ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「うーす、あけおめことよろ」

亘理『悠ちゃーん、あけましておめでとー!今年もよろしくーー!』

悠「テンション高いな」

亘理『そりゃもう今年はいい感じの年収めだっからね!ねー?』

千世子「亘理ちゃんがご機嫌で千世子も嬉しいのだ。」

亘理『もー、チヨちゃん!かわいいー!』
ぎゅぅぅぅ!
千世子「あぶぶっ!」

悠「この寒いのに元気なこった…」

摩耶「悠くんこそ」

悠「うわっ?!」

摩耶「雪なのに出歩いてるなんて珍しいね」

悠「びっくりした……。気配ゼロだった。雨なんかよりもずっと気配ゼロだった」

雨「なんでそこであたしを引き合いに出した。

悠「いやー、雪降ってるだろ?ラスタで崇に送ってもらおうとしたのに送ってくれないんだぜ?」

摩耶「ラスタで一泊したら良かったんじゃない?」

悠「……その手があったか…。」

千世子「ここに泊りに来たのだ?」

悠「いいや、凍えそうだったから一時退避しに来た」

亘理『泊っていけばいいのよ!』

摩耶「亘理ちゃんのお部屋に?」

亘理『ちちち、ちが、ちががが……』

雨「壊れたラジオか」

悠「レコーダーじゃね?」

亘理『この部屋っ!!この部屋で!!』

悠「あー、まぁ、帰るけどな」

亘理『ぐぬぅ…』

雨「いや、ここに居られるのは嫌だ」

悠「おれのフェロモンにやられちゃうんだな」

雨「お前は頭がやられてるだろ」

悠「やられてねーよ!」

摩耶「そうだ腐ってるんだよ!」

悠「腐ってませんよ!?」

雨「なんか、わかる。」

悠「バルサン焚いてやろうか…」

雨「やめろ!」

摩耶「ちょこちゃんは今日も来てたんだね。」

千世子「そうなのだ。亘理ちゃんに会いに来たのだ!」

亘理『あっ、泣きそう。私今、凄く泣きそう……。』

悠「涙腺だるっだるかよ。」

亘理『嬉しいの!うーれーしーいーのーっ!!』

悠「わかった。わかったから落ち着け。」

千世子「摩耶君はどしたのだ?」

摩耶「あ、そうそう。お菓子いっぱいもらったから持ってきたんだ。良かったら食べて」

亘理『ありがとう摩耶君!チヨちゃんと食べるね!』

摩耶「どーぞ。」

悠「授業はいつから始めるつもりだ?」

千世子「んー、じゃあ、明日からなのだ」

悠「まだ三が日なんだけど…。」

千世子「お正月からダラダラしてたらだめなのだ!」

悠「怒られた」

摩耶「亘理ちゃんのためにもいいんじゃない?僕は暇だし。」

亘理『あー、泣いちゃう。すっごい泣いちゃうよコレ。』

悠「いいから落ち着け」
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