ー奇談ー學校へ行こう8
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「だるーん」
亘理『わっ、悠ちゃんが全力でダルってる』
白巳「だるーん!」
亘理『そのうえでだらけてる白巳ちゃんが超可愛い!!』
神姫「……白蛇を潰さずに下のだけ潰せるかしら」
摩耶「波紋の呼吸が大事だね」
悠「おれをメメタァしようとしないで!!」
【ダカナヴァル】
千世子「はいはーい、じゅぎょーしますなのだ。吸血鬼と言えば「首筋から血を吸う」ことでお馴染だが、これはあくまで文学作品によって広まったもので、本来、吸血鬼が首筋から血を吸うことはまずないのだ。東欧などの民間伝承に登場する吸血鬼は、大抵の場合胸から血を吸うのだ。」
悠「亘理は頭に齧りついて脳髄を吸うのだ!」
亘理『しないよ!ガブッ!』
摩耶「齧りつきはするんだね。」
神姫「噛み砕いても良いのよ?」
悠「さっきから神姫さんの発言がすこぶる怖いんですけどぉー!」
千世子「しかし、民間伝承にも珍しいところから血を吸う吸血鬼が存在するのだ。東ヨーロッパよりさらに東、トルコの東にある小国アルメニアに伝わる吸血鬼「ダカナヴァル」なのだ。ダカナヴァルは、人間の足のかかとから血を吸う物語で、アルメニアでもっとも有名になった吸血鬼なのだ。」
白巳「にぱー」
雨「……」
白巳「にぱー」
雨「……誰か助けて」
摩耶「なんで困ってるの?」
神姫「蜘蛛だから蛇が怖いんでしょ」
雨「相手の仕方が分からないだけよ!」
千世子「吸血鬼ダカナヴァルが活躍する民話によれば、ダカナヴァルはアルメニアの高い山ウルトミシュ・アルトーテム山に住んでいたのだ。縄張り意識が非常に強い吸血鬼で、自分の縄張りに入ってきた者をとことん追い詰め、かかとから血を吸って殺すことで有名なのだ。」
悠「そんなの雨は危なくないように糸で吊るしたりしたらいいんだよ。白巳は高低差がある移動に喜ぶから」
雨「意味が分からない」
悠「例えば……キャッチ白巳とか」
雨「子供を投げるな!」
悠「真桜とかにも同じようにめっちゃ怒られる」
千世子「あるとき、ふたりの旅人がダカナヴァルの住む山に訪れたのだ。彼らはこの山に吸血鬼ダカナヴァルが居ることを知っていたので、寝る時にちょっとした策略を使ったのだ。ふたりはお互いの足を枕がわりにして寝て、外からかかとが見えないようにしたのだ。侵入者に気づいたダカナヴァルは、ふたりの人間に血を吸うべきかかとがないことに驚いて「自分は366の谷を踏破したが、ふたつ頭があって足がない人間に出くわしたことがない」とつぶやき、山から去っていったというのだ。」
亘理『怒られたらやめようよ』
摩耶「怒られたぐらいでやめるほど、悠君が人間出来てるわけ無いよ?」
神姫「そうよ。人として大事なみのがいくつも足りないんだから」
悠「本当に今日の神姫さんはキッツイなぁ。白巳でも抱いてリフレッシュしてよ」
千世子「「かかとから血を吸う」吸血鬼は非常に珍しいが、ダカナヴァルだけというわけではないのだ。アルメニアよりさらに東、中国のすぐ西にある国ギルギスにはマスタンという老婆の姿をした吸血鬼伝承があるのだ。この吸血鬼もまた、ダカナヴァルと同じように足のかかとから血を吸うのだ。」
悠「ほらほらほらほら」
白巳「きゃっきゃっ」
ぎゅー
神姫「……」
ズパァン!
悠「ごぶっ!」
摩耶「白巳ちゃんが顔に張り付いたまま龍剄を撃っている!」
亘理『この場合どこにツッコめばいいの?』
摩耶「張り付いたら落ちない白巳ちゃんを褒めたらいいと思う」
千世子「他にも中東の国イランに伝わる「グール」という怪物は、足の裏から血を吸って人間を殺すと伝えられているのだ。グールは人を襲ったり、墓を暴いて肉を喰らう恐ろしいモンスターなのだ。近年のゲームなどの影響で不死の怪物と誤解されがちだが、実際は変身能力を持つ悪魔的な怪物であって、不死ではないのだ。以上、ダカナヴァルのじゅぎょーだったのだる」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「だるーん」
亘理『わっ、悠ちゃんが全力でダルってる』
白巳「だるーん!」
亘理『そのうえでだらけてる白巳ちゃんが超可愛い!!』
神姫「……白蛇を潰さずに下のだけ潰せるかしら」
摩耶「波紋の呼吸が大事だね」
悠「おれをメメタァしようとしないで!!」
【ダカナヴァル】
千世子「はいはーい、じゅぎょーしますなのだ。吸血鬼と言えば「首筋から血を吸う」ことでお馴染だが、これはあくまで文学作品によって広まったもので、本来、吸血鬼が首筋から血を吸うことはまずないのだ。東欧などの民間伝承に登場する吸血鬼は、大抵の場合胸から血を吸うのだ。」
悠「亘理は頭に齧りついて脳髄を吸うのだ!」
亘理『しないよ!ガブッ!』
摩耶「齧りつきはするんだね。」
神姫「噛み砕いても良いのよ?」
悠「さっきから神姫さんの発言がすこぶる怖いんですけどぉー!」
千世子「しかし、民間伝承にも珍しいところから血を吸う吸血鬼が存在するのだ。東ヨーロッパよりさらに東、トルコの東にある小国アルメニアに伝わる吸血鬼「ダカナヴァル」なのだ。ダカナヴァルは、人間の足のかかとから血を吸う物語で、アルメニアでもっとも有名になった吸血鬼なのだ。」
白巳「にぱー」
雨「……」
白巳「にぱー」
雨「……誰か助けて」
摩耶「なんで困ってるの?」
神姫「蜘蛛だから蛇が怖いんでしょ」
雨「相手の仕方が分からないだけよ!」
千世子「吸血鬼ダカナヴァルが活躍する民話によれば、ダカナヴァルはアルメニアの高い山ウルトミシュ・アルトーテム山に住んでいたのだ。縄張り意識が非常に強い吸血鬼で、自分の縄張りに入ってきた者をとことん追い詰め、かかとから血を吸って殺すことで有名なのだ。」
悠「そんなの雨は危なくないように糸で吊るしたりしたらいいんだよ。白巳は高低差がある移動に喜ぶから」
雨「意味が分からない」
悠「例えば……キャッチ白巳とか」
雨「子供を投げるな!」
悠「真桜とかにも同じようにめっちゃ怒られる」
千世子「あるとき、ふたりの旅人がダカナヴァルの住む山に訪れたのだ。彼らはこの山に吸血鬼ダカナヴァルが居ることを知っていたので、寝る時にちょっとした策略を使ったのだ。ふたりはお互いの足を枕がわりにして寝て、外からかかとが見えないようにしたのだ。侵入者に気づいたダカナヴァルは、ふたりの人間に血を吸うべきかかとがないことに驚いて「自分は366の谷を踏破したが、ふたつ頭があって足がない人間に出くわしたことがない」とつぶやき、山から去っていったというのだ。」
亘理『怒られたらやめようよ』
摩耶「怒られたぐらいでやめるほど、悠君が人間出来てるわけ無いよ?」
神姫「そうよ。人として大事なみのがいくつも足りないんだから」
悠「本当に今日の神姫さんはキッツイなぁ。白巳でも抱いてリフレッシュしてよ」
千世子「「かかとから血を吸う」吸血鬼は非常に珍しいが、ダカナヴァルだけというわけではないのだ。アルメニアよりさらに東、中国のすぐ西にある国ギルギスにはマスタンという老婆の姿をした吸血鬼伝承があるのだ。この吸血鬼もまた、ダカナヴァルと同じように足のかかとから血を吸うのだ。」
悠「ほらほらほらほら」
白巳「きゃっきゃっ」
ぎゅー
神姫「……」
ズパァン!
悠「ごぶっ!」
摩耶「白巳ちゃんが顔に張り付いたまま龍剄を撃っている!」
亘理『この場合どこにツッコめばいいの?』
摩耶「張り付いたら落ちない白巳ちゃんを褒めたらいいと思う」
千世子「他にも中東の国イランに伝わる「グール」という怪物は、足の裏から血を吸って人間を殺すと伝えられているのだ。グールは人を襲ったり、墓を暴いて肉を喰らう恐ろしいモンスターなのだ。近年のゲームなどの影響で不死の怪物と誤解されがちだが、実際は変身能力を持つ悪魔的な怪物であって、不死ではないのだ。以上、ダカナヴァルのじゅぎょーだったのだる」