ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(1/31/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「おっさん元気?」

神姫「なに?」

悠「道玄のおっさんだよ」

神姫「元気よ。お父さんが元気を無くすのは死ぬときらしいわ。本人談だけど」

悠「あるいみ潔いな…」

千世子「ほーい、じゅぎょーをはじめるのだ。昨日いったとおり…」

【応龍】
生息地域:中国南方
出典:中国の妖怪事典「山海経」など

悠「龍ったら龍虎王がでてくる俺」

摩耶「クスハ大好きなんだね」

悠「あのオッパイとふとももは好きになっても致し方ない」

千世子「中国の龍はほとんどの場合空を飛ぶことができるのだ。翼は持っていないものが多く、なんらかの魔法的な力で空を飛んでいると考えられるのだ」

花描「そりゃ巫女も空飛ぶしな」

悠「脇を見せびらかせてな」

千世子「ところが応龍というドラゴンは、鳥の翼を生やした龍という珍しい存在なのだ。この龍は数多くの龍のなかでも位の高い存在で、最高位の龍と解説している資料もあるのだ」

神姫「関係ないけど龍って字が三つでトウって読む漢字があるわよね」

悠「画数48画のか。たしか意味は龍の歩く様子だったな」

千世子「応龍は別の漢字で「鷹龍」とも書くのだ。この別名からもわかるとおり、応龍の特徴は体に鷹の翼が生えていることなのだ。また応龍はとくに水を操ることを得意とし、水をため込んで大雨を降らせることができたのだ。ふだんは天に住み、天上世界と地上世界を一瞬で行き来できたという記述もあるのだ。」

摩耶「悠くんは応龍と愛称いいかもね」

悠「なんで?」

摩耶「雨好きでしょ?」

悠「なるほどな。」

千世子「それ以外の応龍の特徴は、資料ごとに記述がさまざまで一定しないのだ。中国の怪物をまとめた書物「山海経(さんがいきょう)」では、応龍は龍の中でも最高位の存在となっているのだ。1500年前の雑学本「述異記(じゅついき)」ではやや異なり、応龍は最高位の龍「黄龍」に次ぐ、二番目に偉大な龍なのだ」

悠「黄龍ったら……体調不良酔拳。」

摩耶「?」

悠「すまん。気にしないでくれ」

神姫「……ペルソナね」

千世子「龍が長生きすると姿がだんだん変化して、1500年後には応龍になるというのだ。2000年以上前の思想書「淮南子(えなんじ)」では、応龍はすべての羽のある生き物の祖先だということになっているのだ。どの資料の説をとるとしても、応龍が長寿で偉大な龍であることはまちがいないのだ。今日のじゅぎょーはここまで、続きは次回なのだ」

花描「うーす。お疲れさん」
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