ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ここ連日の寒さにおれが泣いた」

摩耶「今日はそこそこ晴れてよかったね」

悠「まったくだわさ。」

亘理『私は雪遊びしたい……』

悠「そんな恨めしそうな目で見るなよ。雪に触るとかぶれるぞ」

亘理『悠ちゃんのとって雪ってなんなの?!』

悠「まぁ、多分毒かな」

Q子『誰か今「股」っていったわよね!?』

悠「いってねーよ!」

神姫「「まぁ、多分」「まぁたぶん」「まぁた」「また」……?」

Q子『にっ!』

悠「どうよみたいな顔してんなよ」

【ガブリエル】

千世子「はーい、変な話ししてないでじゅぎょーしますなのだ。ガブリエルは、キリスト教でもっとも重要な天使「四大天使」のひとりなのだ。彼女は天使九階級の八番目「大天使」だが、第一位の「熾天使」だとする説もあるのだ。」

神姫「その淫霊のセクハラってどうにかならないのかしら」

Q子『淫霊がセクハラをせずになにをするのよ、ねぇ?』

悠「おれに同意を求めるな」

亘理『悠ちゃんも似たような節があるけど』

悠「質が違う。」

千世子「ガブリエルはじつに多種多様なものを司っているが、すべての役割に共通しているのは「神の意思を人間に伝える」伝令の天使だということなのだ。中でもとくに重視されているのが「受胎告知の天使」、つまり女性が赤ん坊を妊娠したことを知らせる役割なのだ。この役割のために、ガブリエルは出産の天使とも考えられるようになったのだ。この他にもガブリエルは、天恵、知恵、慈悲、贖罪、約束などを守護しているのだ。」

摩耶「質って?」

悠「おれは相手を選ぶがあっちはみさかえない」

神姫「どっちもクズよ」

悠「き、厳しい」

雨「当然でしょ。」

悠「雨…」

雨「なによ」

悠「居たのか……」

雨「居たわ!!」

千世子「一般的なキリスト教の神学では、ガブリエルは女性だと考えられているのだ。その根拠は、カトリック教会の旧約聖書に収録された物語「トビト記」にある、ガブリエルは「神の左に座る」という記述なのだ。なぜこの記述がガブリエルが女性である証拠になるのかというと、「トビト記」が書かれた紀元前五世紀前後のユダヤ人社会では、家の主人の左側に座るのは女性だと決められていたからなのだ。」

晶「Q子は仕方ないよ。Q子だし」

Q子『この頃は普通な事しかしてないのだけどねぇ』

摩耶「例えば?」

Q子『おっぱいの大きい女子を見つけるたびにこねくりおっぱい、こねくりおっぱいって囃し言葉をいいながら手を叩くの♪』

悠「セクハラなのかなんなのか分からないな」

千世子「ガブリエルは世界中の画家たちによってもっとも多く描かれた天使のひとりでありその姿にも無数の説があるのだ。黄金の翼を持っている、剣と天秤を持っているなどの姿が一般的だが、もっとも多く描かれているのは、西洋で純潔の象徴とされている「百合の花」を持っている姿なのだ。」

神姫「廊下ですれ違うたびにやられてたから淫霊の何かの儀式だと思ってたけどただのセクハラだったのね。次からは全力で殴るわ」

悠「神姫も感覚が若干麻痺してきてるな」

摩耶「まぁ、こねくりおっぱいで手を叩かれてもねぇ」

亘理『私もされてる……。』

雨「……」

悠「わかってる。されてないな雨は」

雨「うっさい!」

千世子「現在では、彼女が伝令の天使であることから、ガブリエルは電話技師、ラジオキャスター、郵便局員、外交官などの守護聖人となっているのだ。これは1951年、カトリック教会の教皇ピウス12世によって公認されたものなのだ。変わったところでは、ガブリエルは切手コレクターの守護天使でもあるというのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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