ー奇談ー學校へ行こう8

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた

悠「ふあぁぁ……んむ。」

摩耶「大きく口あけてあくびしているとねじ込まれるよ」

悠「誰に何を」

摩耶「あははは」

悠「そこいってくれない系?!」

【サマエル】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。天使サマエルはキリスト教の異端である「グノーシス主義」の神話に登場するのだ。その名前は「目の見えない神」を意味するのだ。」

アリス『大きくて硬くモノをねじ込まれ中のね。』

悠「フランスパンかなんかだな」

神姫「五寸釘とかじゃない?」

悠「殺る気だ?!」

亘理『どういうこと?!』

千世子「ユダヤ、キリスト教両方の聖書に納められた「創世記」には、蛇にそそのかされたアダムとエヴァが智恵の実を食べ、楽園を追放される有名なエピソードがあるのだ。一般的にはこのとき登場する蛇は悪魔ルシファーだとされているのだ。しかしグノーシス主義の一部では、この蛇は知恵を与えた善の天使「サマエル」だとされているのだ。グノーシス主義は、知識こそが至高のものという考え方なので、千枝の実を食べさせた蛇は善の存在なのだ。」

摩耶「釘は口にねじ込まれたくないね。」

悠「そらまぁなぁ…」

亘理『そもそも口にねじ込むって…どうしてそうなったの?』

悠「いや、摩耶が……」

摩耶「悠君が大あくびしてたからついね」

悠「どういうついだ…」

千世子「その一方でサマエルは悪の天使と見られることもあるのだ。サマエルは目の見えない天使だが、盲目とは「無知」の象徴なのだ。グノーシス主義の教義では、無知でいることはすなわち「悪」であるため、サマエルは悪魔とみなされるのだ。」

悠「でも、猫とかがあくびしている口に指とかはいれたくなるよな」

神姫「ならない」

悠「ひとの口の中に指つっこんでぐちゅくちゅってしたくなるよな」

神姫「ならない」

悠「ちなみに頼んだらやらせてくれたりは……」

神姫「指食いちぎってほしいの?」

千世子「グノーシス主義で全知の存在とされている天使ソフィアは、息子でありキリスト教グノーシス主義で重要な神であるデミウルゴスの無知に怒って「サマエル」と呼んでいるのだ。このことからサマエルとデミウルゴスを同一視する意見もあるのだ。」

亘理『悠ちゃんのスケベ!』

ゲシッ!
悠「蹴り?!」

アリス『キモチイイ?ねぇ、キモチイイ?』

神姫「歪んでるわね。」

悠「こらこら、いきなり人を歪んでる扱いしない」

千世子「サマエルは正当なユダヤ、キリスト教の物語にも登場するのだ。サマエルは芸術を好み、熾天使という高い地位に居る天使だったが、のちに堕天して悪魔となったのだ。」

摩耶「リアルに歪められたいと?」

悠「どんだけ歪んだ性癖持ちだよ」、おれは

神姫「他人の口の中に指突っ込みたいっていう願望が歪んでないと?」

悠「まだ、健全だろ!」

亘理『健全なの?!』

千世子「堕天使サマエルは「神の毒」「神の悪」という意味を持っているのだ。死の天使として軍隊を率いるほか、悪魔たちのトップである「サタン」と同じ存在だと見られることも多いのだ。旧約聖書の偽典であり、予言者バルクに下された秘密の予言書について書いた「バルク黙示録」には、グノーシス主義と同じく、サマエルが蛇に変身してアダムとエヴァを誘惑するエピソードがあるのだ。この時のサマエルは天使ではなく悪魔として扱われるのだ。」

悠「そりゃまぁ……口の中をくちゅくちゅってしたいだけでし健全健全」

摩耶「あは、無茶苦茶だね」

悠「右手と左手、なんと同時に二人もくちゅくちゅできるし逆にひとりに左右同時という……」

神姫「無寸龍剄」

ぴっ…ドゴンッ!
悠「ぶべぁっ!」

千世子「サマエルは天使の名前としても、悪魔の名前としても使われる奇妙な存在なのだ。そのため「サマエル」は、特定の天使をあらわす固有名ではなく「力がありながら、傲慢して神に逆らう存在」を指す一般名詞ではないか?とする意見もあるのだ。以上、サマエルのじゅぎょーだったのだ」
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