ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「台風の前ってうきうきしちゃうよな」

摩耶「でも、休みでもなく平日のド頭に来ても……だるいだけじゃない?」

悠「休みじゃなくても休みになるかもしれないだろ?」

亘理『悠ちゃんは変なところで前向き(?)だよね』

アリス『性欲が滾ってるのね』

悠「滾ってません……いいきりはできないかな」

神姫「ドライアイスで冷やせばいいんじゃない?」

悠「どこを?!」

【ハドラニエル&ナサギエル&ザグザゲル】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。日本では、映画「十戒」の海が真っ二つに割れるシーンで有名な「モーセ」は、古代ユダヤ人の預言者なのだ。ユダヤ人の伝承によれば、彼は聖書を手に入れるため天国へ行き、以下3人をはじめとするさまざまな天使と関わりを持っているのだ。」

雨「けど、嵐が来るってことは梅雨も明けるわね」

悠「夏の始まり考えただけで…」

アリス『ムラムラする』

悠「しません!……少ししか」

神姫「言い切れないのね。」

悠「うはっ、超ジト目」

千世子「ハドラニエル、ユダヤ教の天国は七つの世界に分けられるが、その2番目の天国の門を守るのが巨体と大声を持つ天使ハドラニエルなのだ。」

摩耶「けど、この台風はけっこうコースがえげつないよね。沖縄から本州へと完全に直撃ルート」

悠「ゴジラだったら日本壊滅コースだよな」

亘理『どういう例え?』

悠「ゴジラが端から端へと攻めてく例え」

摩耶「僕はメカゴジラが好きだよ」

千世子「ナサギエル、獅子の頭を持ち、高潔な性格の天使。地獄の管理者であり、モーセに地獄の様子を見せたのだ。その際、モーセに怪我をしないように、地獄の炎を遠くに移動させているのだ。」

神姫「やっぱりキングギドラでしょ」

悠「ドラゴン系により近づくから……か?」

亘理『モスラって蛾だよね。』

悠「蝶っていってやれ。蝶って」

亘理『ちなみに悠ちゃんはゴジラ好きなの?』

悠「んー……レッドキングが好きかな」

「「「それはウルトラ怪獣」」」

千世子「ザグザケル、名前の意味は「神の光輝」。70種類の言語を自在に操り、モーセに様々な知識を授けたのだ。その後モーセが死ぬと、ミカエルやガブリエルと協力してモーセの魂を天国まで送り届けているのだ。」

悠「総ツッコミされたよ……」

亘理『私分かんなかった…』

アリス『スペシウム光線を受けて岩石を又もや足に落とし、ウルトラマンに首筋を掴まれチョップを一閃された後にネックハンギングツリーを決められる。そのままウルトラスイングで振り回されて岩に叩きつけられ弱った所にウルトラマンの首投げを食らい、全身を震わせて絶命するのよ。ふふっ』

悠「詳しいな…」

亘理『ウルトラマンって……怖』

千世子「モーセは、50近くの文書をまとめた「旧約聖書」のうち複数の文書に登場する重要人物なのだ。彼はエジプトの奴隷だったユダヤ人を解放し、神との契約「十戒」を記した石板を持ち帰った人物として記されたいるのだ。後世の研究により、モーセは紀元前16~12世紀ごろに実在した人物だったことがほぼ確定しているのだ。」

悠「昔のウルトラマンとかはわりと容赦ないからな」

摩耶「セブンに至ってはアイスラッガーで怪獣の首チョンパだしね」

神姫「斬首で敵を屠るヒーロー……今だと確実にZ指定ね。」

悠「でも、魔法少女だって頭齧られるし」

摩耶「あ、悠君と同じだね♪」

千世子「9世紀に書かれたユダヤ教神学者の文書によれば、モーセは「旧約聖書」のうち5つの書を天国から持ち帰ったということになっているのだ。彼が天使たちと対決したり、天国や地獄の様子を見て回ったのもこのときなのだ。モーセが持ち帰った5書はユダヤ教徒に「律法(トーラー)」と呼ばれ、もっとも重要視されているのだ。」

悠「お、おれ……マミられてたのか……」

亘理『く、食いちぎったりしないもん!』

アリス『脳髄を啜るのよね。』

悠「バタリアン?!」

神姫「タールマンが印象的よね。」

摩耶「神姫さん、ホラーもイケる口なんだね。」

神姫「まぁね。」

千世子「なお、モーセは死後に天にのぼったことで、エノクやエリヤと同じく天使になったはずだが、メタトロンとサンダルフォンに変わった彼ら二人と違って、モーセの天使名は明らかにされていないのだ。以上、ハドラニエル&ナサギエル&ザグザゲルのじゅぎょーだったのだ。」
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