ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(2/2/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「はぁ…」

摩耶「どしたの?悪阻(つわり)?」

悠「いや、妊娠してないから」

神姫「変なやりとりやめなさいよ」

悠「神姫はあんまり下ネタ好きくないな。」

神姫「別に普通だけど、子供の前で話すなといってるのよ。ハゲが」

悠「みんなハゲハゲいうけどおれはもっさもっさだよ!」

花描「大変だな」

千世子「じゃ、今日のじゅぎょーをはじめるのだ。」

花描「前回は応龍が援軍を呼んだところだったよな。」

千世子「応龍は大雨を降らせて蚩尤軍の動きを止めようとしたのだ。けど先に蚩尤に暴風雨を起こされ、黄帝軍は立っていることもできずに蹴散らされてしまったのだ。応龍が役に立たなかったことに黄帝は大いに失望したというのだ。」

摩耶「呼んどいて酷いね」

悠「召喚獣はタイミングだよな。」

千世子「黄帝は自分の娘である「魃(ばつ)」に太陽を呼ばせ、蚩尤の暴風雨を封じて攻勢に出るのだ。」

悠「自然を操るのは基本的にチートだよな。」

摩耶「悠くんも衝撃風放てるじゃん」

悠「あれは空気の面を叩いて発生する自然現象だ」

千世子「応龍も敵に突撃して武功をあげたなだ。その後黄帝が蚩尤軍を包囲したときには、上空を飛びながら恐ろしい声をあげ、体がすくんだ敵を次々と倒していったのだ。」

悠「高級耳栓つけてなかったんだな」

花描「久々のモンハンネタだな」

千世子「ところが不幸なことに、戦いで敵を殺しすぎた応龍の体には邪気がたまりすぎていたのだ。このために天界に住んでいた応龍は、天界に帰ることができなくなってしまったのだ。しかも応龍を呼び寄せた黄帝そのひとが応龍を忘れてしまい、居場所のない応龍は中国南方の山に隠れ住んだというのだ。」

摩耶「そういうのってひどい話だね。」

悠「悪魔なら優等生さ。」
神姫「なにがいいたいのよ…」

千世子「雨を降らせる応龍が中国南方に住んだため、この地方は雨の多い気候になったのだ。逆に北方では雨が少なくなったのだ。そこで人間たちは、応龍の扮装をした人々が大勢集まって踊ることで応龍を呼び寄せるという雨乞いの儀式を産み出したというのだ。」

摩耶「雨乞いなら逆てるてる坊主だよね」

悠「乾燥蚯蚓を焼いた物を部屋の四隅においてマントラを唱えるじゃないのか?」

千世子「本当なのだ!?」

花描「やたら本格的な儀式だが、はじめて聞く術式だな」

悠「今適当に考えたから」

千世子「ガーン…騙されたのだ」

神姫「あんまりいい加減なことばっかりいうと目突きするわよ」

悠「はい、すいません。」
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