ー奇談ー學校へ行こう8
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
義鷹「んっ、ふあぁぁ……。」
悠「あ、起きた」
義鷹「あん?」
悠「おはよう。良く眠れたかな?」
義鷹「机は寝心地悪いな」
悠「ちなみになんでおれの机で寝てたの?」
義鷹「特に理由はねぇ、そこにあったからだ。ふあぁぁ……ふ。」
悠「なんだったんだ…」
【レスタト・ド・リオンクール】
千世子「はーい。じゅぎょーしますなのだ。吸血鬼映画が世界に広まり、多くの人が「ありがちな吸血鬼」を知った20世紀後半、アメリカ国民が夢中になったスターがいたのだ。アメリカの作家、アン・ライスの小説「夜明けのヴァンパイア」の登場人物、レスタト・ド・リオンクールなのだ。彼は欲望と好奇心のままに生き、吸血鬼でありながらロックミュージシャンとして大成功をおさめるのだ。その生きざまに多くのファンが魅了され、現実世界にファンクラブができるほどの人気キャラクターになったのだ。」
摩耶「ただ眠たかったんじゃない?」
悠「ここで寝なくても亘理の部屋でも借りたらいいのにな」
亘理『貸さないよ!私の部屋だよ!?そもそも自分の部屋あるし!義鷹も!』
悠「ちょっとした冗談だったのにえらい剣幕だな」
摩耶「悠君のいっちゃ駄目系冗談」
千世子「レスタトは18世紀のフランスで舞台俳優として成功した人間だったが、22歳のときに吸血鬼に変えられたのだ。その髪型は、肩につかない程度の金髪に、白い肌と灰色の瞳、短く細め鼻、大きめで形のいい唇を持つ美青年なのだ。仲間の吸血鬼がからもひと目置かれていて、「ブラッドプリンス」という異名で呼ばれているのだ。」
神姫「ほとんどがそれでしょ」
悠「そんな馬鹿なおれのジョークはいつだって笑いを呼んでるのに」
神姫「既に笑えないわ」
亘理『……神姫さんの爆笑顔を見てみたい気もする』
悠「難易度高いな…」
千世子「人類を愛するレスタトは、悪人からしか血を吸わないという誓いを立てているのだ。また、彼は自分の手で吸血鬼にしたルイという青年に依存めいた愛情を持っているが、ルイはレスタトと違って人間的な倫理観を強く残しているので、自分が吸血鬼になったことを思い悩み、レスタトの愛情を受け入れきれていないのだ。」
摩耶「悠君が爆発したらどうかな」
悠「今時芸人でも安全に配慮した爆発しかしないのに」
摩耶「安全性ゼロで」
悠「ただの爆死か自爆ですね。わかります。」
神姫「爆笑できる気がするわ」
千世子「レスタトは、1929年から長い眠りについていたが、ロックの音楽に共鳴して1984年に覚醒して「ヴァンパイア・レスタト」というロックバンドを結成。ヴォーカルを担当し、社会の表舞台を歩いているのだ。」
悠「いや、そこまで身体は張れない」
摩耶「男でしょ!」
悠「男ですけども!」
雨「っていうか、ただ爆発して笑ってのもどーよ……」
神姫「面白いじゃない」
雨「……」
千世子「「夜明けのヴァンパイア」の世界では、吸血鬼の特徴や弱点がとても詳しく決められているのだ。まず、身体能力に優れ、暗闇を見通すというのは従来の吸血鬼と同様だが、飛行や念動力など超常的な能力は、強力なヴァンパイアから血をもらった者や、数百年の年月を重ねたヴァンパイアだけが使うことができるのだ。」
亘理『悠ちゃん、ここはひとつ腕のみせどころじゃない?』
悠「爆発しろってか」
摩耶「久秀ちゃんに連絡だね!」
悠「しちゃ駄目!ほんとに爆発されられちゃう!」
亘理『そうじゃなくて、ここはもう悠ちゃんの滑らないトークで!』
千世子「この世界でも吸血鬼の弱点は炎や日光なのだ。また、伝承と同じくカメラや鏡にも写らないが、これは肌が白すぎて光を反射してしまうのが原因なのだ。そのためこの世界の吸血鬼は、写真に映りたい場合、化粧品を肌に塗るという方法をとるのだ。」
悠「なるほど、コホン、えーと、毎度バカバカしいお話を……」
神姫「無理よ。悠が滑ってるのに」
悠「まさかの存在がすべってる?!」
摩耶「大丈夫、まだ、足がもつれてるだけだよ」
悠「最終的にこけてるのが見える気がする…」
千世子「主食は人間の血液だが、鼠や犬の血でも(味や満足度は落ちるが)栄養的には問題ないのだ。ただし生きたものから血を吸わないと味的にも栄養的にもまったく満足できないため、輸血パックなどの血を吸ってもほとんど意味が無いらしいのだ。以上、レスタト・ド・リオンクールのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
義鷹「んっ、ふあぁぁ……。」
悠「あ、起きた」
義鷹「あん?」
悠「おはよう。良く眠れたかな?」
義鷹「机は寝心地悪いな」
悠「ちなみになんでおれの机で寝てたの?」
義鷹「特に理由はねぇ、そこにあったからだ。ふあぁぁ……ふ。」
悠「なんだったんだ…」
【レスタト・ド・リオンクール】
千世子「はーい。じゅぎょーしますなのだ。吸血鬼映画が世界に広まり、多くの人が「ありがちな吸血鬼」を知った20世紀後半、アメリカ国民が夢中になったスターがいたのだ。アメリカの作家、アン・ライスの小説「夜明けのヴァンパイア」の登場人物、レスタト・ド・リオンクールなのだ。彼は欲望と好奇心のままに生き、吸血鬼でありながらロックミュージシャンとして大成功をおさめるのだ。その生きざまに多くのファンが魅了され、現実世界にファンクラブができるほどの人気キャラクターになったのだ。」
摩耶「ただ眠たかったんじゃない?」
悠「ここで寝なくても亘理の部屋でも借りたらいいのにな」
亘理『貸さないよ!私の部屋だよ!?そもそも自分の部屋あるし!義鷹も!』
悠「ちょっとした冗談だったのにえらい剣幕だな」
摩耶「悠君のいっちゃ駄目系冗談」
千世子「レスタトは18世紀のフランスで舞台俳優として成功した人間だったが、22歳のときに吸血鬼に変えられたのだ。その髪型は、肩につかない程度の金髪に、白い肌と灰色の瞳、短く細め鼻、大きめで形のいい唇を持つ美青年なのだ。仲間の吸血鬼がからもひと目置かれていて、「ブラッドプリンス」という異名で呼ばれているのだ。」
神姫「ほとんどがそれでしょ」
悠「そんな馬鹿なおれのジョークはいつだって笑いを呼んでるのに」
神姫「既に笑えないわ」
亘理『……神姫さんの爆笑顔を見てみたい気もする』
悠「難易度高いな…」
千世子「人類を愛するレスタトは、悪人からしか血を吸わないという誓いを立てているのだ。また、彼は自分の手で吸血鬼にしたルイという青年に依存めいた愛情を持っているが、ルイはレスタトと違って人間的な倫理観を強く残しているので、自分が吸血鬼になったことを思い悩み、レスタトの愛情を受け入れきれていないのだ。」
摩耶「悠君が爆発したらどうかな」
悠「今時芸人でも安全に配慮した爆発しかしないのに」
摩耶「安全性ゼロで」
悠「ただの爆死か自爆ですね。わかります。」
神姫「爆笑できる気がするわ」
千世子「レスタトは、1929年から長い眠りについていたが、ロックの音楽に共鳴して1984年に覚醒して「ヴァンパイア・レスタト」というロックバンドを結成。ヴォーカルを担当し、社会の表舞台を歩いているのだ。」
悠「いや、そこまで身体は張れない」
摩耶「男でしょ!」
悠「男ですけども!」
雨「っていうか、ただ爆発して笑ってのもどーよ……」
神姫「面白いじゃない」
雨「……」
千世子「「夜明けのヴァンパイア」の世界では、吸血鬼の特徴や弱点がとても詳しく決められているのだ。まず、身体能力に優れ、暗闇を見通すというのは従来の吸血鬼と同様だが、飛行や念動力など超常的な能力は、強力なヴァンパイアから血をもらった者や、数百年の年月を重ねたヴァンパイアだけが使うことができるのだ。」
亘理『悠ちゃん、ここはひとつ腕のみせどころじゃない?』
悠「爆発しろってか」
摩耶「久秀ちゃんに連絡だね!」
悠「しちゃ駄目!ほんとに爆発されられちゃう!」
亘理『そうじゃなくて、ここはもう悠ちゃんの滑らないトークで!』
千世子「この世界でも吸血鬼の弱点は炎や日光なのだ。また、伝承と同じくカメラや鏡にも写らないが、これは肌が白すぎて光を反射してしまうのが原因なのだ。そのためこの世界の吸血鬼は、写真に映りたい場合、化粧品を肌に塗るという方法をとるのだ。」
悠「なるほど、コホン、えーと、毎度バカバカしいお話を……」
神姫「無理よ。悠が滑ってるのに」
悠「まさかの存在がすべってる?!」
摩耶「大丈夫、まだ、足がもつれてるだけだよ」
悠「最終的にこけてるのが見える気がする…」
千世子「主食は人間の血液だが、鼠や犬の血でも(味や満足度は落ちるが)栄養的には問題ないのだ。ただし生きたものから血を吸わないと味的にも栄養的にもまったく満足できないため、輸血パックなどの血を吸ってもほとんど意味が無いらしいのだ。以上、レスタト・ド・リオンクールのじゅぎょーだったのだ。」