ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ちぇき……って、なんだ……めっちゃ冷えてる?」

千世子「あ、あんちん。いらっしゃいなのだ」

悠「おうよ。どうしたんだこの教室冷房でも付けたのか?すこぶる冷えてるじゃないか」

メフィスト「ンッフフフ。」

悠「また、余計なものを持ちこんだのかメフィのおっさん」

メフィスト「Oh……余計なものとは心外デース。ワタクシは皆さんに快適に過ごしてもらおうと……」

悠「なに持ってきたんだ」

摩耶「アレだよ」

【氷塊】

悠「氷の塊り?」

メフィスト「永久氷晶と呼ばれる結晶デース」

悠「おいおい、雪だるまを仲間にできるようになるじゃないか」

摩耶「氷の剣より貴重なんだよね確か」

メフィスト「フフフ、これは当然replicaデスが、教室程度の広さならこのとおり冷やせられるのデ便利デしょう?」

悠「まぁ確かに……危なくはないのか?」

メフィスト「素手で触れると凍傷を起こして皮膚ごと破れる程度です」

悠「液体窒素レベルじゃないか!」

メフィスト「素手で触らなければいいんデスよ。」

悠「それにしたって囲いとかくらい付けとけよ。小さい子もいるんだから触ったら大変だろ。」

千世子「小さい子って誰のことなのだ!」

悠「お前と雨だ」

雨「誰が小さい子だ!ぶっ飛ばすわよ!」

悠「飴あげるから落ち着けよ」

雨「いらない!」

悠「……雨だけに水あめのがよかったのかな?」

摩耶「雨と飴はまるっきり別物だけどね。」

メフィスト「なにはともあれ、この永久氷晶はこらに置いておくのデ、小鳥遊さんしっかりと管理してくださいねデス」

悠「おれがかよ……」

摩耶「悠君だったらちょっとくらい皮膚が破れても平気だろうしね。」

悠「平気じゃないし、おれが寒いのも平気じゃないの知ってるだろ」

摩耶「今はちょうどいいから平気でしょ」

悠「まぁ、確かにムシムシしてるよりは涼しい方がいいな」

千世子「それにこれ綺麗なのだ」

悠「結晶ってことはある意味、宝石でもあるしな」

摩耶「装備してみる?」

悠「それはいいや。」

神姫「装備したら、リアルに固定装備になりそうね。接がれないって意味で」

悠「呪われている?!」

千世子「皮膚ははがれそうなのだ。」

悠「怖いし痛いから……」

亘理『あっっつーい……あ、なにここ涼しい!』

悠「よう。これのおかげだ」

亘理『ん?わ、なにこの綺麗なの』
そぉー

悠「って、触ろうとするなッ!」
ガシッ!

亘理『わっ……悠ちゃんてば大胆///』

悠「それはこっちのセリフだ!」

亘理『やっぱり囲い的なものが居るのだ』

摩耶「だねぇ」
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