ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「そういえば10月といえばハロウィンだよな」

摩耶「お菓子あげないからイタズラしてくださいって懇願するの?」

悠「そのネタはもうやった気がする。」

亘理『悠ちゃん!』

悠「何かお菓子作ってやろうか?」

亘理『えっ!』

悠「ぴよこ」

亘理『ぎゃふん』

神姫「生で「ぎゃふん」なんていう台詞……初めて聞いたわ」

摩耶「悠君なら割といってそうだけどね。」

千世子「お菓子、お菓子作ってくれるのだ?」

悠「明らかに常軌を逸してるもの以外でおれが作れるものならな」

雨「常軌を逸してるお菓子って何よ」

神姫「タランチュラの素揚げカラメルソース」

摩耶「蜘蛛のチョコレートフォンデュ」

雨「私に対する苛めかっ!」

悠「何かっかしてるんだ。飴あげるから落ち着けよ」

雨「いるかっ!」

千世子「それじゃあ……カボチャのお菓子を色々食べたいのだ!」

悠「分かった。覚えてたら作ってやる。」

千世子「あんちんはきっと覚えててくれるのだ。」

神姫「自分から話し振っておいて覚えてたらって……どうなのかしら」

摩耶「約束は破らない男だから。約束しないように言葉巧みに誘導しつつ保険をかけてるんだよ」

雨「悪どいな。」

亘理『……』

悠「んで、亘理は?」

亘理『え?私も?私もいいの!』

悠「聞いといてはやる。」

神姫「いうだけならタダよ」

亘理『えーと、じゃケーキ!』

悠「ケーキか……メンドイな」

亘理『どーして!!』

摩耶「和菓子のほうが注文通るっぽいよ」

亘理『えーと、えーと、それじゃあ、カップルがいっしょに食べて楽しめる感じのもの!』

悠「常軌を逸し出したな」

亘理『そんなことないでしょ!いっしょに食べてよ!』

神姫「具体的な物ではないものを一緒に食べるって中々の禅門等ね」

摩耶「女の子のいう「どこでもいい」は「私を喜ばせてみろ」っていう感じの言葉の本質を捕えるゲームだね」

千世子「そうなのだ?!」

雨「女の千世子が驚いて、男の摩耶が女の内面を語るってなんなの」

神姫「女子力が高いのよきっと」

雨「……適当言ってるでしょ」

神姫「もちろん」

悠「紅白饅頭とかか?」

亘理『美味しそうだけども!だけどもっ!!』

摩耶「結婚式の引き出物とかにはいってるよね。紅白饅頭」

亘理『そ、そういう意図ですか!悠ちゃんが渡しと結納……///』

悠「いや、そんな意図はないから落ち着け」

千世子「亘理ちゃん耳まで真っ赤なのだ」

神姫「ストレートなこというわりに初心よね」

摩耶「がりゅーちゃんもじゃない?」

神姫「……コメントは控えさせてもらうわ」
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