ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「本日の一品は抹茶をふんだんに使った蒸しパンです。クリームも抹茶クリームでイチゴの代わりに黒豆を飾ってみました。」

千世子「わーい!おやつなのだ!」

亘理『おやつー!』

神姫「っていうか、抹茶のパウンドケーキでしょ」

悠「蒸しパン!」

摩耶「そこまでして無理矢理和風を装わなくてもいいと思う」

亘理『蒸しパンって和菓子の部類なの?』

雨「パンってついてる時点で違うと思う」

悠「細かいこという子にはあげませんよ!」

神姫「別にいいけど」

悠「本気でいってるからつらいわぁ…」

神姫「もっといいましょうか?」

悠「おれの心を穿たないで!」

摩耶「ハートクラッシュ」

悠「ハートキャッチが良いわ」

千世子「プリティでキュアキュアなのだ」

悠「スカートの中にレースは必要無いんじゃないかな。むしろToLoveるな感じに路線を変更しようぜ」

摩耶「それだと早朝枠から深夜枠になっちゃうよ」

千世子「歪んだ見方してるのだ」

悠「むしろ、おれが純粋にキャッキャいいながら見てたらドン引きだろ」

雨「通報ものね」

悠「セアカゴケグモが出たって?」

雨「カチカチカチカチ」

悠「顎めがけて黒豆ぽーん!」

ズボン!
雨「んぐっ!?がへっ!ごほっ!」

神姫「やっぱり蜘蛛の状態だと固形物は食べれないのね」

亘理『なんで?』

千世子「蜘蛛は獲物を捉えたら消化液を流し込んでドロドロに溶かして吸うのだ」

亘理『だかになんで皆そんなに虫の生態に詳しいの?!』

雨「げほげほっ、だ、だれだっていきなり豆を咽の奥に放り込まれたら咳き込む!」

悠「棒とかを咽の奥に突っこんでオエってならないなら……有利だぞ。」

雨「何の話しよ!」

悠「ナニの話しかな」

神姫「下品」

ビシッ!ビシッ!
悠「ぎゃあぁぁぁ!両の眼に黒豆がシュート!」

摩耶「適度に柔らかいから眼球にへばりつくね♪」

悠「うわぁぁ!うわぁぁぁっ!」
ゴロゴロ
じたばた

雨「哀れだわ…。」

亘理『んふー、この抹茶ケーキ美味しい～』

悠「うわあぁぁ!抹茶蒸しパン」

千世子「ケーキだけでも美味しいけど、この抹茶クリームと合わせるとまた格別美味しいのだ!」

悠「うわぁぁぁ!抹茶蒸しパン」

雨「ダメージ受けてるのにそこだけは律義に訂正するのね。」

神姫「トドメをさしていいわよ。毒注入するんでしょ、毒」

摩耶「先に糸でがんじがらめにするんだよね。お尻から出る糸で。」

雨「なんだろう、バカにされてる気しかしない」

摩耶「僕は、ネルスキュラ好きだよ?」

雨「だからネルスキュラいうな!」

悠「亜種?」

雨「うるさいっ!ってか、違う!」