ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「今朝、家のまえの水たまりが凍ってたよ」

悠「ひ、ひぃえぇぇ!!」

雨「っ……なんて声出してるのよ」

悠「おれの叫び」

神姫「豚のように悲鳴をあげてなさい」

スバァァン!
悠「ぷぎぃぃぃぃ!!」

亘理『めちゃ痛そう…』

【ハラリエル】

千世子「はいさーい、じゅぎょーしますなのだ。ハラリエルは、20世紀に実在した霊能力者「エドガーケイシー」の身体を借りて、さまざまなお告げをした天使なのだるこの天使の名前は、聖書を始めとした、由緒ある神学の資料には全くないのだ。また、ハラリエルは姿を現すことはなかったため、この天使がどんな姿をしているのかは一切分かっていないのだ。確かなのは、ケイシーの身体を借りたハラリエルは常に命令的で、暗い口調だったことなのだ。」

悠「この世に霊能力なんて存在しません!インチキです!全てゴリッとお見通しだ!」

摩耶「悠君、まわり見て」

亘理『……』

アリス『……』

雨「……」

摩耶「幽霊から死神までのパーティピーポゥー」

悠「スリスリスリット!」

神姫「悲鳴をあげ足りないようね……」

悠「ぴ、ぴぃぃ…」

千世子「ハラリエルが初めて現れたのは、1930年代半ばとされているのだ。ハラリエルはケイシーの所属する研究グループの集会中に突然、ケーシーの身体を借りて発言し、自分が天使であることをメンバーに伝えたのだ。以降、ハラリエルは何度もケイシーの身体を借りて集会に登場しているのだ。ハラリエルはあらわれるたびにメンバーにお告げをしたが、そのほとんどが壊滅的なものだったというのだ。なかには「1998年に日本が沈む」というものまであったのだ。」

亘理『なんかそんな映画あったよね』

摩耶「日本沈没、日本以外沈没、大阪沈没とB級作品の数が優秀な作品だったよね」

悠「おれはパロAVのタイトル考えてるやつは天才だと思ってる」

亘理『なに?』

悠「エロム街の悪夢、パイパニック、ムスコオブゾロ」

摩耶「元ネタはエルム街の悪夢、タイタニック、マスクオブゾロかな」

悠「何が秀逸ってパイパニックのキャッチコピーがアナタの股間がデカプリオなんだよ」

千世子「天使ハラリエルが身体を借りた、エドガーケイシーとはどんな人物なのか?ケイシーは1877年、アメリカで生まれた霊能者なのだ。彼は子供のころから、天使の姿を見たり、他人には見えない存在を感じることができたというのだ。」

神姫「そこまで来たらもはや笑うわね」

悠「速攻ヤローBチーク、チクビル、オマター」

雨「悪ふざけが半端ないわね。」

悠「アメリカだからな。」

摩耶「オマターの元ネタが分からない。」

悠「アバター」

摩耶「それか!」

千世子「ケイシーは寝ている間に病人の適切な治療法を見つけるという能力があったのだ。外見ではどんな病気かまったくわからないような患者であっても、ケイシーは眠ってる間に必ず治療法を見つけたのだ。ケイシーから教わった治療法を試した患者は、全員病気が治ったというのだ。眠っているときに治療法を見つける行為を、ケイシー自身は「リーディング」と呼んだのだ。」

亘理『でもこれ……その、え、AVのタイトルなんだよね?』

悠「アーンイヤーンマン、ポロン、セックス・アンタ・トシテェ、ロビン・フットい」

摩耶「よくこれ元ネタの会社から怒られないね。」

悠「おれは多分、タイトルが秀逸だからなんだと思う」

悠「セックス・アンタ・トシテェとロビン・フットいはもう拍手してあげたいレベルだろ」

神姫「連呼すべきタイトルではないけどね。」

悠「セックス&シティは許されて、セックス・アンタ・トシテェが許されないってどういう……」

神姫「……」

ピッ……ドゴッ!ゴォォォン!
悠「ぎゅぴびびび!?」

摩耶「あーあ、しつこくしなけりゃ笑い話ですんだのに」

千世子「ケイシーのリーディングは、治療だけにとどまらないのだ。彼はリーディングによって、アトランティス大陸やレムリア大陸といった超古代文明の謎に迫ったり、1998年にイエス・キリストが復活するといった予言まで残しているのだ。以上。ハラリエルのじゅぎょーだったのだ。」
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