ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「だるるーん。」

神姫「……」

千世子「神姫ねーちん。なんで拳を握ってるのだ?」

神姫「あら、無意識」

悠「無意識で殺られかけてた?」

摩耶「悠君は意図してイライラさせてるんでしょ?」

悠「そんなつもりないんですけど?!」

亘理『ふかふか~』
白巳「しゅぴぴ…」

雨「抱きつぶさないでよ?」

亘理『そんなことしませんー。あー、白巳ちゃんやわっこい~』

悠「おれの防寒具…」

摩耶「じゃあ、悠君は神姫さんに抱きつこうか」

悠「なにその手の込んだ自殺」

神姫「くるなら来なさいよ」
バッ

悠「そんな投げ飛ばす気満々に構えてる人に抱きつきません」

摩耶「投げ飛ばされるまでがセットでしょ?」

悠「摩耶はいったいおれに何をさせたいんだ?」

摩耶「悠君がジャーマンされてる姿が見たい」

神姫「出来るわよ」

悠「しなくていいです!」

神姫「チッ」

悠「チッていわれた。」

亘理『でも、そんなに寒い?』

悠「そこそこ寒いよ」

摩耶「全身を振り回せば温かくなるんじゃない?例えば……ジャイアントスイングとか」

悠「身体があったまる前に身体ボッコボコになるよね。」

摩耶「どんな目にあっても不屈に立ち上がる悠君が見たいの」

悠「そんな上目遣いされてもなぁ」

千世子「摩耶君はあんちんょどうしたいのか分からないのだ」

摩耶「まぁ……なんかちょっと痛い目にあってるところが見たいかな」

悠「なんでやねん」

千世子「どういう事なのだ?」

神姫「心の中に黒い闇でもあるんでしょ」

摩耶「えへへ」

亘理『ねぇねぇ、悠ちゃん。摩耶君否定しないよ』

悠「摩耶の黒さは強さの一部だからな。負の感情が溜まれば溜まるほど……」

摩耶「なーに?」

悠「おれは摩耶が大好きだよ」

摩耶「あはは、僕も悠君のこと好きだよー」

千世子「あんちん、足が震えてるのだ」

神姫「後ろから思いっきりローキックしたくなるわね。」

雨「意味が分からない」

神姫「意味なんてないわよ。」

雨「一番ヤバいのはこっちだわよ。絶対」

亘理『神姫さんは……』

神姫「なに?」

亘理『素敵だと思います!』

雨「完全に呑まれてるわね。」

神姫「さっきから……何か言いたいの?ねぇ、ワンツーマンでしっかりお話しする?」

雨「イイエケッコウデス」

千世子「ガッチガチなのだ」

悠「お前が今感じてるモノ。それが恐怖だ…」
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