ー奇談ー學校へ行こう8
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「あ゛ー……」
摩耶「ヒキガエルを潰したような声だね」
悠「おいおい、おれの声は牛ガエルのように澄んでるよ」
雨「牛ガエルの鳴き声は澄んでないだろ」
悠「ン゛モ゛ォ゛ー」
神姫「夜中に鳴いてたら駆除に乗りだしそうな声ね」
悠「ダメよ、ダメダメっ。」
神姫「……」
パァン!
【モロナイ】
千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。現在、キリスト教系の新興宗派は世界中に星の数ほど存在するのだ。その規模は村レベルの小さなものから、数百万人の信者を抱える宗派まで様々なのだ。これから紹介する天使「モロナイ」は、そんなキリスト教系信仰宗派のなかでも最大級の規模を持つ「モルモン教」の誕生に深くかかわった天使なのだ。」
悠「しくしくっ、頬が痛い」
神姫「今のは意識してやったわ」
亘理『そこまでカチンと来たんだ…』
悠「エレキテル連合だめっすか?」
神姫「悠がダメ」
悠「おぉぅ……。」
千世子「日本がまだ江戸時代であった1823年、モロナイはアメリカの青年「ジョセフ・スミス・ジュニア」のもとに現れたのだ。そしてジョセフに「紀元前アメリカの予言者が書いた黄金版」のありかを教え、将来それを翻訳するように告げたのだ。」
亘理『私はダメじゃないと思うよ…うん。』
摩耶「なんとか自分に言い聞かせてる感があるね」
悠「摩耶的にはありだった?」
摩耶「流行りネタにかぶせだしたらダメだと思う。悠君のボケの持ち味はもっとむちゃくちゃな部分だし」
悠「なんて的確なツッコミ……。」
雨「いや、的確?」
千世子「黄金板はふたつの宝石「ウリムとトンミム」とともに発掘されたのだ。黄金板には古代エジプトの象形文字にも似た謎の文字が書かれていたが、ジョセフは「ウリムとトンミム」を使ってこの文字を解読することができたのだ。そして少数の協力者と共にこの黄金板を翻訳し、一冊の本にまとめ上げたのだ。この本は、本来の筆者である予言者の名前を取って「モルモン経」と名付けられたのだ。」
神姫「悠の面白いところってあれでしょ。第三者の立場で殴られてる姿を見る」
摩耶「金木犀(きんもくせい)な感じだね」
亘理『なんで金木犀?』
悠「三軒隣の家に生えてたら香ってくる匂いがちょうどいいけど、家の敷地内だと香りが強すぎる」
摩耶「そうそう」
雨「自分で分かってるのね」
千世子「ジョセフの前に現れた天使モロナイは、この世で見たこともないような純白のローブをまとい、表情は稲妻の如く輝いていたというのだ。またモルモン教の教会には、細長いラッパを持ったモロナイの彫像が飾られることが多いのだ。」
悠「おれの魅力が高過ぎるっていうのは分かってる」
神姫「はんっ」
亘理『悠ちゃん、神姫さん笑ったよ』
悠「鼻でな」
摩耶「魅力って役に立つゲームと立たないものだと差が激しいよね。」
悠「おれの魅力は役に立つぞ」
神姫「はんっ」
千世子「モンモル教はキリスト教の一派を名乗ってはいるが、一般的なキリスト教の教義と派かなりかけ離れた宗教なのだ。そのためカトリック教会など古来からの宗派は、モンモル教は異端だとみなしているのだ。」
悠「また鼻で笑われた」
摩耶「まぁ、現に亘理ちゃんはメロメロだしね。効果は抜群」
亘理『うん、ホントに、ねー!』
べしべし!
悠「なんで叩かれてるの?ねぇ、なんで叩かれてるの?」
神姫「がりゅーにも効果抜群なのよねぇ……はぁ」
悠「ため息て…」
千世子「その違いは、神とイエスキリストが個別の存在だとする「三位一体拒否」、19世紀末期まで一夫多妻制を敷いていたことなど多数に渡るが、もっとも重要なのは独自の書物「モンモル経」を聖典としていることなのだ。」
摩耶「そういえばがりゅーちゃん元気?」
神姫「元気がなかったら、悠を絞めあげてるわ」
悠「無くなった場合の原因はおれっすか?!」
神姫「悠しかないでしょ」
摩耶「悠君しかないね。」
悠「えぇ……」
千世子「「モンモル経」の内容は衝撃的なものなのだ。なんとアメリカ原住民の祖先は、紀元前6世紀ごろにアメリカ大陸に渡ったユダヤ人だというのだ。しかも彼らの子孫が善悪の二派に分かれて争っていた頃に、復活したイエスキリストが現れて仲裁したとも書かれているのだ。以上、モロナイのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「あ゛ー……」
摩耶「ヒキガエルを潰したような声だね」
悠「おいおい、おれの声は牛ガエルのように澄んでるよ」
雨「牛ガエルの鳴き声は澄んでないだろ」
悠「ン゛モ゛ォ゛ー」
神姫「夜中に鳴いてたら駆除に乗りだしそうな声ね」
悠「ダメよ、ダメダメっ。」
神姫「……」
パァン!
【モロナイ】
千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。現在、キリスト教系の新興宗派は世界中に星の数ほど存在するのだ。その規模は村レベルの小さなものから、数百万人の信者を抱える宗派まで様々なのだ。これから紹介する天使「モロナイ」は、そんなキリスト教系信仰宗派のなかでも最大級の規模を持つ「モルモン教」の誕生に深くかかわった天使なのだ。」
悠「しくしくっ、頬が痛い」
神姫「今のは意識してやったわ」
亘理『そこまでカチンと来たんだ…』
悠「エレキテル連合だめっすか?」
神姫「悠がダメ」
悠「おぉぅ……。」
千世子「日本がまだ江戸時代であった1823年、モロナイはアメリカの青年「ジョセフ・スミス・ジュニア」のもとに現れたのだ。そしてジョセフに「紀元前アメリカの予言者が書いた黄金版」のありかを教え、将来それを翻訳するように告げたのだ。」
亘理『私はダメじゃないと思うよ…うん。』
摩耶「なんとか自分に言い聞かせてる感があるね」
悠「摩耶的にはありだった?」
摩耶「流行りネタにかぶせだしたらダメだと思う。悠君のボケの持ち味はもっとむちゃくちゃな部分だし」
悠「なんて的確なツッコミ……。」
雨「いや、的確?」
千世子「黄金板はふたつの宝石「ウリムとトンミム」とともに発掘されたのだ。黄金板には古代エジプトの象形文字にも似た謎の文字が書かれていたが、ジョセフは「ウリムとトンミム」を使ってこの文字を解読することができたのだ。そして少数の協力者と共にこの黄金板を翻訳し、一冊の本にまとめ上げたのだ。この本は、本来の筆者である予言者の名前を取って「モルモン経」と名付けられたのだ。」
神姫「悠の面白いところってあれでしょ。第三者の立場で殴られてる姿を見る」
摩耶「金木犀(きんもくせい)な感じだね」
亘理『なんで金木犀?』
悠「三軒隣の家に生えてたら香ってくる匂いがちょうどいいけど、家の敷地内だと香りが強すぎる」
摩耶「そうそう」
雨「自分で分かってるのね」
千世子「ジョセフの前に現れた天使モロナイは、この世で見たこともないような純白のローブをまとい、表情は稲妻の如く輝いていたというのだ。またモルモン教の教会には、細長いラッパを持ったモロナイの彫像が飾られることが多いのだ。」
悠「おれの魅力が高過ぎるっていうのは分かってる」
神姫「はんっ」
亘理『悠ちゃん、神姫さん笑ったよ』
悠「鼻でな」
摩耶「魅力って役に立つゲームと立たないものだと差が激しいよね。」
悠「おれの魅力は役に立つぞ」
神姫「はんっ」
千世子「モンモル教はキリスト教の一派を名乗ってはいるが、一般的なキリスト教の教義と派かなりかけ離れた宗教なのだ。そのためカトリック教会など古来からの宗派は、モンモル教は異端だとみなしているのだ。」
悠「また鼻で笑われた」
摩耶「まぁ、現に亘理ちゃんはメロメロだしね。効果は抜群」
亘理『うん、ホントに、ねー!』
べしべし!
悠「なんで叩かれてるの?ねぇ、なんで叩かれてるの?」
神姫「がりゅーにも効果抜群なのよねぇ……はぁ」
悠「ため息て…」
千世子「その違いは、神とイエスキリストが個別の存在だとする「三位一体拒否」、19世紀末期まで一夫多妻制を敷いていたことなど多数に渡るが、もっとも重要なのは独自の書物「モンモル経」を聖典としていることなのだ。」
摩耶「そういえばがりゅーちゃん元気?」
神姫「元気がなかったら、悠を絞めあげてるわ」
悠「無くなった場合の原因はおれっすか?!」
神姫「悠しかないでしょ」
摩耶「悠君しかないね。」
悠「えぇ……」
千世子「「モンモル経」の内容は衝撃的なものなのだ。なんとアメリカ原住民の祖先は、紀元前6世紀ごろにアメリカ大陸に渡ったユダヤ人だというのだ。しかも彼らの子孫が善悪の二派に分かれて争っていた頃に、復活したイエスキリストが現れて仲裁したとも書かれているのだ。以上、モロナイのじゅぎょーだったのだ。」