ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「明日はバレンタインデーなのだ。」

悠「そだな」

千世子「あんちんはもうちょっとそわそわしたりアピールした方がいいのだ!」

悠「おれがアピールしてたら……キモイだろ?」

神姫「そんなことないわよ」

悠「へ?」

神姫「普段からキモイし」

悠「おぅ…」

摩耶「でも、アピールしなくてもあげちゃうんでしょ?」

千世子「あげちゃうのだ。もちろんまーや君にもあげちゃうのだ!」

摩耶「わーい、嬉しいなぁ」

亘理『よいしょっと!私もあげるよ!本命!』

悠「どーも」

亘理『もっと感動しろよー!』
ぐわっ!ズズッ!
悠「うわぁぁ!頭を掴んで引きずりあげようとするなー!」

神姫「フツーにホラーね。」

千世子「普通にホラーなのだ」

雨「亘理もよくそんなのに本命とかいえるわね。」

摩耶「そういう態度をとってる相手ほど悠君のデレデレしちゃうんだよ」

雨「私はしない!」

悠「摩耶もおれにデレデレしていいのよ」

摩耶「限界までデレデレしてあげてるよ」

悠「今が限界か…」

神姫「私もあげるわよ。バレンタイン」

悠「マジで。義理と分かってても神姫のはレアだな」

摩耶「なにあげるの?」

神姫「チョコよ」

悠「え?」

神姫「チョコ」

悠「千世子?」
スッ
千世子「千世子なのだ」

神姫「次はないわよ。チョコよ」

悠「神姫、いや、神姫さん。それだけはやめてくださいませんか?」

神姫「あら、バレンタインといえばチョコじゃない」

悠「分かっててやってるんだもんなぁ」

摩耶「ピンポイントな弱点攻めだね」

千世子「そもそもあんちんはなんでチョコが嫌いなのだ?」

悠「人間苦手なものの十や二十あるってことだ」

千世子「多いのだ…」

摩耶「まぁでも、嫌いな人間とかを想像したら二十なんてざらだよね」

神姫「そうね」

亘理『それで本当に悠ちゃんにチョコあげるんですか?』

神姫「そうねぇ。悠の行い次第かしら」

悠「おれの行いはいつも満点!」

亘理『マイナスになってないかハラハラだね』

悠「どういう意味だ!」

摩耶「そういう意味でしょ」

悠「あれぇ?」

神姫「やっぱりチョコはやめてあげるわ」

悠「へ?」

神姫「なんか……色んな意味で悠は可哀想だし」

悠「なんだろうか、憐れみの目で見られてる気がする」

千世子「残念なあんちん」

摩耶「残念な悠君」

悠「残念ってつけないで!」
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