ー奇談ー學校へ行こう

ー教室ー

摩耶「うんしょ……ふぅ、こんばんわぁ」

教卓(ミカン箱)の前にちょこんと体育座りしていた、千世子はパアッと明るい笑顔で立ち上がった。

千世子「あんちん、摩耶、いらっしゃい!」

摩耶「残念、まだ僕だけなんだ。悠くん、少し遅れるって」

千世子「そかー。けど、摩耶が来てくれるのも嬉しいぞ。今日も荷物一杯だな。」

千世子は摩耶本人よりも大きな荷物を見上げた。

摩耶「これは…悠くんが来たら悠くんに聞いてね。」

千世子「あんちんにか?」

摩耶「うん。僕が話してもいいけど…発案は悠君だし。」

千世子「……わかった!あんちんに聞く。」

摩耶「チョコちゃんは悠君のこと好きだね~。」

千世子「あんちんは優しいし好きだぞ!」

摩耶「あはは…だってさ、悠君」

そういうと、木製のドアがゆっくりとスライドして、悠が入ってきた。

悠「摩耶、絶妙に俺の気配と位置を察知しながら、話のタイミングとを合わせるな。」

千世子「あんちん!きたかー!」

千世子は勢いよく飛び付こうとしたが、悠の前で踏み止まった。

悠「……どうした?」

千世子「あんちん、急に飛び付いたらダメっていってた。だから止まったのだ。」

悠「はは、ぴよこは偉いな。ちゃんと覚えてて。いいこ、いいこしてやろう」

ナデナデ…
ナデナデ…

千世子「あふーん♪あんちんのなでなで気持ちいいのだ~」

摩耶「うーん…胸の辺りがチクチクするのと、なんかどす黒いのが渦巻くなぁ」

悠「さてと、摩耶、買ってきてくれたんだな。」

摩耶「もちろん、ここまで運ぶの苦労したよ。」

悠「助かったよ。ありがと」

摩耶「いいこ、いいこしていいよ」

悠「よし。」

ナデナデ…
ナデナデ…

千世子「ところで、あんちん。この木材はなんなのだ?」

悠「あぁ…まぁ、ちょっと待ってろ。よいしょ、摩耶これ頼む。」

摩耶「はいはい。」

ブルーシートを広げて悠はリュックから釘やトンカチを出した。

それから、一時間ぐらいして小さな教卓が完成した。

悠「ま、こんなもんか。」

摩耶「いやぁ、悠くん。普通に良い出来と思うよ。」

千世子「あんちん、もしかしてこれ。」

悠「あぁ、約束の教卓だ。さすがに買うことは無理だったから手作りになって不格好なのは許してくれな」

千世子「ぜんぜん、ぜんぜん、あんちんスゴい!ちょー大好きになった!」

悠「はは、そらどうも」

摩耶「悠くん、ロリになったらすぐに恋人できるんじゃない?」

悠「摩耶、その冗談は笑えないぜ。」

摩耶「あはは。ごめん、ごめん。」

千世子「ああぁ!?」

悠「っ…どした?」

千世子「今日授業してない…」

悠「また、明日だな。」

摩耶「だね。今日は少し疲れちゃったし」

千世子「じゃあ、もう少しお話ししよう!」

悠「そだな。」
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