ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「春の夜風は気持ちいいなー」

摩耶「肌寒くない?」

悠「そうか?おれはこの官能的な風が好きだけどな」

Q子『官能的なというワードを聞いてQ子参上!カラーは黒!アダルティ!!』
ズボォッ!

亘理『なんでわたしの足元から現れるんですか///!!』

神姫「淫霊だからじゃない?」

雨「冷静ね……」

千世子「じゅぎょーしまーすなのだ。ユダヤの伝承のひとつではサンダルフォンは、天にのぼる信者の魂を案内するため、天国の交差点に立っていると、されているのだ。」

摩耶「淫霊ってああいうのが淫霊なのかな」

悠「あいつ基準で考えない方がいいと思う」

亘理『淡々と話してないで怒ってよ!』

悠「おれが怒っても仕方ないだろ。頭ひっつかんで下にたたき落としてやれ」

Q子『すり抜けるからダメージはないわよ?』

悠「幽霊は物理無効か……。」

千世子「このほかにもサンダルフォンには、天界の合唱隊の指揮や、鳥の監視役、天界にのぼる魂の案内人といった役割も持っているのだ。」

摩耶「ここは塩とかじゃない?」

悠「ふむ、効果あるか?」

Q子「塩味は好きよ。」

亘理『好みの問題じゃなくて!』

悠「おれは甘辛いのがいいかな」

亘理『甘辛いのか……ふむふむ』

神姫「男って甘辛い味付けにしとけばそれで喜ぶわよね。」

悠「はっはっは、それに関してはおれはわりと反論できないな」

千世子「「カバラ」と呼ばれるユダヤ教の神学のひとつでは、サンダルフォンは妊娠に深く関わる天使だとされているのだ。サンダルフォンは胎児の性別を決め、守護する。子供に恵まれない夫婦や妊娠した女性は、サンダルフォンに祈りをささげるのだというのだ。」

摩耶「僕はけっこう辛口が好きかな。トウガラシ的な意味での」

悠「辛いのなぁ。おれはワサビとかダメだからな」

亘理『甘辛いのが好きでワサビが駄目……」

神姫「舌がガキなのね。」

悠「んー、それも認めるがカニみそとかめっちゃ好きだぞ」

雨「急におっさんくさくなったわね…。」

亘理『甘辛味のカニみそ料理をつくれば……』

悠「カニみそに余計なことしてだしたりしたら怒るぞ」

千世子「サンダルフォンは兄弟であるメタトロンと同じく、もともとは人間だったのだ。そのころの名前は「エリヤ」というのだ。エリヤとは「我が神はヤハウェ」という意味なのだ。この名前が示すとおり、エリヤは敬虔なユダヤ教信者であり、予言者であったのだ。」

神姫「妙なところで拘りだしたわね。」

悠「カニみそなんかは茹でただけとかのが一番うまいんだよ。焼いたり余計な味付けしたりするのは超反対」

摩耶「ほら、悠君てめんどくさい人だから」

雨「納得だわ」

悠「否定はしないけど失礼な!」

神姫「どっちよ…」

亘理『じゃあ、やっぱりカレーみたいなのもを……』

悠「カレーみたいなじゃなくてカレーつくれよ。」

神姫「最悪レトルトだしとけば喜んで食べるわよ。悠は」

悠「まぁ、レトルトカレーも好きだよ普通に」

千世子「ユダヤ人教の歴史書であり、旧約聖書におさめられた文章「列王記」によると、エリヤは死後、火の戦車で天界に運ばれ、サンダルフォンとなったのだ。今日はここまでなのだ。」
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