ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「はー、昨日は凄かったのだ…。」

悠「神姫の独壇場って意味でな」

亘理『……』

摩耶「いやー、全力だと凄いね。特に最後のドカァンってなったのは未だにタネが分からないし」

悠「おれは普段アレの何十分の一で叩き潰されてるんだなっとゾッとした」

亘理『……』

千世子「それで神姫ねーちんは?」

悠「あぁ、平気っぽいよ。少し身体が痛いっていってたが普通にここには来るメールが入ってたし。」

亘理『……』

摩耶「悠君がメール見てるってことがレアだね。」

悠「失礼な。っか、亘理はさっきからなんでおれにもたれかかってる?」

千世子「逆さ吊りだからもたれるっていうか垂れかかってるなのだ」

亘理『いやー、もしメフィ先生がまた変なことさせようとしたら殴ろうかと思って』

摩耶「殴ろうって部分が直接的でいいね。」

悠「あのおっさんだって早々面倒事を……」

メフィスト「たっかなしさーん!」

悠「……」

摩耶「どしたんですかー、メフィストさーん」

亘理『摩耶君普通に返事しちゃった!』

メフィスト「昨日はスイマセーンデした。」

悠「特に怪我人も出てないしいいけどよ。アレはどうしたんだ?」

メフィスト「アレ?」

悠「デモンだよ。デモン」

メフィスト「あぁ、さすがに元通りにはデきなかったのデ……こういう感じに修復しましたデース」

ベチャ!どろどろっ…

千世子「……クリーム?」

摩耶「クリームだね。」

悠「おい、このカスタードクリーム状の物体はなんだ。」

メフィスト「デモン、デスよ。」

デモン【……】
うごうご、もぞもぞ

亘理『う、うごめいてる』

摩耶「リアルスライム系モンスターだね。」

悠「元通りどころか別もんだろ。このイエローテンパランス的なナニかは…」

メフィスト「良かったら差し上げますよ。」

悠「いらねぇよ。」

メフィスト「それデは、ちゃんとしたお詫びの方をどうぞデス」

コトッ

悠「……なにこれ?」

千世子「サイコロっぽいのだ」

摩耶「二十四……いや、三十面ダイスかな」

悠「おれはテーブルトークアールピージー。いわゆるTRPGは別にしないが?」

亘理『何で一回略せずいったの?』

メフィスト「ノンノン、これはただのダイスではないのデース。どうぞ、ダイス面を見てください」

悠「ダイス面て……ん?超大吉、超大吉、超大吉、超大凶?」

メフィスト「一面が超大凶、それ以外が超大吉。超大吉を出せば、幸運が訪れるが、超大凶を出してしまうとそれまでの大吉がチャラになるほどの不幸が起こるレアアイテムデース」

悠「リスキーダイスじゃねーか!」

メフィスト「ノンノン、グローリーダイス。デース」

悠「なんでもいいわ!こんな危ないものいるか!」

ドンッ!コロ…

摩耶「あっ…」

亘理『あ…』

千世子「あー!」

コロコロ…超大吉

悠「ほっ」

神姫「何集まってるの?」

悠「いや、ちょっとメフィのおっさんがな」

神姫「また、妙なのを持ってきたんじゃ……あっ」
躓っ!
悠「おっと」
ガシッ!もにゅん…

神姫「っ……」

悠「げっ…」

神姫「……腹立つけど、こけたのは私だからとりあえず許すわ」

摩耶「おー、ダイスの効果超絶!」

メフィスト「ふーむ、しかしこのダイスの運増強はロトシックスが当たるレベルなんデスか…」

亘理『つまり、神姫さんの胸鷲掴みを無事に済ますにはそれだけの運がいると?』

千世子「ってことっぽいのだ。」