ー奇談ー學校へ行こう9

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あー、全身が痛い。柔らかい毛布に包まれて眠りたい」

神姫「硬い床で冷たくなってればいいのよ」

悠「それ死んでね?」

摩耶「なに死に顔動画?」

悠「そんなサイトには登録してない。」

アリス『ウフフっ』

摩耶「だけど、関係者のお嬢さんが…」

悠「……」

【ペーター・プロゴヨヴィッチ】

千世子「じゅぎょーしますなのだ。吸血鬼は空想上の怪物なのだ。ところが東欧では、吸血鬼を実際に見たという目撃談が後をたたなかったのだ。それどころか、その地方を統治している国家が、公式に存在を認めた吸血鬼すら存在するのだ。国家に公認された吸血鬼として有名な人物は二人いるのだ。その片方が、ペーター・プロゴヨヴィッチなのだ。平凡な農夫なのだ。」

悠「はい、ペータープロゴヨヴィッチほ三回!」

亘理『ペータープロゴヨヴィッチ!ペータープロボロッチ!ペーターロボ!』

悠「うん、分かりやすく原型留めてないな」

摩耶「ペーターロボって何か面白いね」

神姫「チャー研とかに出そうね。」

悠「それってドマイナス評価だな」

千世子「ペーター・プロゴヨヴィッチが吸血鬼になったのは、1725年。電気の存在が証明されたり、50年後にフランスで市民革命が起きるなど、一般民衆が科学や人権に触れて、近代化をはじめた時期のことなのだ。」

亘理『チャー研てなに?』

悠「これから毎日家を焼こうぜ」

亘理『はい?』

悠「チャージマン研!とは、1974年4月1日から6月28日までTBS系にて放送されたテレビアニメ。製作会社はナック。全65話。通称「チャー研」」

神姫「やたら詳しいわね。」

悠「ネタになるのは好きだ」

千世子「村人たちの説明によれば、ペーターはバルカン半島の西側にあるセルビアという地方で農夫として生活していたが、二か月ほど前に死亡して埋葬されたのだ。埋葬後すぐに吸血鬼となったペーターは、夜中に家の中に侵入し、1週間のうちに9人の村人を襲ったのだ。襲われた村人たちは、ペーターに首を絞められたことを証言すると、24時間以内に死亡したというのだ。犠牲者にはペーターの息子も含まれていたのだ。」

雨「存在がネタじゃない」

悠「蜘蛛にそんなこと言われるとは思わなかった。」

雨「蜘蛛なめんなっ!!」

悠「毒顎、糸放出、禍々しい模様……ネタ以外なんと申すか!!」

神姫「邪悪な生き物」

悠「それだな」

雨「益虫なめんなっ!」

千世子「村人を次々と殺していく吸血鬼ピーターに対して、村人たちが黙っているはずもないのだ。彼らは国から派遣された役人たちを強引に説得すると、ペーターの墓をあばき、吸血鬼であることを確認してから遺体を破壊したのだ。ただし報告書には、それ以降の村で、吸血鬼の害が続いたかどうかは記録されていないのだ。」

神姫「まぁ、どっちにしろ虫けらだけどね。」

雨「しまいにゃ、虫けら呼ばわりか!!」

亘理『雨ちゃんて反応いいよね。』

摩耶「本来は得物を釣る側なのに釣られる蜘蛛」

亘理『笑えばいいのかな?』

雨「お前らも五月蠅いよ!」

千世子「報告書によれば、墓をあばいた時のペーターの遺体は、死後半月経っているのに全く嫌な臭いはせず、目をひらいたまま眠っているように呼吸していたのだ。鼻が生前よりも低いものの、髪の毛やひげは伸び、爪は生え変わり、古い皮膚がはがれおちているなど、生前より健康そうで、そして口の周りが血で汚れていたというのだ。」

悠「ちなみにバナナとキャラメルはどっちがすきだ?」

雨「私的にはポップコーンのキャラメルがけがベスト……って何の話しよ!」

悠「バナナとキャラメルの話し」

摩耶「悠君のアホ毛に突き刺しておこうか」

悠「おれは姫子か」

亘理『誰?』

千世子「そして村人たちが、ペーターの胸に木の杭を打ち込むと、両耳と口から大量の血が飛び散り、さらに「ほかの凶暴な兆候もあらわれた」というのだ。「凶暴な兆候」が何かは詳しく描写されていないが、現代の研究によると、これは「遺体の陰部が勃起した」ことを現しているらしいのだ。」

悠「アニメ版のぱにぽにはエロかったな。特に6号のブルマ」

摩耶「悠君スク水派じゃなかった?」

悠「ブルマとスク水とセーラーは全部好きですよ。」

神姫「嗜好がおっさん」

亘理『ブルマあるよ?穿いてこよっか!』

悠「また、今度でいいや」

亘理『何でよっ!』

千世子「これらの特徴は、現代医学でなら説明可能な現象だが、当時の常識では説明できるものではなかったのだ。この報告書はのちにヨーロッパ中を駆け巡り、ヨーロッパ中に吸血鬼ブームを巻き起こすきっかけになったというのだ。以上、ペーター・プロゴヨヴィッチのじゅぎょーだったのだ。」
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