ー奇談ー學校へ行こう7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

晶「人の心には…悪魔と天使が住んでいる……」

悠「何キャラ?!」

晶「いやメフィストさんの部屋の掃除を手伝ってたら出てきたんだよ「二つの心具現化小槌」が」

悠「えぇー…マジか…?ヤバいなメフィのおっさん」

晶「それでコレどうします?って聞いたら「あーソレね持ってく?面白いデースよ」って」

悠「ええーマジか!?頭ヤバいなメフィのおっさん!!」

【ミカエル】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。キリスト教では名前がある者だけでも200を超える数の天使が知られているのだ。その中で最も偉大なのが大天使ミカエルなのだ。ミカエルは「四大天使」の筆頭であり、神と直接会うことを許された「御前の七天使」のリーダーでもあるのだ。」

摩耶「それで……なんとなく想像はつくけどどうやって使うの?」

晶「例えばあんな感じで葛藤している人間に」

Q子『じょ……女子のスケスケぱんつが落ちている!』

摩耶「人間じゃないね」

亘理『しかも何が落ちてるって?』

千世子「ミカエルの名前は、直訳すると「神に似たもの」という意味になるのだ。もっとも偉大な天使に相応しい名前だが、一方でこの名前の本当の意味は「神のごとき者などいない」という逆説的な意味だという意見も根強いのだ。この場合ミカエルは、自分の名前まで使って神の偉大さをアピールしていることになるのだ。」

晶「こっちのデビルハンマーでゴンッとやると」

ゴンっ!
Q子『あうっ!』

ポンっ!
Q子デビル『拾っちゃえよ!』

悠「おお、誘惑の悪魔が!」

Q子デビル『拾って振り回して小一時間楽しんだ後、額装してリビングの一番いいスペースに飾り夜毎にワインを呑みつつ干渉しろよ!』

摩耶「これはひどい!」

千世子「ミカエルはさまざまな能力と役割を持っているのだ。その中でもっとも重要なのは、悪と戦う戦士という役割なのだ。またその他にも、高潔さと公正さの守護者、光の支配使者、真実の天使、死者の案内人といった役割がミカエルには与えられているのだ。天界では、ミカエルは9種類に分かれている天使の階級の8番目、大天使のリーダーとされているのだ。ミカエルの部下には、天使の階級の5番目で、地上に奇跡を起こしたり、善人に勇気を与える「力天使(ヴァーチュズ)」たちがつき従っているのだ。」

晶「それでこちらのエンジェルハンマーでゴンッと」

ゴンっ!
Q子『あうっ!』

ポンッ!
Q子エンジェル『かぶっちゃえよ!』

悠「おい、これクソアイテムだぞ!」

千世子「キリスト教の宗教画では、ミカエルは戦死の鎧を着て、抜き身の剣と天秤を持った姿で描かれているのだ。抜き身の剣は戦死の能力、天秤は死者の案内人の能力の役割の特徴なのだ。」

Q子『とにかく拾え!拾わんことには始まらぬー!』

Q子デビル『ゲーーット!ぶーーっ女子のぱんつかと思いきや教員用の三角定規!』

Q子エンジェル『くそっ、どうりで超スッケスケだと思った!遠近法の魔術にだまされた!!』

悠「おい、コレじゃただの三人のQ子じゃないか……」

摩耶「その小槌壊れてるんじゃないの?」

晶「あぁ、だから貸してくれたのかな」

千世子「聖書にはなんども天使が登場するが、個人名が明記された天使は3人しかいないのだ。ミカエルはその三人の中でも、聖書での登場回数が飛び抜けて多いのだ。また聖書には「ヤハウェの天使」「主の御使い」という呼び名で何度も天使が登場するが、この呼び名で登場した天使はすべてミカエルだと考えられているのだ。つまり、聖書の天使にに登場する天使の大半はミカエルなのだ。」

Q子『いきなり私ゴンッてやられちゃったわよ』

Q子デビル『結局女子のぱんつは手に入らなかったし出てくるだけ損だったわ』

Q子エンジェル『だいたい小づちで一撃入れないとダメとか古臭いのよね』

悠「出したら出っぱし?!」

晶「戻し方きいてなかったや」

摩耶「呪いのアイテムだねこれ」

千世子「ミカエルの活躍で有名なのは、新約聖書に収録された世界の終末物語「ヨハネの黙示録」なのだ。ミカエルは天使軍団の総指揮官として登場し、悪魔の王サタンとの一騎打ちに勝利しているのだ。余談だが、このときサタンは「火のように赤い大きな竜」、つまりレッドドラゴンの姿をとっていたのだ。ヨーロッパではしばしば悪役として扱われる理由は、この「ヨハネの黙示録」にあるわけなのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」

神姫「次までにそのセクハラ霊をどうにかしとかないとミンチにするわよ」

悠「おれ?!」
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