ー奇談ー學校へ行こう8
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
亘理『ヘッドロック痛いの?』
悠「かけ方次第だが……絞める技は基本的に痛いよ」
神姫「チョークスリーパーにしときなさい。確実だから」
悠「亘理に変な事を教えないでもらおうか!」
神姫「闘い方の知恵は変な事じゃないでしょ。」
摩耶「眠れない時にも便利だよね」
悠「一歩間違えたら永眠かつ自分にはいみがない件」
【クラリモンド】
千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。19世紀フランス文豪ティオフィル・ゴーティエの小説「死霊の恋」は、ヨーロッパでもっともすぐれた吸血鬼小説のひとつに数えられる傑作なのだ。この物語のヒロインは、クラリモンドという高級娼婦なのだ。望まない形で吸血鬼となり、血を吸う本能に抵抗し続けた女性なのだ。」
悠「本能に抵抗ってなんかエロいよね。」
神姫「少しくらい本能を押さえられないの?」
摩耶「抑えててコレだからどうしょうもないひとなんだよ!」
神姫「……ごめんなさいね。」
悠「憐れんだ目で謝られたよ…。」
千世子「クラリモンドは、真ん中で分けた淡いブロンドの髪、海緑色の眼と女神のような肢体を持つ美女だったのだ。物語中には天使のようだ聖女のようななど、彼女の美しさをほめたたえる表現があふれ返っているのだ。」
亘理『悠ちゃん、悠ちゃん。私を褒めたらどんな感じ?』
悠「ムチッと絞まった足と巨乳。」
亘理『……有り!』
摩耶「亘理ちゃんもだんだんと自分への言葉の受け止めが甘くなってきてるね。」
雨「だとしても今のはない。」
悠「あれれぇ?」
千世子「吸血鬼としてクラリモンドは、人間を餌としてしか見てない怪物ではなく、人間的な心をそのまま残した女性として描かれているのだ。彼女は自分の生命を維持するために人間の血液が必要なのだが、人間を苦しめることを嫌う彼女は他人を襲わないのだ。恋人に睡眠薬を飲ませたうえでその身体を針で突き、そこからにじみ出た数滴の血をもらうだけにとどめているのだ。」
亘理『愛って素敵!素敵だよね!』
悠「今日はやたら食いつくな」
摩耶「愛に飢えてるんだね。」
悠「神姫さん、お願いします」
神姫「なんで私よ」
悠「王子様って呼ばれてても違和感がないから」
神姫「弾針剄」
チュドン!
悠「ぐはぁぁっ!」
千世子「クラリモンドは、物語の最初から吸血鬼だったわけではないのだ。物語の主人公である聖職者の青年ロミュアルドがはじめてクラリモンドにあったとき彼女はまだ人間だったのだるロミュアルド青年が教会の司祭になる式典の最中、彼はクラリモンドの姿を見て、一目で恋に落ちてしまうのだ。それから一年後、彼は意外な形でクラリモンドと再会するのだ。ロミュアルドが葬式のために家に家へ向かうと、棺の中で息絶えていたのは、あのクラリモンドだったのだ。ロミュアルドは美しいクラリモンドに思わず口付けしてしまい、その結果死せる彼女に生気を与えてしまったのだ。こうしてクラリモンドは、吸血鬼として復活することになったのだ。」
亘理『いいなぁいいなぁ、そういうのいいなぁ』
神姫「死んで妖怪化してるっていう意味では同じじゃない」
亘理『いやー……いろいろ違いますって』
摩耶「でも、よく考えてゲテ盛りの不定形クリーチャにならなくて良かったと」
亘理『あー、それはすこぶる嫌。うん、よかったのかもしれない』
千世子「その後物語は、ふたりの三年間に及ぶ激しい恋と、吸血鬼の生命を保つため、涙を流しながら、ロミュアルドの血を舐めるクラリモンドの葛藤、そして神の理に反した吸血鬼との恋を懺悔するロミュアルドの葛藤を軸にして展開していくのだ。」
悠「おれも色々と葛藤することが多い」
神姫「考えるのをやめたらいいんじゃない?」
悠「究極生物になれと?」
摩耶「多分、酷い目にあうよ」
悠「究極生物なのに?!」
摩耶「むしろ、究極生物だから酷い目にあう」
悠「それは辛い…」
千世子「二人の恋は、自分の教え子であるロミュアルドとクラリモンドの関係を怪しんだ神父が、クラリモンドの墓をあばき、ロミュアルドの目のまえで彼女に聖水をかけて滅ぼしたところで幕を閉じるのだ。クラリモンドは最後に「私が何か悪い事をしましたか?」と言い残して消えていったのだ。以上、クラリモンドのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
亘理『ヘッドロック痛いの?』
悠「かけ方次第だが……絞める技は基本的に痛いよ」
神姫「チョークスリーパーにしときなさい。確実だから」
悠「亘理に変な事を教えないでもらおうか!」
神姫「闘い方の知恵は変な事じゃないでしょ。」
摩耶「眠れない時にも便利だよね」
悠「一歩間違えたら永眠かつ自分にはいみがない件」
【クラリモンド】
千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。19世紀フランス文豪ティオフィル・ゴーティエの小説「死霊の恋」は、ヨーロッパでもっともすぐれた吸血鬼小説のひとつに数えられる傑作なのだ。この物語のヒロインは、クラリモンドという高級娼婦なのだ。望まない形で吸血鬼となり、血を吸う本能に抵抗し続けた女性なのだ。」
悠「本能に抵抗ってなんかエロいよね。」
神姫「少しくらい本能を押さえられないの?」
摩耶「抑えててコレだからどうしょうもないひとなんだよ!」
神姫「……ごめんなさいね。」
悠「憐れんだ目で謝られたよ…。」
千世子「クラリモンドは、真ん中で分けた淡いブロンドの髪、海緑色の眼と女神のような肢体を持つ美女だったのだ。物語中には天使のようだ聖女のようななど、彼女の美しさをほめたたえる表現があふれ返っているのだ。」
亘理『悠ちゃん、悠ちゃん。私を褒めたらどんな感じ?』
悠「ムチッと絞まった足と巨乳。」
亘理『……有り!』
摩耶「亘理ちゃんもだんだんと自分への言葉の受け止めが甘くなってきてるね。」
雨「だとしても今のはない。」
悠「あれれぇ?」
千世子「吸血鬼としてクラリモンドは、人間を餌としてしか見てない怪物ではなく、人間的な心をそのまま残した女性として描かれているのだ。彼女は自分の生命を維持するために人間の血液が必要なのだが、人間を苦しめることを嫌う彼女は他人を襲わないのだ。恋人に睡眠薬を飲ませたうえでその身体を針で突き、そこからにじみ出た数滴の血をもらうだけにとどめているのだ。」
亘理『愛って素敵!素敵だよね!』
悠「今日はやたら食いつくな」
摩耶「愛に飢えてるんだね。」
悠「神姫さん、お願いします」
神姫「なんで私よ」
悠「王子様って呼ばれてても違和感がないから」
神姫「弾針剄」
チュドン!
悠「ぐはぁぁっ!」
千世子「クラリモンドは、物語の最初から吸血鬼だったわけではないのだ。物語の主人公である聖職者の青年ロミュアルドがはじめてクラリモンドにあったとき彼女はまだ人間だったのだるロミュアルド青年が教会の司祭になる式典の最中、彼はクラリモンドの姿を見て、一目で恋に落ちてしまうのだ。それから一年後、彼は意外な形でクラリモンドと再会するのだ。ロミュアルドが葬式のために家に家へ向かうと、棺の中で息絶えていたのは、あのクラリモンドだったのだ。ロミュアルドは美しいクラリモンドに思わず口付けしてしまい、その結果死せる彼女に生気を与えてしまったのだ。こうしてクラリモンドは、吸血鬼として復活することになったのだ。」
亘理『いいなぁいいなぁ、そういうのいいなぁ』
神姫「死んで妖怪化してるっていう意味では同じじゃない」
亘理『いやー……いろいろ違いますって』
摩耶「でも、よく考えてゲテ盛りの不定形クリーチャにならなくて良かったと」
亘理『あー、それはすこぶる嫌。うん、よかったのかもしれない』
千世子「その後物語は、ふたりの三年間に及ぶ激しい恋と、吸血鬼の生命を保つため、涙を流しながら、ロミュアルドの血を舐めるクラリモンドの葛藤、そして神の理に反した吸血鬼との恋を懺悔するロミュアルドの葛藤を軸にして展開していくのだ。」
悠「おれも色々と葛藤することが多い」
神姫「考えるのをやめたらいいんじゃない?」
悠「究極生物になれと?」
摩耶「多分、酷い目にあうよ」
悠「究極生物なのに?!」
摩耶「むしろ、究極生物だから酷い目にあう」
悠「それは辛い…」
千世子「二人の恋は、自分の教え子であるロミュアルドとクラリモンドの関係を怪しんだ神父が、クラリモンドの墓をあばき、ロミュアルドの目のまえで彼女に聖水をかけて滅ぼしたところで幕を閉じるのだ。クラリモンドは最後に「私が何か悪い事をしましたか?」と言い残して消えていったのだ。以上、クラリモンドのじゅぎょーだったのだ。」