ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「なんで春ってこんなお腹すくんだろうな。バリボリ」

千世子「何食べてるのだ?」

悠「キュウリのぬか漬け。丸々一本」

摩耶「食べ歩きするもんじゃないよね。」

悠「ポッキーゲーム的なこともできるぞ。ぼりぼり」

千世子「ぬか漬けで?」

悠「……じゃあ、相手の口にねじ込んで想像する」

摩耶「もっちょっと詳しく説明してみなよ」

神姫「……」

悠「……美味しいものを共有するっていうことの大切さを。あ、神姫、ぬか漬け食べる?」

神姫「貸して」

悠「はい」
スッ

神姫「ふんっ!」
ドゴッ!
悠「うぐぅっ!」

摩耶「ちゃんとキュウリが床に落ちないように確保してから殴ったね。」

千世子「気配りもオシオキも完璧にこなせるのだ!」

悠「うぅ……キュウリでちゃうところだった」

摩耶「どっから?」

悠「まだ口から」

神姫「スタンピング」
グシャ!
悠「いぇぁっ!」

亘理『よっと!なに楽しそうにしてるの?』
にょき!

千世子「あんちんが踏み潰されてるところなのだ」

亘理『なにごと?!』

神姫「これ食べる?」

亘理『なぜにキュウリ?!まぁ、でもいただきます。ばりぽり』

摩耶「ちなみに悠くんの食べかけです」

亘理『げふっ?!え、あー……バリボリバリボリ!』

摩耶「おー、食べきった!」

千世子「亘理ちゃんカッコいいのだ!」

神姫「カッコいいは違うんじゃないかしら…」

悠「ああぁん、おれのキュウリ」

神姫「どうせもう一本くらい持ってるんでしょ」

悠「さすがにキュウリストックはないな。バリボリ」

摩耶「つぎなに食べてるの?」

悠「カミナリおこし」

神姫「咽乾くでしょ。飲み物あげるわ」

悠「大丈夫です」

亘理『なんで?すごく咽乾きそうなのに』

摩耶「カミナリおこしって結構水吸うからお腹の中でパンパンになるんだよ」

亘『なるほどー』

神姫「じゃあ、ドリアンとお酒でどう?」

悠「うん。その組み合わせ最悪……死ぬから」

亘理『そうなの?!』

千世子「お腹の中でドリアンのガスとアルコールがブレンドするとパーンってなることもあるのだ。」

亘理『わぁ……エグイ』

摩耶「今日は胃の中を責める日?」

神姫「外側を責めるより、中からダメージ与える方が効果ある気がするのよ。悠の場合」

悠「怖いわぁ…」
40/100ページ
スキ