ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「雨だなぁ。あ、天候の方のことな?」

雨「いちいち言わなくても分かる!」

摩耶「三連休なのにね。」

亘理『泊まってく?わ、私の部屋とか結構広いんだけど』

悠「いや、帰るけどね。あと、お前の部屋っていうか教室だろ」

亘理『ぶー!』

神姫「でも、良いわよね。自分の部屋が教室並に広かったら」

摩耶「僕は狭い方が落ち着くかも。」

神姫「トレーニング器具とかおけるじゃない」

雨「それ……必要?」

悠「雨はやっぱり天井からぶら下がって寝るのか?プレデターに狩られた人間みたいな感じて」

雨「なんだその例えは!普通に横になるわ!」

神姫「蜘蛛糸のハンモックで?」

雨「そうよ」

悠「やっぱり地面には降りないんだな。」

神姫「蜘蛛だからねぇ」

摩耶「蜘蛛だね」

雨「バカにしてるのか?バカにしてるのよね?」

亘理『落ち着いて』

千世子「雨ちゃんを苛めちゃ駄目なのだ。」

悠「からかってるだけだよ」

千世子「同じなのだ!」

雨「まったくだわ」

悠「気にするな」

雨「お前だけは許さない」

悠「にしても割と強めに雨降ってるな」

雨「無視か!」

悠「虫だろ」

雨「ぎぃーーー!」

亘理『奥歯折れちゃうって』

千世子「あんまり降られると困るのだ」

摩耶「んっ?どこか行く予定あるの?」

千世子「違うのだ。白衣の裾に注意して動かなきゃいけなくなるのだ。」

悠「脱ぐという選択はないのか」

千世子「これが千世子のアイデンティテイなのだ!」

神姫「それにしたって身の丈に合ったサイズの白衣を着れば良いのに」

悠「ダボシャツって……萌えるじゃん」

亘理『……』
イソイソ

神姫「袖引っ張って無理矢理ダボってる風にしない。痛むわよ」

摩耶「行動の速さが凄いよねぇ」

雨「涙ぐましい努力っていうのかしら…」

千世子「ダボシャツってなんなのだ?」

悠「分かりやすく言うと彼女が彼氏のワイシャツ来ちゃうって感じかな」

千世子「全然分かりやすくないのだ」

摩耶「金剛君のシャツだったら普通サイズの女の子ふたりくらいはいれるよ」

神姫「逆、摩耶のは入らないわね。」

悠「むしろ摩耶の場合は……下手な女のより綺麗でちゃんとしてる」

摩耶「悠君はチンピラっぽい」

悠「いやいや、和柄って……素敵やん?」

神姫「チッ」

悠「なんで舌打たれたの?!」
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