ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「……んー」

Q子『あーぁ、天井からおっぱい状の何かが垂れて来ないかなぁ。そうしたら一時間くらい揉みしだくのに』

悠「おれが言ってるみたいに背伸びしたタイミングで後ろでしゃべんな!」

Q子『はい!お馴染みQ子どぅぇぇぇすっ!』

摩耶「そもそもおっぱい状のものが単品で垂れて来てもねぇ」

義鷹「気色悪いだろ」

悠「見ろ、義鷹が気色悪いレベルだぞ」

Q子『でも、揉むでしょ』

悠「うん、とりあえず揉む」

神姫「……」

ﾋｭﾊﾞｯ!
悠「グアバっ!!」

亘理『あぁ……悠ちゃんがズタボロになっていく』

摩耶「見向きもされずにってのがポイントだね。」

【メタトロン】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。キリスト教において、もっとも偉大な天使はミカエルだとされているのだ。だけど、ユダヤ教徒は違った見解を持っているようなのだ。彼らがもっとも偉大な天使として崇拝しているのは、この大天使「メタトロン」なのだ。」

Q子『容赦ない攻撃も愛情表現の一つよね』

摩耶「Q子さん、身体半分になってるよ」

Q子『あらビックリ。でも、大丈夫エロいこと考えればすぐに元通るから』

義鷹「不死身だなコイツも」

亘理『そんなのばっかりだよね此処……』

千世子「メタトロンは「契約の天使」「小ヤハウェ」などと呼ばれているのだ。「小ヤハウェ」とは、唯一神ヤハウェに準じる存在という意味であり、彼が第二の神になれるくらい偉大な存在だということをあらわしているのだ。そのほかにもメタトロンには100を越える数の異名があり、これは天使の中でもずば抜けて多い数なのだ。」

悠「痛っっ……身体が千切れるかと思った」

神姫「皮膚ぐらい裂けたら良かったのに」

悠「おれの美肌を傷つけてどうしよぶぎゅっ!」

神姫「……」

ピッ!ドンッ!ドンッ!
悠「ぐっ!ぎっ!」

摩耶「卸されて、潰されて……ねぎとろになりそうだね」

義鷹「俺はあんまり好きじゃねぇな。どうせならしっかりと身を味わいたい」

摩耶「タン塩とか薄いより厚い方が好き系?」

義鷹「肉は生にかじりつくのが最高だろ」

亘理『微妙に話がかみ合ってない』

悠「っか、誰か助けて……」

千世子「メタトロンは37枚の羽と無数の燃える目を持ち、顔は太陽よりもまぶしく輝いているのだ。身体からは炎が立ち上り、ここから無数の天使の軍勢が生まれるというのだ。また、メタトロンは天使の中でも際だって大きな身体を持つことで知られているのだ。一説によればメタトロンの体は世界と同じだけの大きさがあるというのだ。」

亘理『大丈夫?』

神姫「平気よ」

悠「いや、おれは全然平気じゃない」

神姫「本当に平気じゃない人間は「平気じゃない」なんて言わないわ」

悠「そんな真に虫の息だったら困るだろ」

神姫「いや、別に」

悠「わーお……即答」

摩耶「大丈夫、大丈夫。此処なら何かしらの蘇生方法はあるよ。五体満足人間で居られるかどうかは別として」

悠「意地でもひん死に慣れない場所だな此処って」

千世子「メタトロンは偉大な天使の例にうもれず、様々な役割を与えられているのだ。そのなかで一番有名なのは「天界の書記」という役割なのだ。メタトロンは天界と地上で起きる全ての出来事を記録しているしつづけているのだ。このため彼は地上や天界の秘密をすべて知っており、秘密の守護者という役割を持っているのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ」