ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「何この寒波、こわいんですけど」

神姫「雪降るかもね」

悠「いくらだ?」

神姫「は?」

悠「いくら出せば雪降らなくしてくれる」

神姫「……別に私が天候を操ってるわけじゃないんだけど」

悠「だ、だけど神姫さんならなんとかしてくれるんでしょう?!」

神姫「……」

千世子「あんちんがいつも以上におかしいのだ。」

摩耶「寒さで常識が凍結してるんだよ」

亘理『寒さって怖いね』

神姫「ちなみにいくらなら出すのよ」

悠「えーと……あっ」

亘理『どしたの?』

悠「今手持ちが237円しかない…」

神姫「その内容でいくらだせばとかよくほざけたわね。」

悠「すいません、ごめんなさい。これ以上、寒波をよばないでください!」

神姫「なんか段々腹立ってきたわ。」

摩耶「誰か温めてあげて。悠君のこと」

亘理『……よ、よーし、ここは私がやる!やるぞー!やってやるぞー!』

千世子「普段はアクティブにボディタッチしてるのにこういうときはイマイチ踏みだせない亘理ちゃんなのだ」

摩耶「可愛いよね。」

雨「いや、なんでもいいんだけどさ。既に動いた人が居るわよ」

亘理『へ?』

クラフト「寒いなのなら、これを羽織るといい」

ふぁさ
悠「コート……あったかい。」

神姫「乙女より、紳士が勝ったわね。」

亘理『なんということを!!』

千世子「あれ、でも……クラフトさん、コート脱いだのにコート着てるのだ」

クラフト「良ければ差し上げようか?」
脱ぎッ、ズブブブッ

摩耶「僕の目がおかしくなってたりしてなかったら脱いだはずのコートが内側から染みでるように出てきた」

神姫「私も見たから見間違いではないわね。」

悠「はい、コレヤバい脱ぐよ。SAN値とか下がりそうだから脱ぎ捨てるよ」

クラフト「そうか……。」

雨「この増えたコート(?)どうするのよ…」

黒いコート【……】
カサ……カサカサ

ジュルルルルッ!
クラフト「……」

摩耶「僕の目がおかしくなってないなら、コートから節足昆虫の足みたいなのが生えてクラフトさんの足に張り付いたと思ったら染み込むように吸収されていった。」

神姫「私も見たから間違いではないわね。」

悠「やめろやめろ、深く考えたり、直視してたらSAN値が激減していくぞ」

千世子「これが宇宙恐怖(コズミックホラー)の一端なのだ」

亘理『宇宙怖い…』

雨「結局あのコート(?)はなんなのよ…」

悠「それも深く考えるな。っか、何か得体の知れないものを羽織ったっていう事実を忘れたい」

神姫「しばらく頭から羽織ってたら記憶無くなるんじゃない?」

悠「記憶以外のものも無くなりそうだよ」

クラフト「……ふふっ」

悠「笑ってやがる…。」

摩耶「太陽と月に背いてもいいんだよ?」

悠「重ねた手を離さずほどかないで…」

亘理『えっ、どういうこと?!』

神姫「世界樹のOP曲」

摩耶「この曲って、エンディング見た後だとまた印象変わるよね」

悠「アリアンナの泣き顔がわりと好き」

神姫「クズが」

悠「ひどいこの言われよう…」
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