよ?!』

神姫「薄汚いおっさんのブリーフでも被ってなさい」

悠「それは危険が危ない」

摩耶「新しい扉を開けられるかもね。」

悠「その扉は開けたくない!」

千世子「身体ひとつで吸血鬼と対等に渡り合うヘルシングの姿は、現代の視聴者が持つヴァンパイアハンターのイメージを具現化した姿になっているのだ。以上、エイブラハム・ヴァン・ヘルシングのじゅぎょーだったのだ。」
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