ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ハロウィン特別お菓子。今日の一品はこちら芋妖(よう)かん」

亘理『あ、可愛い』

雨「妖怪の形にしてあるのね。」

悠「これ、めっちゃ苦労した……ヘラとかじゃどうしても造形出来なかったら彫刻刀使ったよ」

神姫「衛生面はちゃんとしてるんでしょうね」

悠「ちゃんと消毒したよ煮沸で」

摩耶「でも、ようかんって柔らかいし逆にやりにくかったんじゃない?」

悠「案外優秀だった。軽く50個以上はミスったけど」

亘理『ミスったのはどうたしの?』

悠「ゆえのお腹の中」

神姫「処理班が優秀ね」

悠「おれの頑張りも褒めてよ。芋ようかんを百本単位で作って加工して……こうしてお披露目して」

亘理『悠ちゃんステキ』

千世子「あんちん凄いのだ!」

悠「ふぇふぇふぇ」

雨「気持ち悪いなぁ」

悠「蜘蛛だからって気にすんなよ」

雨「蜘蛛は気持ち悪くない!!」

摩耶「マイノリティってあるから」

雨「少数派っていうな!」

神姫「味はしっかり芋ようかんね」

悠「芋ようかんですからね。」

千世子「クォリティはどんどん上がってるのだ」

悠「だろ、此処では提供してるけどめんどくさいから店の方で出す気はさらさらないんだけどな。めんどくさいから」

神姫「駄目駄目ね」

摩耶「もはや本末転倒」

千世子「あんちんはめんどくさがりすぎなのだ」

亘理『しっかりして!』

雨「バーカ!」

悠「なにこの一斉射撃。っか、蜘蛛っ娘。ただの罵声じゃねぇか。糸の出る穴に栓するぞ」

雨「変態!」

摩耶「今さらだよ!」

悠「その反論はおかしいよ?!」

亘理『悠ちゃん!』

悠「そしてなんでお怒り?!」

千世子「自業自得なのだ」

悠「おれの代名詞という噂もある言葉のひとつだ」

神姫「塵とか屑とか?」

悠「そんな風に思っていらっしゃるんですね。神姫さんは」

神姫「たまにね」

悠「わぁお、否定とかじゃなくて普通にそういう風に見られてた件」

摩耶「やったね、悠君!」

悠「何もやってないよ!タエちゃん!」

亘理『タエちゃん?』

神姫「多分、知らない方が良いものよ」

悠「さぁ、とっとと食えよ。」

千世子「本当に食べちゃっていいのだ?」

悠「食い物は食うためにあるんだよ」

摩耶「つまり、亘理ちゃんからしたら悠君も食べ物に類するから……」

亘理『人間食べないよ!?』

悠「よく頭齧られてるけどな」
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