ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(2/4/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「っ…このっ……あーもーやめた!」

花描「どした?」

悠「これいじってたけどイライラしてきた。もう、止めた。」

花描「スマホじゃん。代えたのか?」

悠「ちげぇよ、貰い物っか、預かりもの?」

花描「あはは。相変わらず意味不明だな」

神姫「貸して」

悠「あー?」

ピッピッピッ

神姫「……はい。ありがと」

悠「何した?」

神姫「別に。」

千世子「みんなー今日のじゅぎょーをはじめるのだ。」

【虹鯢】
生息地域:中国
出展:中国の民間伝承

摩耶「こうげいって読んだらいいのかな?」

千世子「そうなのだ。雨上がりの空にかかる美しい虹。現代人である千世子達にとっては、虹は空気中の水滴によって光が屈折して起きる自然現象だということは常識なのだ。」

神姫「当然ね」

千世子「しかし、いまのように科学が発展していなかった時代では、虹は不思議で神秘的な現象であり、さまざまな霊的な存在と結びつけられることが多かったのだ。」

悠「虹よりおれは二次元のが好きかな」

摩耶「大丈夫。みんな知ってる」

千世子「古代中国では、虹は夫婦の龍だと考えられることが多かったのだ。この龍は、オスの名前が「虹」、メスの名前が「鯢」という。二人会わせて虹鯢と呼んだのだ。虹鯢の龍としての外見は虹そのものだが、頭部や手足がどうなっているのかなど詳しいことは不明なのだ。虹鯢は人間に変身することを好み、色とりどりの衣を着て人間の前に現れるのだ。」

悠「いつか、マリオも絶世の美女になっておれの前に現れてくれるだろうか」

花描「おもいきり文句いわれそうだぞ」

千世子「ただしその姿は普通の人間と微妙に違うことも多かったようで、慎重が三メートルもあり、赤緑に輝く服を着た凛々しい男や、目と口がない老女の姿で現れた話が伝わっているのだ。」

摩耶「金剛くん二メートルはあるよね?」

悠「まさか…龍か」

千世子「虹鯢が地上に来るときは、たいてい地上に水をのみに来るか、結婚相手を探しているときなのだ。水の代わりに酒を飲んだ話、病人に出すおかゆを横取りしてしまった話、虹色の衣を着た美形青年と話していたら子供が生まれた話など、虹鯢の登場する民話は中国にかなら数が残されているのだ。」

摩耶「悠くんと話してて子供が生まれた話しは?」

悠「ねぇよ!」

摩耶「本当に?」

悠「ないっーの!っか、子供ができる行為自体ご無沙汰だよ」

花描「なあ、ピ・エロ君」

悠「その区切りやめてくれ。なんだ?」

花描「めっさ睨まれてるぜ」

神姫「……」

悠「すしぃませんしたあぁ!」

千世子「悠のあんちんはなにしてるのだ?」

摩耶「気にしなくていいよ。」
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