ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「もう、炬燵とか出しても許されるよね……」

摩耶「体感性が壊れてきたお年寄りみたいだね」

悠「不思議なことにおれの知ってる年寄りはそこらのナマっちろいガキより元気なんだが……」

神姫「それは単にまわりの人間が不健康なだけじゃない?」

悠「神姫様のお父様もそのひとりだとわかっていらっしゃいますか?」

神姫「元気じゃない方が逆に気味悪いわ」

悠「……そりゃ確かに」

【ウォフ・マナフ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだるウォフ・マナフは、ゾロアスター教の天使達のリーダー的存在である大天使集団「聖なる不死者(アムシャ・スプンタ)」のひとりなのだ。ウォフ・マナフの名前は「善意」を意味し、人間に善業を教える天使なのだ。」

摩耶「いいじゃない、僕なんて年中病気=死と紙一重だよ。あはは」

亘理『わ、笑えない』

悠「あひゃひゃひゃ」

神姫「そして空気を完全にブチ壊す」

悠「とりあえず、困ったときは笑って誤魔化せと習った」

千世子「ウォフ・マナフは善業や善い知識を広めることによって、信者たちを天国へと導くのだ。ゾロアスター教では、死者の魂は天使によって天秤にかけられるのだが、このとき生前行った悪行よりも善業のほうが多ければ、魂は天国へいけるのだ。」

摩耶「まぁ、不健康って怖いよね。」

雨「そのわりには随分健康そうだけどね。」

摩耶「死ぬほどマズイ青汁飲んでるからね!あと漢方!」

雨「なんかすまん」

悠「駒狸さん印のスペシャルジュースは効くぞ。ただし、著しく精神を害す危険もあるが」

亘理『なにそれ怖い』

千世子「人間を天国に導くだけでなく、人間の行いを記録し、その人間が天国に行けるか見定めるのもウォフ・マナフの役目なのだ。彼は一日三回、人間の考えや行動を記録し、死者の魂が天国に行けるかどうかを判断するのだ。」

摩耶「週一で貰ってるよ」

悠「今明かされる衝撃の事実」

摩耶「凄いよねあれ、色んな色の飲み物はあるけど最初は青色で衝撃が加わるとピンク色になる飲み物なんて初めてだったよ」

雨「それは人間が口にしちゃダメな液体でしょどう考えても」

悠「大丈夫だ。問題ない」

千世子「ウォフ・マナフは、家畜を守護する天使ともされるのだ。そのため、家畜を大切に扱う信者を見ると、ウォフ・マナフは非情に喜ぶのだ。」

摩耶「うん、げんに僕、死んでないしね。」

亘理『それが原因で寿命減ってない?』

摩耶「SAN値は減っても寿命は減ってないはず」

神姫「無くなったら発狂するわね。」

千世子「ウォフ・マナフは地上に降りる時、人間の九倍もの身長をしていて、きらめく鎧をまとい、青いマントをなびかせた騎兵の姿をしているのだ。ウォフ・マナフは、ゾロアスター教の開祖である「ゾロアスター」のまえに現れた天使の中で、彼ともっとも直接的に関わった天使なのだ。」

悠「おれのSAN値もビクンビクン減ってるけど中々発狂しないから問題ないよ」

神姫「もともと狂ってるからじゃない?」

悠「あっはっはっははははっ!!」

摩耶「うん。狂ってる系だね。」

亘理『何回ダイスロールしたら治る?』

神姫「無理でしょ」

千世子「まず、ウォフ・マナフは、ゾロアスターの両親のまえに現れ、身ごもった子供が神の加護を受けた子供であることを告げたのだ。ゾロアスターが誕生すると、悪魔たちは彼に牛をけしかけて殺そうとするが、動物の守護天使であるウォフ・マナフの力で、牛はゾロアスターを攻撃することなく素通りしたのだ。」

悠「全員で狂人扱いするってどうなの?」

雨「狂人じゃん」

悠「……蜘蛛はコーヒーで酔っぱらうんだよな。ついでに腹で呼吸もしてる……ぶっぶっ」

雨「そういうところが狂人だってーのよ!」

千世子「その後30歳になったゾロアスターのまえに、ウォフ・マナフは直接現れているのだ。ゾロアスターが、のちにゾロアスター教で重要視される思想「正義」と「天則」ヲ
探していると知ったウォフ・マナフは、彼を最高神アフラ・マズダの元に連れていったのだ。アフラ・マズダとあったゾロアスターは正義と天則を得て、ゾロアスター教の布教を始めることになる。その後もウォフ・マナフは布教活動を続けるゾロアスターの前に現れ、何度も彼の活動をてだすけしているのだ。以上、ウォフ・マナフのじゅぎょーだったのだ。」
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