ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

晶「肝臓、胃袋、右肺、左肺~~今日も元気だ内臓がキレイ~♪」

亘理『わぁ……一発目から嫌な絵づら……』

神姫「……」

晶「じ……腎臓ばっかりじろじろ見ないでようやらしいな亘理ちゃん!」

亘理『なんでよ、やらしくないわよ!』

神姫「人体模型の恥ずかしさの基準て何なの?」

千世子「じゅぎょーしまーすなのだ。ミカエルはもともと、現在のイラク南部、カルデア神だったと言われているのだ。それがユダヤ人の信仰にとりいれられ、大天使ミカエルに変わると、ユダヤ教やキリスト教の中で圧倒的な人気を集めることとなったのだ。」

Q子『いやらしい亘理ちゃんというキーワードに誘われてQ子&悠参上!』

亘理『やらしくないっていってんでしょー!』

悠「おれは最初からいたしものの数に入れんな」

摩耶「反応しなかった?」

悠「いや、反応はしたけど」

神姫「カスね」

千世子「キリスト教の最大派閥「カトリック」では、ミカエルの戦士としての力を重視し、常に悪魔の軍勢と闘っていると信じているのだ。その偉大さから彼は「天使長」「天使の王子」の称号で呼ばれるようになり、世界中にミカエルの名前を冠する教会が乱立したのだ。その中でも有名なのが、フランス北西部にある岩礁「モン・サン=ミッシェル」の教会なのだ。この山は「聖ミカエルの山」という意味があるのだ。」

悠「カスは言い過ぎジャマイカ?」

神姫「……」

悠「無視というのは心を一瞬でクラッシュさせる」

摩耶「対して効果があるようにも見えないけどね」

Q子『それでやらしい亘理ちゃんは?』

亘理『だからやらしくなぃっ!!』

千世子「モン・サン=ミッシェルは海岸の先に浮かぶ幅1㎞、高さ24mの巨大岩で、細い道で海岸とつながり、岩の上には巨大な教会がたてられているのだ。これは西暦708年にフランスの司教だったオベールという人物が、ミカエルの命令で小さな聖堂を建て、それを増改築して出来上がったモノだというのだ。」

悠「しっかし、お前らってちょろちょろし過ぎじゃないか?」

晶「学生だし」

悠「意味が分からん」

Q子『壁に耳あり、障子に目あり、いやらしいころにQ子ありなのよ』

悠「さらに意味が分からん」

千世子「カトリックと対立する宗派「東方正教会」では、ミカエルの「医師」の能力に注目するのだ。彼らは、6世紀末にローマを襲った疫病「ペスト」が一掃されたのはミカエルのおかげだと教えているのだ。また、トルコ南西部にあった街「コロサイ」には、ミカエルが作ったという薬泉があったのだ。その泉の水を浴び、神とイエスと精霊、そしてミカエルにい乗れば、どんな傷でも癒すことができたというのだ。」

神姫「人体模型は学校妖怪……なんだろうけど、淫霊ってなんなのよ」

Q子『あら、生前は私も生徒だったのよ。だけど、本質がいやらしかったから淫霊になったのよぉ!!』

摩耶「へー、じゃあ悠君も幽霊になったら淫霊になるのかな」

悠「いやいや、どうしてそうなるのかな?」

神姫「自分で考えろ」

悠「神姫さん、今日辛辣っすね」

千世子「ミカエルは、イスラム教では「ミーカール」という名前で信仰されているのだ。ミーカールはキリスト教時代と同じく四大天使の筆頭で、どんなに面白い話しにもまったく笑うことない厳格な天使として描かれているのだ。」

晶「一応、僕らって七不思議妖怪なんだけどね。」

亘理『初耳なんだけど七不思議とか』

晶「そう?夜ひとりでに鳴る音楽室のピアノ、動きだす銅像とかたいていの学校はそういう……いわゆる七不思議があるよね。そしてここにももれずにあるんだよ七つの七不思議が…」

悠「まぁ、ここならあるだろう……七つの七不思議!?」

摩耶「七×七で四十九個……多いねぇ」

千世子「ミーカールの外見は、戦士であるキリスト教のイメージとはかなり違っているのだ。ミーカールはエメラルド色の翼とサフラン色の髪を持ち、その毛一本一本にはそれぞれ100万の顔がついているというのだ。ひとつの顔には100万の目と100万の舌がつき、ひとつの目からは7万粒の涙がこぼれるというのだ。以上、ミカエルのじゅぎょーだったのだ。」
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