ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ミハイルの話を聞いてたら眠くなって大変だわ。ふあぁぁ……むっ。」

摩耶「ぴよこちゃんのじゅぎょーは?」

悠「寝たら泣くから寝ない」

アリス『直接手を下して泣かしたいのよね。』

悠「おれをなんだと思ってる」

アリス『ふふっ、ふふふっ』

神姫「悪趣味ね」

悠「だからしないっての!」

【スリア】

千世子「じゅぎょーしますなのだ。スリアはユダヤ教の天使なのだ。彼の役目は、食事のときに信者が唱える祈りを、神の元へ届けることなのだ。」

悠「祈りか……しねーなぁ」

雨「いただきますくらいはいうでしょ?」

悠「……うん」

雨「コイツ…」

神姫「祈りはやり過ぎでも礼儀とマナーは大事よ」

亘理『ま、まなー?』

千世子「ユダヤ教では、食事は神から与えられたものとしているのだ。そのため信者は食前と食後に神への感謝の祈りを捧げるのだ。スリアは信者の祈りを感じると、その祈りを神の元へと持っていくのだるスリアが持ってきた祈りをみた神は、祈りをささげた信者の食卓を祝福し、食事を神聖なものへと変えるのだ。」

悠「神聖なものへと変えられるより、キノコととナスビと貝類を消滅させて欲しい」

摩耶「祈ったら娼婦風パスタも神聖なものに代わるのかな」

悠「聖女風パスタになるんじゃね?」

神姫「張り付けで火あぶりになりそうなパスタね。」

悠「ジャンヌゥ!!」

千世子「スリアは、天使の階級の中で二番目に位の高い座天使(スローンズ)なのだ。学者によってはスリアは神の前に出ることを許されたもっとも位の高い「御前の七天使」のひとりとしているのだ。また、スリアには天界にある宮殿の番人をする役目もあるのだ。」

アリス『聖女ってモンスターに犯されるんでしょ?』

悠「めっちゃ偏ってるぞソレ。まぁでも、触手は多いかな。女騎士はオーク」

神姫「……」

ゴスッ!
悠「ぶげらっ!」

神姫「下品だわ」

亘理『……今のなに?』

摩耶「多分肘かな」

雨「膝かもしれないわよ」

千世子「イスラム教の信者が豚肉を食べないように、宗教によっては食事に関する決まり事や制限があるのだ。ユダヤ教の食事に関する規定は「カシュルート」と呼ばれ、数ある宗教の中でも、特に厳しいのだ。」

アリス『なみにR15とR18の違いは上半身まで見えてるのがR15、全身が見えるのがR18よ』

亘理『へー、そうなんだ』

摩耶「モザイクが必須なら18かと思ってた」

神姫「なに情報なのかしら」

悠「ごほげほ……」

千世子「ユダヤ教では、信者が食べて良い物を「コーシェル」と呼ぶのだ。このコーシェルは、旧約聖書の記述にしたがって決められているのだ。一般的なコーシェルは以下のような物なのだ」

・蹄があり、反芻する動物の肉(豚は×)
・鶏肉(ただし動物の肉を食べる、ハゲワシのような猛禽類は×)
・鰭と鱗のある魚介類(タコやエビ、うなぎや貝類などは×)
・野菜と果実全般

悠「ミノタウルスとかは食べれるのかな」

神姫「それ……食べたい?」

悠「……食べたくないな」

摩耶「鰐はセーフなのかな」

亘理『動物の肉を食べてるから駄目じゃないかな。てゆーか、鰐って……』

摩耶「僕ステーキで五万円くらいするお店知ってるんだよね。」

千世子「この他にも「血」を食べてはいけない(レアステーキは×)、乳製品と肉類を一回の食事で一緒にとってはいけない、レストランや異教徒の家で出される食事はコーシェルではないなど、食物の制限はまだあるのだ。」

悠「鰐の肉はわりと美味いぞ」

神姫「私は口に合わなかったわ。調理法が悪かっただけかもしれないけど」

亘理『どういう経緯で鰐肉食べるの?!』

悠「んー、野生的な味を楽しみたくて?」

神姫「父親とその友人が狩って来て」

摩耶「龍が鰐を喰らう」

悠「なんだろう、今イビルジョーが浮かんだわ」

千世子「このように非常に厳しい決まりのあるユダヤ教の食事だが、現在では厳格に規定を守っているのは一部のみなのだ。多くの宗派では、外食を例外としたり、魚介類はすべて食べて良いとしていたりと、全体的に規制は緩んで来ているのだ。以上、スリアのじゅぎょーだったのだ。」
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