ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「雨で桜が散っちゃうのだ」

摩耶「だねー。春雷も鳴ってる」

神姫「本当に春が来るのよ。桜だって散るから美しいものよ」

亘理『神姫さん、カッコいい!』

神姫「当然よ」

摩耶「あはは」

悠「そういえば、雨といえば雨はこの校舎から出入りできるんだよな」

雨「できるわよ」

悠「あやかし屋って妖怪茶屋にいったりした?」

雨「妖怪茶屋?あぁ、あの集合墓地にできたっていう?」

悠「知ってはいるんだな」

雨「義鷹から聞いたわ。アンタらもいたらしいわね。」

悠「成り行きでな。絡新婦とかいたぞ」

雨「ふーん」

悠「あれ、興味なし?」

雨「同族妖怪なんて珍しいものじゃない物」

悠「そうなのか?なんか蜘蛛妖怪って珍しいみたいな感じだったけど」

雨「生粋の蜘蛛妖怪っていうのは確かに少ないけど、珍しいってことはないわよ。妖力を完全に無くして人間になったのもいれば神格になった蜘蛛妖怪もいる。むしろ、そういう風に神格級の蜘蛛のが超レアよ」

悠「ほー……アラクネとかはどうなんだ?」

雨「西洋の蜘蛛怪物にツテはないから知らないわ。」

悠「メフィストのツテでそういう知り合いも居そうなのに」

雨「アレに関わるとロクなことはない。」

悠「一蹴したな」

雨「じゃあアレに関わるってロクなことあった?」

悠「…………ないな。」

雨「でしょう」

悠「ないわ。うん。ない。」

雨「そういうことよ。それに私はどっちかというと騒がしいのは好きじゃないしね。同族の知り合いもほとんどないわ。騒がしいのは亘理と美兎で充分だし」

悠「それも何かわかる。」

亘理『なにが?』

悠「亘理が楽しいやつだって話だよ」

亘理『……つまり、私のことが好きだと』

悠「雨は大好きらしい」

雨「おいっ!」

亘理『え、雨ちゃんが?いやー、照れますなー。でも、私そっちの趣味は……』

雨「そんな趣味は私もない!!」

悠「百合っていいと思います」

雨「黙れ!」

悠「お口チャックノリス」

神姫「強制分解」
ドゴッ!
悠「なぜ?!」

亘理『わー、今首がグリンってなってた。』

神姫「これでいい?」

雨「ナイス」

悠「おおおおっ……首が首が……」

摩耶「逆に回せば治るよ」
グギッ!
悠「んぎぃっ!」

千世子「90度からの逆90度なのだ」

悠「取れるわ!」

神姫「面白いじゃない」

悠「面白くないよ!!」

摩耶「新しい顔がいるかな」

悠「首のつぎかえはできません!!」
34/100ページ
スキ