ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ToLoveりてぇ……」

摩耶「鋭利な刃物で切りかかられたり、得体の知れない植物や生き物になぶられたい……と」

悠「アレレ、そんな危ない面ばかりじゃなくてさ。もっと色っぽい部分を……」

神姫「裸の中年に追い回されたいと」

悠「色っぽくねぇ!!」

千世子「はい、スラオシャのじゅぎょーの続きなのだ。さて、もともとは神と信者の仲介役であり聖職者の役割を持っていたスラオシャが、屈強な戦士になったのには理由があるのだ。ゾロアスター教では、、教えに従順で熱心な信者であるほど、積極的に悪と闘うべきだと考えられたのだ。この考えにもとづけば「従順」を象徴する天使であるスラオシャは、誰よりも積極的に悪との戦いに参加しないといけないのだ。そのため悪と闘うスラオシャというイメージが次第に定着していき、、現在のような「戦士スラオシャ」というイメージが出来上がったというわけなのだ。」

摩耶「でも、悠君よく考えてみて」

悠「ほむ?」

摩耶「事故とは言え神姫さんとかに粗相したりしたら……手首くらい覚悟だよ?」

悠「……」

神姫「粗相した手の指の爪でいいわよ。」

悠「けじめに爪五枚……」

千世子「ゾロアスター教では天使ひとりに付きひとりだけの悪魔が敵対者として存在しているのが普通なのだ。そんななかでスラオシャは、さまざまな悪魔と戦う珍しい天使だが、それでもやはり最大の敵対者が存在するのだ。」

悠「痛い話しはやめよう」

雨「存在が痛いじゃない」

悠「うるせぇアシダカ軍曹!」

雨「お前の家に無数の軍曹を送り込んでやろうか!!」

摩耶「軍曹テロ」

千世子「スラオシャのライバルは悪魔「アエーシュマ」なのだ。彼はゾロアスター教の七大悪魔に次ぐ存在であり、悪神アンリ・マンユ直属の悪魔軍団長として中級、下級の悪魔を統括する巨大な悪魔なのだ。その性格は残忍にして狡猾であり、まさに悪の権化と呼ぶにふさわしいのだ。」

悠「バルサンまだあったかな」

神姫「平然と対処しようとしてるわよ」

摩耶「蛞蝓テロだった超効果的だと思うけど、やったら家に火をつけそうだね」

悠「そんなことをされたら……生きてることを後悔させるしかないじゃないか」
ベキッパキッ

亘理『悠ちゃん!シャーペン握りつぶしてるよ!』

千世子「アエーシュマは毎晩地上に現れて、世界に怒りや暴力を振り撒く。もしもふりまかれた悪徳を放置すると、最悪の場合は国家同士の戦争にまで広がってしまうのだ。スラオシャは悪の広がりを止めるために、毎晩のようにアエーシュマと激しい戦いを広げるのだ。」

摩耶「一応いっておくけどやめた方がいいと思うよ蛞蝓テロ」

神姫「性的虐待用の玩具にされるかもね。」

雨「やめてっ!」

亘理『せ、せーてきぎゃくたい……///』

悠「いや、しませんよ?」

千世子「戦士としての手に入れたのとほぼ同じころ、スラオシャはそのほかにも新しい役割を与えられているのだ。そのやくわりとは、死んだ人間の魂を守ることと、その魂が天国へいけるか地獄に落ちるかを裁くことなのだ。」

亘理『ホントに?悠ちゃんの発言からしたら結構怪しいんだけど』

悠「おれはノーマルだって。」

摩耶「お気に入りのジャンルを三つ」

悠「ふたなり、アヘ顔、子宮姦」

亘理『ドン引きだよっ!!』

千世子「ゾロアスター教では人間は死ぬと魂になり3日のあいだ自分の遺体の周りにとどまるというのだ。このあいだ魂は非常に無防備な状態で、魂を地獄に引きずり込むために、ここぞとばかりに悪魔が襲ってくるのだ。スラオシャは、襲ってくる悪魔から魂を護衛するのだ。」

神姫「変態が」

悠「現実では無理な物を二次元にもとめて何が悪いっ!」

摩耶「さすが悠君!引かないし、我を通す!」

雨「さすがって要素がひとつとない」

亘理『この助平!』

悠「Exactly(その通りでございます)」

千世子「人間が死んでから4日目になると、スラオシャは死者の魂を「チンワト橋」と呼ばれる橋まで導くのだ。そこで魂は、スラオシャと、裁きの天使ミスラ、公平の天使ラシュヌ3体の天使から、天国と地獄のどちらへ行くかの裁判を受けるのだ。裁判の時、スラオシャは鞭を持った姿で描かれることもあるのだ。これは、罪人の尻を鞭打ちする刑を執行するためのものなのだ。」

悠「まぁ……イイじゃないか個人の趣味と性癖は」

神姫「そう思うのなら口出さない努力なり、ぼかすなりしなさいよ」

悠「いやー、ほら、おれって根が正直じゃん」

神姫「……」

パァン!
悠「ぷぎぃっ!」

摩耶「無言で殴るほどだったようです」

雨「当然だと思うわ」

千世子「ゾロアスター教の信者たちは、スラオシャに死者の魂を守ってもらうために、葬式が始まる前、その人が生きているあいだからスラオシャを祭って準備するのだ。信者の死亡が確認されると、遺族たちはスラオシャを讃える詩を唱えるのだ。そうやって、死者が天国へいけるようにスラオシャに祈りを捧げるのだ。この詩は葬式が行われている間、何度も唱えるのだ。以上、スラオシャのじゅぎょーだったのだ。」
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