ー奇談ー學校へ行こう9
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「痛ってて…」
摩耶「どったの脱腸?」
悠「違う違う。さっき足の小指をぶつけてな。今見たらほら爪の下が紫色になってる」
摩耶「靴はかないからそうなるんだよ」
亘理『うひぃ、痛そう…』
神姫「針あるわよ」
悠「血抜きは勘弁…」
千世子「はーい、ウピオルのじゅぎょーを始めますなのだ。東ヨーロッパ北部には、ウピオルと似た名前の吸血鬼が複数伝わっているのだ。これはロシア語の「飛行する、鳥ならぬもの」を語源とする名前なのだ、このため本来の「ウピオル」系吸血鬼は、長く鋭いくちばしを持って犠牲者の血を吸う鳥の姿をしていたと考えられているが、現在のウピオル系吸血鬼はこのような姿ではないのだ。」
神姫「そういうのは血を出しきった方が治りは早いでしょ」
悠「苦手なのよ…。針で刺して血を抜くの」
義鷹「苦手とかあったのか」
摩耶「採血と蛞蝓と茄子」
悠「やめてぇ…」
亘理『それだけ聞くと何か可愛い』
神姫「っていうか、採血じゃないし」
千世子「ポーランドの東にある国ウクライナと、その隣にあるロシアには「ウピル」という名前の吸血鬼がいるのだ。この吸血鬼はウピオルと同じように血を好むが、舌の先に鋭いとげを持つウピオルと違って、鉄のように頑丈な歯を持っているのだ。彼らはこの鋭い歯を使って、犠牲者の心臓を貪り喰うのだ。ウピルには、まず家族の子供を襲い、その次に親を襲う習性があるのだ。」
義鷹「俺もちぎった方が早いと思うぞ」
悠「いや、ちぎったら生えてこないから」
義鷹「……あぁ。そうか」
悠「お前今一瞬おれを妖怪扱いしただろ」
神姫「妖怪に失礼よね」
悠「そうそう……じゃない!そうじゃなーい!」
摩耶「鈴木雅之?」
悠「違う違うそうじゃそうじゃない君を逃がせない愛は渡せない♪」
千世子「ウピルの頑丈な歯は、極寒の冬に真価を発揮するのだ。真冬のロシアでは、地面が凍るほど冷え込み、家の外に出ることも困難になるが、ウピルは鉄のような歯で大地を掘り進み、移動することが出来るのだ。」
神姫「私が言うのも何だけどよくそんな曲知ってるわね…」
悠「ソロCDシングル「違う、そうじゃない」のジャケット写真に 映画「ブレイド」シリーズ主演のウェズリー・スナイプスに差し替えたコラージュ画像で知った」
摩耶「僕もそれ」
義鷹「どんな知り方だ…」
亘理『検索してみよ……ぷふっ!』
千世子「ウピルを退治するには細かい気配りが必要なのだ。まず、ウピルの墓は非常に見つけにくいので、その墓を探し出すために、ウピルの服のボタンに糸を引っ掛ける。後でその糸を辿れば、墓の場所がわかるのだ。ウピルの墓の場所が見つかったら、胸に杭を打ち込むか、首を切り落として退治するが、必ず一撃で胸を貫く(首を落す)必要があるのだ。もし失敗して二回以上攻撃すると、ウピルは怒りに燃えて復活し、自分を滅ぼそうとしたハンターを殺してしまうのだ。」
悠「しかし、改めて紫色になってるのを見たら痛みだした」
摩耶「傷口を見てから痛くなるパターンだね」
神姫「ひと思いに裂いちゃいなさいよ」
悠「だってこれ爪の下だもん!裂いたら裂いたで絶対に後が痛い!」
神姫「なんでこういう時は意気地がないのよ…」
千世子「バルカン半島南部、ポーランドよりかなり南の国ブルガリアの「ウボウル」は、ウピオルと同じようにトゲのついた舌を持つ吸血鬼なのだ。だがそれ以外の外見はウピオルと大きく違うのだ。人間が死んで埋葬されると40日かけて膨張し、皮膚の中がゼラチン状の物質で満たされていく。やがて死体には新しい骨格が生まれ、鼻の穴が一つ、舌にとげがあるウボウルの姿になるのだ。こうなったウボウルは墓から起きあがって悪事を働くようになるのだ。」
悠「いや、膿んでたりしたら絞り出すんだけどな……」
摩耶「かさぶただったら?」
悠「破く」
亘理『皮がめくれてたら?』
悠「千切る」
義鷹「そこまで出来るなら血玉さくのも一緒だろ」
悠「コレはちょっとなぁ…」
神姫「私が潰してあげるわ。爪の上から」
悠「ごめんなさいやめてください!」
千世子「ただしウボウルは他の「ウピオル系の」吸血鬼と違って血液にあまり執着しないのだ。ウボウル達の栄養源は、普通の食料や家畜の糞であり、それらが食べられない時だけ人間を襲うらしいのだ。以上、ウピオルのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「痛ってて…」
摩耶「どったの脱腸?」
悠「違う違う。さっき足の小指をぶつけてな。今見たらほら爪の下が紫色になってる」
摩耶「靴はかないからそうなるんだよ」
亘理『うひぃ、痛そう…』
神姫「針あるわよ」
悠「血抜きは勘弁…」
千世子「はーい、ウピオルのじゅぎょーを始めますなのだ。東ヨーロッパ北部には、ウピオルと似た名前の吸血鬼が複数伝わっているのだ。これはロシア語の「飛行する、鳥ならぬもの」を語源とする名前なのだ、このため本来の「ウピオル」系吸血鬼は、長く鋭いくちばしを持って犠牲者の血を吸う鳥の姿をしていたと考えられているが、現在のウピオル系吸血鬼はこのような姿ではないのだ。」
神姫「そういうのは血を出しきった方が治りは早いでしょ」
悠「苦手なのよ…。針で刺して血を抜くの」
義鷹「苦手とかあったのか」
摩耶「採血と蛞蝓と茄子」
悠「やめてぇ…」
亘理『それだけ聞くと何か可愛い』
神姫「っていうか、採血じゃないし」
千世子「ポーランドの東にある国ウクライナと、その隣にあるロシアには「ウピル」という名前の吸血鬼がいるのだ。この吸血鬼はウピオルと同じように血を好むが、舌の先に鋭いとげを持つウピオルと違って、鉄のように頑丈な歯を持っているのだ。彼らはこの鋭い歯を使って、犠牲者の心臓を貪り喰うのだ。ウピルには、まず家族の子供を襲い、その次に親を襲う習性があるのだ。」
義鷹「俺もちぎった方が早いと思うぞ」
悠「いや、ちぎったら生えてこないから」
義鷹「……あぁ。そうか」
悠「お前今一瞬おれを妖怪扱いしただろ」
神姫「妖怪に失礼よね」
悠「そうそう……じゃない!そうじゃなーい!」
摩耶「鈴木雅之?」
悠「違う違うそうじゃそうじゃない君を逃がせない愛は渡せない♪」
千世子「ウピルの頑丈な歯は、極寒の冬に真価を発揮するのだ。真冬のロシアでは、地面が凍るほど冷え込み、家の外に出ることも困難になるが、ウピルは鉄のような歯で大地を掘り進み、移動することが出来るのだ。」
神姫「私が言うのも何だけどよくそんな曲知ってるわね…」
悠「ソロCDシングル「違う、そうじゃない」のジャケット写真に 映画「ブレイド」シリーズ主演のウェズリー・スナイプスに差し替えたコラージュ画像で知った」
摩耶「僕もそれ」
義鷹「どんな知り方だ…」
亘理『検索してみよ……ぷふっ!』
千世子「ウピルを退治するには細かい気配りが必要なのだ。まず、ウピルの墓は非常に見つけにくいので、その墓を探し出すために、ウピルの服のボタンに糸を引っ掛ける。後でその糸を辿れば、墓の場所がわかるのだ。ウピルの墓の場所が見つかったら、胸に杭を打ち込むか、首を切り落として退治するが、必ず一撃で胸を貫く(首を落す)必要があるのだ。もし失敗して二回以上攻撃すると、ウピルは怒りに燃えて復活し、自分を滅ぼそうとしたハンターを殺してしまうのだ。」
悠「しかし、改めて紫色になってるのを見たら痛みだした」
摩耶「傷口を見てから痛くなるパターンだね」
神姫「ひと思いに裂いちゃいなさいよ」
悠「だってこれ爪の下だもん!裂いたら裂いたで絶対に後が痛い!」
神姫「なんでこういう時は意気地がないのよ…」
千世子「バルカン半島南部、ポーランドよりかなり南の国ブルガリアの「ウボウル」は、ウピオルと同じようにトゲのついた舌を持つ吸血鬼なのだ。だがそれ以外の外見はウピオルと大きく違うのだ。人間が死んで埋葬されると40日かけて膨張し、皮膚の中がゼラチン状の物質で満たされていく。やがて死体には新しい骨格が生まれ、鼻の穴が一つ、舌にとげがあるウボウルの姿になるのだ。こうなったウボウルは墓から起きあがって悪事を働くようになるのだ。」
悠「いや、膿んでたりしたら絞り出すんだけどな……」
摩耶「かさぶただったら?」
悠「破く」
亘理『皮がめくれてたら?』
悠「千切る」
義鷹「そこまで出来るなら血玉さくのも一緒だろ」
悠「コレはちょっとなぁ…」
神姫「私が潰してあげるわ。爪の上から」
悠「ごめんなさいやめてください!」
千世子「ただしウボウルは他の「ウピオル系の」吸血鬼と違って血液にあまり執着しないのだ。ウボウル達の栄養源は、普通の食料や家畜の糞であり、それらが食べられない時だけ人間を襲うらしいのだ。以上、ウピオルのじゅぎょーだったのだ。」