ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠｢管理人ちゃんの尻尾をハスハスしたい」

摩耶「……つまり、八つ裂きになりたいっていうこと?」

悠「いや、その過程に至る前に逃げたいな」

神姫「猫の脚力から逃げ切れる自信があるの?」

悠「ないけど、管理人ちゃんなら頼み込んだらハスハスさせてくれないかな?」

亘理『……』
ズルル

千世子「ガジガジならしてくれそうな空気なのだ」

摩耶「食う気かな」

神姫「座布団はあげないわよ」

悠「亘理的にどこまでの行為だったら管理人ちゃんにできると思う?」

亘理『ガジガジ……んー、にくきゅうプニるのと耳を触るぐらい?』

悠「それはそれで魅力があるな。あのサイズのにくきゅうは……じゅるり」

千世子「ヨダレが分からないのだ」

神姫「口元が緩いのよ」

悠「誰がお年寄りだ!」

亘理『いってないけどね。』

千世子「そんなに気になるんだったら冥ちゃんに直接聞いてみたらいいのだ」

悠「こっそりかいきなりやるのが良いんじゃないか」

摩耶「だから怒られるんだよ?」

悠「はっはっは、何をおっしゃるうさぎさん」

摩耶「誰がうさぎとな」

悠「ともき」

摩耶「イエーイ」
パン
パン
悠「イエーイ」

亘理『ノリが分からない』

神姫「此処にいない他人を巻き込む性質の悪いノリよ」

悠「悪乗りはほどほどなら許されるんだよ」

千世子「あんちんの悪ノリは本当に悪いのだ」

悠「口の立つおこちゃまめー」
ぷにぷに
千世子「ほっぺたツンツンしないでほしいのだ!」

悠「嫌です」

千世子「真っ直ぐした目で断られたのだ?!」

摩耶「ツンツンがスリスリにスリスリがペロペロにペロペロがチューチューに変わっていくんだね」

亘理『悠ちゃん!コラッ!』

悠「変わっていかないし、やりませんよ?!」

冥「賑やかなのナ」

悠「へーい、冥ちゃん。尻尾ハスハスさせて!」

冥「お断りナ♪」

千世子「笑顔の拒絶なのだ」

摩耶「笑顔はある意味、壁だからねぇ。」

神姫「そういうこと言うと自分には凄い壁がありますっていうことにならない?」

摩耶「あはっ♪」

亘理『否定せず……。』

悠「じゃあ、抱っこさせてください!」

冥「んー……手つきと目つきがヤラシイのナ」

悠「下心が無いとは言いませんからね。」

千世子「そこを言い切るのもどうかと思うのだ」

悠「誠意を見せてるんだ!」

冥「誠意じゃなくて見せてるのは下心ナ」

摩耶「はい、ゆう君人形ひとつどうぞ。」

冥「んー、これはあの子達(使い猫)の玩具にピッタリナ」

悠「みんなゆう君人形も大事にして!!」