ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

クラフト「……」

摩耶「椅子に座ってあそこまで微動だにしない人(?)初めて見た。」

神姫「ずっと天井見てるわね。亘理、ぶら下がって反応見てみたら?」

亘理『無理無理無理。だってあのひと目が怖いもん!』

クラフト「……木目、木目が美しい…ぶっぶっ」

悠「あのおっさん預かるとか無理なんだけど」

メフィスト「そこを何とかお願いシマース」

【ドラキュラ伯爵】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。吸血鬼といえばドラキュラ、ドラキュラと言えば吸血鬼なのだ。小説「ドラキュラ」の主人公であるこの伯爵は、世界中だれもが知っている一番有名な吸血鬼なのだ。」

クラフト「……吸血鬼」

摩耶「あ、反応した」

クラフト「そういえば彼はらは元気だろうか……」

神姫「吸血鬼の知り合いも居るっぽいわね。」

亘理『人脈広っ!』

悠「いや、そうじゃないだろ」

千世子「ドラキュラは、イギリスの作家ブラム・ストーカーによって生み出されたキャラクターなのだ。ドラキュラが登場する怪奇小説「ドラキュラ」は「ドラキュラの後に吸血鬼小説なし」とまで言われた傑作だったのだ。現在知られている「ヴァンパイア」のほとんどは、このドラキュラから大きな影響をうけてるのだ。」

悠「大事なのはその吸血鬼が美人or美少女かってことだろ」

亘理『悠ちゃん!』

クラフト「男だが?」

悠「あー、興味なくなった。」

摩耶「色欲に溺れてるねぇ」

メフィスト「デも、クラフトは触手とか出せマスよ?」

悠「なんも嬉しくねぇよ!っか、絶対に人間じゃねーなソレ!」

千世子「では、あらゆるヴァンパイアのお手本となったドラキュラ伯爵は、いったいどんなヴァンパイアだったのだろうか?」

クラフト「人間とは何なのだろうか……。皮膚と血肉と目がふたつ、口、鼻がひとつ、二足歩行……それで人間ではないのかね?」

悠「人間ぽい何かの間違いだろ。っか、そういう生き物なのかアンタ」

クラフト「わからん」

悠「分からんて…」

クラフト「生命活動という意味でなら永いことしている。ただ生きているという意味がよく分からなくなってきていてね。そういうことも含めて知りたいのだ生命とは……何かをね」

悠「……誰かヘルプ」

摩耶「無理」

神姫「パス」

雨「イヤ」

亘理『えーと、死んだら妖怪になることも有る!』

千世子「ドラキュラ伯爵は、人間の寿命よりもはるかに長い時を生きてきたのだ。ドラキュラと対決した医学博士のヘルシング教授が作中で語るところによれば、ドラキュラは、東欧の区にルーマニアの地方領主だった実際の人物、ドラキュラ公ことブラド・ツェペシュと同一人物だったというのだ。」

クラフト「死んだら妖怪……興味深い」

悠「喰いついちゃったよ」

メフィスト「色々と知りたがり何デスよ。あと、日本の文化も」

悠「だから頼みますね。みたいな顔してんじゃねぇぞ、おっさん!!」

メフィスト「月の生活費はこのくらいデ」

スッ
悠「まぁ、なんだ。少しの間だけだからな。」

摩耶「薄汚いなぁ」

千世子「ブラドは15世紀の人物で、ドラキュラの舞台は19世紀から、ドラキュラは最低でも450歳以上となるのだ。また、作中では、ドラキュラが「まるで実際に見たことを語るように」過去の歴史を語るシーンがあり、そこに征服王「アティラ大王(西暦453年没)」が登場するのだ。もしドラキュラがこの時代を生きていたとしたら、伯爵は1500年もの時代を生きていた事になるのだ。」

クラフト「千五百年……か」

悠「クラフトのおっさんはどれぐらい生きてる?」

クラフト「………………」

摩耶「考えこんじゃったよ?」

悠「あー、もういいよ。うん、途方もないってのは分かった」

亘理『悠ちゃん、ホントに大丈夫なの?』

悠「SAN値が無くならないことを祈るばかりさ……。」

千世子「ドラキュラ伯爵はルーマニア西部の山岳地帯「トランシルヴァニア」に領地を持つ老伯爵として登場するのだその顔は荒わしのような鼻と、張り出した額、毒々しく赤い唇に角ばったあごが特徴なのだ。目は赤く輝いていて、もじゃもじやの白い口髭で覆われ、鋭い犬歯が見える口からは、生臭い息を吐きだしているのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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