ー奇談ー學校へ行こう8
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「蒸してるなぁ」
摩耶「だね。」
亘理『サンサンからからに暑いのも辛いけどこれはこれで体力奪うよね』
神姫「食品の痛みがホントに気になるわ」
悠「刺身なら一時間と持たないだろうな」
神姫「刺身を放置するのが間違ってる」
【ソフィア&デミウルゴス】
千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。キリスト教の世界では、この宇宙はすべて唯一神ヤハウェが作ったことになっているのだ。だが、キリスト教の亜流でありながら、神がこの世界を作ったことを拒否する宗教があるのだ。それが「グノーシス主義」なのだ。」
悠「しかし、痛むと言えば調味液なんかも味が変わるんだよな。」
摩耶「あー、あるね。」
悠「このまえポン酢つかったらなんかえらい味になってたわ」
亘理『なにそれ怖い』
悠「意地で食いきったけど」
神姫「意地の張り方がずれてるわよ」
千世子「今回じゅぎょーするソフィアとデミウルゴスは、グノーシス主義にとってもっとも重要な天使のひとりなのだ。なぜならグノーシス主義において、我々の住む物質宇宙をつくったのは、彼ら二人なのだ。」
摩耶「痛むと言ったら野菜もだよね。この前ミニトマトおきっぱなしにしてたらズブズブに溶けてたよ」
悠「トマトは傷がついたらそっからカビるしな……おのれバイキンマン!」
神姫「バイキンがっ」
悠「あれ、何かおれの方見てなかった今?」
神姫「みてた」
悠「誤魔化しもしねぇし!」
千世子「ソフィアとデミウルゴスについて説明する前に、まず「グノーシス主義」という宗教について説明するのだ。」
亘理『夏に食中毒が多いのが分かるね。』
悠「まぁ、多少痛んでても強靭にな胃袋があればなんとかなるさ」
雨「なんとかなり方が間違ってる」
悠「もったいない精神さ!」
神姫「もったいないと思うんだったらそうなる前に処理しなさいよ」
悠「ごもっともです。はい」
千世子「グノーシスとは「認識」「知識」を意味するギリシャ語で、1世紀ごろに生まれた宗教思想なのだ。グノーシス主義という思想携帯は世界中に同時多発的に生まれたので、世界中に亜種が存在するのだ。その中で有名なのが、キリスト教をグノーシス主義的考え方で再構築した「キリスト教グノーシス派」なのだ。」
亘理『でも、冷たいものとかは美味しいよね』
悠「ハーゲンダッツファミリーパックが一瞬で消えるけどな」
摩耶「ファミリーだけにひと家族一個の消費」
亘理『消費できないよ?!』
悠「ゆえなんてアレをしゃもじで食べてるぞ」
亘理『なぜにしゃもじ…』
千世子「グノーシス謝儀のもっとも根本的な教義は、われわれ人間が暮らしている物質宇宙は悪の宇宙であり、真の宇宙、善なる宇宙は別の場所に存在するという考え方なのだ。多くの宗教が教えている「善なる神が善なる宇宙を作った」という考え方は間違いであり、むしろ悪がこの世界を作ったのだ。」
悠「おれは今年はスイカ三昧してるけどな。多分もう7、8玉は食った」
亘理『……小玉で?』
悠「大玉で」
摩耶「身体切ったらスイカ汁がでてきそうだね。」
神姫「……ふむ」
悠「はい、そこカッターナイフ出さない!切っても血しか出ないから!」
千世子「グノーシス主義にとって物質は悪であり、霊的存在こそが善である。グノーシス主義の信者は物質宇宙というという牢獄から抜け出すために、グノーシス……つまり「知恵」を獲得し、物質とのつながりを断ち続けることを目指しているのだ、」
雨「極端に消費し過ぎでしょ」
悠「去年は素麺しか口にしなかった想い出があるから新しいことに挑戦してるのに」
雨「挑戦の矛先がおかしいっていってるの!」
摩耶「でも、分かるかも。僕も冷やし中華とかで済ませてるし」
神姫「何だかんだで食欲は落ちるのよね」
千世子「さて、キリスト教グノーシス派の場合、その主義は次のようになるのだ。キリスト教徒はこの宇宙を作ったのは唯一神ヤハウェだというが、それは間違いなのだ、実はこの宇宙を作ったのは、自分が唯一神だと勘違いしている悪の天使「デミウルゴス」なのだ。本当の神はデミウルゴスの作った世界の外側に存在し「アイオーン」という善の天使を従えているのだ。そしてデミウルゴスも自分に従う悪の天使を持っており、彼らは「アルコーン」と呼ばれるのだ。」
悠「っか、台所に立ちたくないんだよな暑くて」
神姫「それなのに駒狸さんに天ぷらをあげさせるのね。ふーん」
摩耶「夏場の揚げものとか地獄だね」
亘理『うわー……』
雨「絶対にやりたくないわ」
悠「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
千世子「キリスト教やユダヤ教で信じられている天使たちは、グノーシス主義にとっては「アルコーン」、すなわち悪の天使なのだ。ミカエルやガブリエルは一見善の天使だが、じつは人間をだまして物質界に閉じ込め、人間がグノーシスを手に入れないよう監視しているのだとグノーシス主義は考えているのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「蒸してるなぁ」
摩耶「だね。」
亘理『サンサンからからに暑いのも辛いけどこれはこれで体力奪うよね』
神姫「食品の痛みがホントに気になるわ」
悠「刺身なら一時間と持たないだろうな」
神姫「刺身を放置するのが間違ってる」
【ソフィア&デミウルゴス】
千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。キリスト教の世界では、この宇宙はすべて唯一神ヤハウェが作ったことになっているのだ。だが、キリスト教の亜流でありながら、神がこの世界を作ったことを拒否する宗教があるのだ。それが「グノーシス主義」なのだ。」
悠「しかし、痛むと言えば調味液なんかも味が変わるんだよな。」
摩耶「あー、あるね。」
悠「このまえポン酢つかったらなんかえらい味になってたわ」
亘理『なにそれ怖い』
悠「意地で食いきったけど」
神姫「意地の張り方がずれてるわよ」
千世子「今回じゅぎょーするソフィアとデミウルゴスは、グノーシス主義にとってもっとも重要な天使のひとりなのだ。なぜならグノーシス主義において、我々の住む物質宇宙をつくったのは、彼ら二人なのだ。」
摩耶「痛むと言ったら野菜もだよね。この前ミニトマトおきっぱなしにしてたらズブズブに溶けてたよ」
悠「トマトは傷がついたらそっからカビるしな……おのれバイキンマン!」
神姫「バイキンがっ」
悠「あれ、何かおれの方見てなかった今?」
神姫「みてた」
悠「誤魔化しもしねぇし!」
千世子「ソフィアとデミウルゴスについて説明する前に、まず「グノーシス主義」という宗教について説明するのだ。」
亘理『夏に食中毒が多いのが分かるね。』
悠「まぁ、多少痛んでても強靭にな胃袋があればなんとかなるさ」
雨「なんとかなり方が間違ってる」
悠「もったいない精神さ!」
神姫「もったいないと思うんだったらそうなる前に処理しなさいよ」
悠「ごもっともです。はい」
千世子「グノーシスとは「認識」「知識」を意味するギリシャ語で、1世紀ごろに生まれた宗教思想なのだ。グノーシス主義という思想携帯は世界中に同時多発的に生まれたので、世界中に亜種が存在するのだ。その中で有名なのが、キリスト教をグノーシス主義的考え方で再構築した「キリスト教グノーシス派」なのだ。」
亘理『でも、冷たいものとかは美味しいよね』
悠「ハーゲンダッツファミリーパックが一瞬で消えるけどな」
摩耶「ファミリーだけにひと家族一個の消費」
亘理『消費できないよ?!』
悠「ゆえなんてアレをしゃもじで食べてるぞ」
亘理『なぜにしゃもじ…』
千世子「グノーシス謝儀のもっとも根本的な教義は、われわれ人間が暮らしている物質宇宙は悪の宇宙であり、真の宇宙、善なる宇宙は別の場所に存在するという考え方なのだ。多くの宗教が教えている「善なる神が善なる宇宙を作った」という考え方は間違いであり、むしろ悪がこの世界を作ったのだ。」
悠「おれは今年はスイカ三昧してるけどな。多分もう7、8玉は食った」
亘理『……小玉で?』
悠「大玉で」
摩耶「身体切ったらスイカ汁がでてきそうだね。」
神姫「……ふむ」
悠「はい、そこカッターナイフ出さない!切っても血しか出ないから!」
千世子「グノーシス主義にとって物質は悪であり、霊的存在こそが善である。グノーシス主義の信者は物質宇宙というという牢獄から抜け出すために、グノーシス……つまり「知恵」を獲得し、物質とのつながりを断ち続けることを目指しているのだ、」
雨「極端に消費し過ぎでしょ」
悠「去年は素麺しか口にしなかった想い出があるから新しいことに挑戦してるのに」
雨「挑戦の矛先がおかしいっていってるの!」
摩耶「でも、分かるかも。僕も冷やし中華とかで済ませてるし」
神姫「何だかんだで食欲は落ちるのよね」
千世子「さて、キリスト教グノーシス派の場合、その主義は次のようになるのだ。キリスト教徒はこの宇宙を作ったのは唯一神ヤハウェだというが、それは間違いなのだ、実はこの宇宙を作ったのは、自分が唯一神だと勘違いしている悪の天使「デミウルゴス」なのだ。本当の神はデミウルゴスの作った世界の外側に存在し「アイオーン」という善の天使を従えているのだ。そしてデミウルゴスも自分に従う悪の天使を持っており、彼らは「アルコーン」と呼ばれるのだ。」
悠「っか、台所に立ちたくないんだよな暑くて」
神姫「それなのに駒狸さんに天ぷらをあげさせるのね。ふーん」
摩耶「夏場の揚げものとか地獄だね」
亘理『うわー……』
雨「絶対にやりたくないわ」
悠「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
千世子「キリスト教やユダヤ教で信じられている天使たちは、グノーシス主義にとっては「アルコーン」、すなわち悪の天使なのだ。ミカエルやガブリエルは一見善の天使だが、じつは人間をだまして物質界に閉じ込め、人間がグノーシスを手に入れないよう監視しているのだとグノーシス主義は考えているのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」